うさりく先生の陸上教室

 

うさりく先生の陸上教室

陸上競技に関する情報や基礎知識を発信します。陸上競技を始めた人、もっと知りたい人、また、指導者の皆さんにも参考になるブログです。

MENU

不正スタートを判断する装置、スタートインフォメーションシステムの仕組み

f:id:usariku:20170504075658p:plainダイヤモンドリーグ上海大会(2017年5月13日)で、桐生選手がフライングで失格になりました。あの時、フライングを機械が判定したといっていましたが、どの様な仕組みなのですか?

  

 

 

フライングを判定したその装置は、スタート・インフォメーション・システムといいます。

(ルールではフライングのこと不正スタートといいます。)

以前、不正スタートの考え方について記事を書きました。その記事の中でスタート・インフォメーション・システムを紹介しましたが、今回はその仕組みについて説明します。

以前の記事はこちらをご参照ください。 


 

スタート・インフォメーション・システムとは


スターティングブロックに取り付けたセンサー
です。競技者のスタート合図(号砲)からのスタート反応時間リアクションタイムといいます)を検出し、スターターを補助する装置のことで、400mまでのクラウチングスタートで使用します。

このセンサーは、反応時間が0.100秒未満の場合に不正スタートと感知しますそれを確認できた場合、不正スタートとなります。

医学的な根拠に基づき、人間がスタートの合図を聞いて反応できるのには0.100秒は掛かるということ
で、反応時間がそれ未満の場合は、選手は「合図(音)を聞く前に反応したとして不正スタートとなります。

国際大会や、日本国内でも規模の大きな大会になると、国際陸上競技連盟(IAAF)承認のスタート・インフォメーション・システムが用いられています。

また、世界記録に認定されるための条件のひとつに、このシステムが採用されていることがあります。
 

フライングを感知する仕組み


競技者のスタート合図からのスタート反応時間リアクションタイムといいます)を検出し、スターターを補助する装置と書きましたが、更に詳しく説明します。

まず、ニシ・スポーツのスタート・インフォメーション・システムの設置例です。
スターティングブロックにセンサー(後方の青い器具)が取り付けられています。

f:id:usariku:20170514013142j:plain


センサーからケーブルが出ており、確認用モニターにつながっています。

 

実際の使用例:スタート・インフォメーション・システムが取り付けられたスターティングブロックとモニターを確認する競技役員

f:id:usariku:20170613191906j:plain

 

そのセンサーで、競技者がスターティングブロックに足をのせた際にかかる圧力が検出できます。スターティングブロックの真ん中にある支柱、そこにかかる圧力です。その圧力変化を装置がみて(検出して)いるのです。

スターティングブロックに足をのせていない時は当然圧力はかかっていません。

On your marks(オン・ユア・マークス)でスターティングブロックに足をのせ、圧力変化が起きますが、その後、身体が静止すると変化はない状態になりますです。

Set(セット)で腰を上げた際にも変化が起きます。
身体が静止し変化はない状態になります。

そして競技者がスタートをしたときに大きな圧力変化が起きます。

この大きな圧力変化を検出した瞬間を、競技者のスタート反応時間(リアクションタイム)だと装置は測定しているのです。

スタート・インフォメーション・システムはスターターの信号器とつながっており、信号器の合図(号砲)から、競技者がスタートした時間を計測しています。

その時間差が 反応時間(リアクションタイム)で、この時間が0.100秒未満の場合に不正スタートなのです。

ルールでの不正スタートの定義は、手が地面から離れたとき、足がスターティングブロックのプレートを離れたときとなっています。それをスターティングブロックにかかる圧力変化を利用し「反応時間」を測定するという方法で検出できる、たいへん良く考えられた装置なのです。

しかし、この医学的根拠に基づいた「0.100秒」という数字ですが、「もっと速く反応できる人間もいる」のではないかとの見方もあるようです。
今後変わっていくのでしょうか・・・

      過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain