前回の記事で、1979年10月当時の男子100mの日本記録は10秒48と記載していますが、おや?と思われた方がいるかもしれません。
確かに日本記録の変遷などを調べると、10秒34とでてくることがあります。
1968年のメキシコオリンピックで飯島秀雄選手が10秒34(電気計時)で走っています。
しかし、この時の記録は当時のルールにより100分の1秒単位を10分の1秒単位に換算した10秒3が公式記録とされました。
その後、国際陸上競技連盟(以下「国際陸連」)では1975年から電気計時のみを過去にさかのぼって世界記録として公認するようになりました。
アジア陸上競技連盟でも同様に過去にさかのぼって公認するようになりました。
日本陸上競技連盟(以下「日本陸連」)でも、1975年から電気計時を公認としましたが、過去にさかのぼるとはしませんでした。
その後、1984年になって過去にさかのぼり公認、1993年から電気計時のみを日本記録として公認するようになりました。
国際陸連は1975年に1968年のメキシコオリンピックでジム・ハインズ選手(アメリカ)が記録した9秒95を「世界記録」とし、アジア陸上競技連盟では飯島選手の10秒34を「アジア記録」として公認しました。
この時、日本陸連は過去の10秒34は日本記録と公認しなかったため、「アジア記録であって日本記録ではない記録」となったのです。
飯島選手の記録10秒34が日本記録として公認されたのは、1984年に過去にさかのぼるとなったとき、記録を出したメキシコオリンピックから16年も経ってからだったのです。
つまり、前回の記事での当時(1979年10月)の男子100mの日本記録は1975年に樹立された10秒48としました。手動計時の日本記録は10秒1でしたが、記事での記録が電気計時のものでしたので、10秒48を日本記録として記載しました。
陸上競技マガジン増刊号「1981年記録集計号」を見ると、日本記録は10秒48、日本歴代50傑の電気計時の第1位は10秒34と不思議な記載になっています。
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