うさりく先生の陸上教室

 

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タイムの読み上げは場所を考えて行おう ~助力になる場合~

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競技会のトラック競技で、タイムを読み上げている人がいます。
1周毎のタイムやスタートからの経過タイムなどです。
このタイムの読み上げ、行う場所に注意しなければなりません。

 

 

 

 

 

競技会のトラック競技で、タイムを読み上げている人をよく見ます。

1周毎のタイムやスタートからの経過タイムなどです。

中には設定(予定)のタイムからの遅れを選手に伝えていることもあります。

このタイムの読み上げ、スタンド(競技区域外)から行うのは問題ないのですが、競技区域内で行うことは禁止されています。

 

まず競技区域について。

このことルール上では次のように定義されています(一部略)。

競技区域は、通常、柵などで物理的に仕切られているが、解釈上、競技が行われ、競技者と関連規則・規定で認められた者のみが立ち入ることのできる区域と定義される。

 

しかし現実には、バックストレート側のスタンドに行くのにトラックの直ぐ外側を通行しなければならない競技場(競技会)があります。

また補助競技場(サブトラック)がない、あるいは使えないためトラックのバックストレートがウォーミングアップのために開放されていることもあります。

つまり、ルールで競技区域内と定義されていると解釈される場所であるのに、競技中の種目に出場している選手や競技役員などではない人がトッラクやそのトラックの近辺(トラック脇など)など競技区域内に立ち入ることができる競技場(競技会)があるのです。

このような競技場でもスタンド(メインスタンド、サイドスタンド、バックスタンド、芝生席も含みます)以外の場所でのタイムの読み上げは競技区域内での行為となりますのでやめましょう。



実際にトラックの直ぐ脇でタイムを読み上げている選手の関係者(チームの仲間や指導者など)を多く見ます。

中にはトラック内に入って読み上げている人も・・・

この行為、安易に考えている人が多いようですが実はそうではありません。

 

ルールでは「助力」という禁止されている行為のひとつです。

※注意:助力に当たる行為はこの他にも多数あります。
 

競技区域内でのタイムの読み上げ禁止についてルールでは次のように記載されています(一部略、関係部分のみ記載)。

審判長より事前に承認を得ない限り、いかなる者も、競技実施場所内で、時間を競技者に知らせてはならない。
本規則に違反し途中経過時間を知らされた競技者は、助力を受けたと見なされ第144条2が適用される。

この記載の中の競技実施場所内とは競技区域内のことです。
 

この記載、2015年度までは「第144条 競技者に対する助力」内にありましたが、2016年度より「第163条 レース」内に移動しました。
第144条に記載されていたことをご存知の方、なくなったのではありませんのでご注意ください。


そして競技区域内でタイムを読み上げる助力を行った場合、次のルールのように扱われます。
これが第144条2項です(一部略、関係部分のみ記載)。 

競技中、競技場内で、助力を与えたり受けたりしている競技者は、審判長によって警告され、さらに助力を繰り返すとその競技者は失格になるということを勧告される。競技者がその種目から失格させられる場合、そのラウンドの記録は無効とするが、前の予選ラウンドの記録は有効とする。

この記載の中の競技場内も競技区域内のことです。

 

競技区域内でタイムよ読み上げる行為、読み上げている人が注意などされるだけでなく、競技している選手に影響する行為です。

審判長に警告され、それでも繰り返し行われるときは失格になることを勧告され失格になるときもあるのです。 

競技区域内でのタイムの読み上げ、選手のためを思って行っていることなのかも知れませんが、選手が失格になることにつながる行為です。

読み上げる場所を考えて行いましょう。

 

もし、そのタイムを読み上げたい付近にスタンドなどの競技区域外がない場合などタイムの読み上げを行って良い場所がわからないときは、必ず大会本部(大会総務)に確認してから行いましょう。

 

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