うさりく先生の陸上教室

 

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リオ・オリンピック 男子4×100mリレー決勝 ~話題にならないミス~

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リオデジャネイロオリンピックの男子4×100mリレーについて主に話題となったことに関しての記事を書きましたが、今回はほとんど話題にならなかったことに触れてみたいと思います。

既に書いた記事はこちらです。

  


リオデジャネイロオリンピックの男子4×100mリレー、感動とともに興味深いレースであったことは既に書いた記事のとおりです。

その内容、ネットでも話題になるなどかなり知られたことでした。

今回は話題にならなかったミスが起きていたことに触れます。
このことはどちらかと言うと運営側のミスです。

陸上競技のルール上、既にこのレースは確定しています。仮にルール違反が起きていたとしても結果は変わりません。

そのミスとは、以前書いた「リレーのマーカー(テープ)」に関することです。 

 

少し時間はさかのぼります。

リオデジャネイロ・オリンピックより数年前の国際大会で、マーカー(テープ)がルールで定められた大きさ(最大5cm×40cm)より大きい(長い)ことがありました。
それをきっかけに次のようなルールができました。

 

競技役員は、第170条4(マーカーの数とサイズ)が確実に遵守されるようにしなければならない。

 

そうです。それまでサイズの規定はあったのですが、競技役員が確認することまでは書かれていなかったのです。

通常ルールに反する行為があると競技役員が指摘するのが当然です。わざわざ「遵守されるようにしなければならない」ということまでルールに盛り込まれることはあまりありません。

マーカーの長さについては、リレーでは重要なことであるのに見落とされることが多いので、「競技役員は指摘しなければならない」ということを盛り込んだのだと思います。

しかし、そのルールができた翌年に開催されたある国際大会では、主催者が準備したマーカー(テープ)が短い(20cm程度、規定の半分)ということが起きました。短ければ見にくい(使いにくい)のは当たり前です。出場チームも困ります。配布後すぐに出場チームからクレームが出てレースでは規定通りのものが使われました。

たかだかマーカー(テープ)だと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、選手が走り出すポイントなどに使用する重要なものです。練習で使用するものと異なり、短い場合は見にくくなります。長過ぎる場合は視界に多く入るため見やすくなるかもしれません。

しかしルール通りに行っているチームが不利になるのは許されることではありません


そして、リオデジャネイロ・オリンピック、お察しのとおりまたマーカー(テープ)に問題がありました。

動画サイトで確認できます。
リオ 男子 リレー 陸上 NHK」などで検索してご覧ください。

スタート直前にケンブリッジ飛鳥選手とボルト選手が大きく映っている場面があります。その画面の中に外側2レーンのチームのマーカーが映ります。
また、レースの映像では、第3走者から第4走者のバトンパスの時の映像で全チームのマーカーが確認できます。

レーンの幅は1m22cmです。ルールではマーカー(テープ)の長さは最大40cmレーンの約3分の1です。これが長さの目安です。

明らかにレーンの半分(約60cm)以上のチームが多数あります。

このレース、マーカーを規定の長さで主催者が準備したのではなく、選手が自身でマーカーを切ったそうです。

しかも、

競技役員は、第170条4(マーカーの数とサイズ)が確実に遵守されるようにしなければならない。

が行われなかった。明らかに運営側のミスです。

そのままレースは確定しましたので、このことで結果が変わることはありません。

この事実、日本陸上競技連盟も当然ですが問題視しており、国際陸上競技連盟の会合などの場で競技役員による確認を徹底するよう申し入れるそうです(既に申し入れた後かも知れません)。

日本代表選手に対しても合宿などの場で、国際大会でもこのようなことがある、まずはルールを守るということを再確認しているそうです。
レース直前、レースに向けて集中しているときに競技役員から注意をされるようなことがあると集中が途切れることもあり得るのでそれを避けたいということです。

 

f:id:usariku:20170423225103p:plainこの競技役員がマーカーに問題ないかを確認するというルール、反しているからといってレースに出場できないということではありません。その場で是正すれば大丈夫です。
でも、レース直前に注意されるのは良いことではありません。
ルールを知り、きちんと守ってレースにのぞみましょう。  

  過去の記事一覧 f:id:usariku:20170517002941p:plain