うさりく先生の陸上教室

 

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陸上競技に関する情報や基礎知識を発信します。陸上競技を始めた人、もっと知りたい人、また、指導者の皆さんにも参考になるブログです。

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ケンブリッジ飛鳥 9秒台は参考記録 風のはなし

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ケンブリッジ飛鳥選手が4月15日、米フロリダで行われた競技会の100m予選で9秒98を出しましたね!

しかし、この時の風は追い風5.1m。

記録は公認されませんでした。

 

桐生祥秀選手も2015年3月に、米テキサスの競技会で9秒87を出していますが、この時も追い風3.3メートル、公認されませんでした。

公認されなかったとは言っても人間が自分の足で走って出した記録です。

9秒台は素晴らしいパフォーマンスには違いありません。

では、陸上競技公認記録とはいったいなんでしょう?

 

公認記録として認定されるには競技場や器具類、競技役員のことなどいくつかの条件をクリアし日本陸上競技連盟が認めた大会で出した記録である必要がありますが、今日はのことだけを取り上げてみます。

 

屋外で行なわれる200m以内のトラック種目の記録は、平均秒速2mを超える風力が走る方向へ吹いていたと測定された場合、記録は公認されません。

 

つまり追い風が2mを超えると追い風参考記録です。

 

f:id:usariku:20170423225103p:plainルール上は「走る方向へ吹いていた」と書かれていて「追い風」とは書かれていない。

 
1998年に伊東浩司さんが出した10秒00(追い風1.9メートル)の日本記録はいまだ破られず。

文句なしの9秒台、日本記録更新の瞬間を早く見たいですね!

ということで今日のうさりく先生の話は、風についてです。

 

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風の測り方(トラック競技)

 

レース後、記録の発表の後に

「この時のは追い風1.2m」といったアナウンスがありますね。

このとは、そのレース中に吹いているのことです。

トラック種目では、200m以内の競技の時に測ります。

 

では、はどこでどの様に計測しているのでしょう?

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain 風向風速計は直走路のすぐ内側の真ん中にある

 

風を測っている器械は風向風速計といいます。

それが設置される場所はルールブックで決められています。

直走路の第1レーンに隣接して、フィニッシュラインから50mの地点に立てる。それはトラックから2m以上離してはならず、高さは1m220であること

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写真の風速計、ニシ・スポーツの最新型、新しいのでまだあまり見かけません
風力速報表示器は風速計で計測された風力を表示するもの

 

 すぐ近くに吹き流しも設置されています。

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f:id:usariku:20170423184004p:plain 風速はいつ計測するのか


風速をいつ計測するかは、種目ごとにきちんと決められています。

 

スターターの信号器の発射(閃光/煙)から、

60mは5秒間

100m は10秒間

100mハードル は13秒間

110mハードル は13秒間

200mは、先頭の走者が直走路に入ったときから10秒間計る。

 

その間計測された秒速の平均値が、

小数第2位が0でない限り、秒速1mの10分の1の単位まで繰り上げる。

つまり、秒速 +2.03m は +2.1mに

-2.03m は-2.0mになります。

(+は追い風、-は向かい風)

 

100mのレース中、10秒間計測し続けるということは、

100mを9秒台で走った場合、フィニッシュ後も計測しているということになります。

ボルト選手の世界記録は9秒58。

走り終わってからもまだ0.42秒間も風を計測し続けていたんですね。

 

 

風のいたずら

 

風の計測は、フィニッシュラインから50mの地点で行われていると書きました。

つまり、スタート地点やフィニッシュ地点の風は直接関係していないのです。

追い風2.0m以下で公認記録となるレースでも、もしかしたらスタート地点やフィニッシュ地点でもっと強い神風が吹いていることもあるかも!もちろん、その逆もあります。

 

また、風は常に走路の方向にそって吹いているとも限りません。むしろ斜め方向から吹いていることの方が多いです。 

実は斜め方向から吹いている風でも、真後ろまたは正面から吹いている風に修正しています。これは風向風速計が自動で行います。

 

極端な例、強い風が真横から吹いていた場合、

選手の前からでも後ろからでもないので風速は0(+-0.0m)となります。

計測された結果が追い風2.0mの場合でも斜め後ろから吹いていたならば、

実際の風力は2.0mを超えている場合があります。

例えば斜め後ろ45度から吹いている場合、

計測結果が2.0mでも実際の風は2.7mあります。

 

 

 

風の影響はどれほど?

 

記録を見るときには、一緒にその時の風がどうだったのかも見る必要があります。

記録の後に書いてある+や-の数字、あまり気にしていない人もいるのではないでしょうか。

追い風だったのか向かい風だったのか、またその強さで記録は結構違ってきます。

 

どれほど違ってくるかというと、それは一概には言えません。選手によって様々です。

体形や走力やフォームにより風の影響を受けやすい選手、受けにくい選手がいると感じます。

 

同じ選手の同じ日の記録を比べても、気温や体調、メンタル面の影響もあるでしょうから、純粋に風の影響だけを見て取ることはできません。

でも参考にはなりますので、

100mの3選手がそれぞれ同じ日に走った記録を比較しました。

 

A選手・・・高校2年男子

B選手・・・中学2年女子

C選手・・・中学1年女子

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f:id:usariku:20170423225103p:plain単純に計算すると

10秒で走る選手の0.1秒の差は距離にすると1mです。 

 

風がない時(+-0.0m)の記録に換算できるサイトがあります。
興味のある方は参考にしてください。

 

  

f:id:usariku:20170504083213p:plain風の影響、結構大きいですね!

陸上をやっている人ならだれでも風に泣かされた経験ががありますよね。屋外では全レース平等な条件で行うのは無理な話ですけど。

皆さんに良い追い風が吹きますように・・・! 

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