陸上競技場、トラックのレーンの幅は1m220や1m250です。
前々回の記事でそのことに触れています。
なぜ1m220や1m250なのか。
陸上競技場のトラックのレーン、その幅は1m220または1m250です。
日本国内では1m250であったのが2010年4月以降に新設するあるいは全面改修するトラックでは1m220とすることになっています。
さてその1m220や1m250はなぜその値になったのか・・・
現在はメートル(m)法に則り、ルールは全てメートルで記載されていますが、メートルを用いるようになる以前に、フィート(ft)で計測され、規格が決められたものがあります。
そのひとつがレーンの幅で、4フィートで決まった長さです。4フィートは 1m219215、つまりをメートルにしたとき1m220になったのです。
では1m250は?
1レーンは4フィート、1m220としましたが、多少の幅を持たせるとして当時の国際ルールでは1m220~1m250とされました。
日本国内ルールでは少しでも幅が広い1m250に統一し、一方国際ルールでは1m220になっていきました。
そして近年、日本国内でも国際規格に合わせた1m220になってきているのです。
また、1m220だとトラック全体(面積)も小さくなり、土地の広さや工費の面でも好影響があるのも1m220の採用を後押ししています。特に工費の面では大きなコストダウンにつながります。
同様にフィートで計測された高さや長さが規格となっているものの代表例です。
ハードルの高さ、
1m067は3.5フィート、
0m914は3フィート=1ヤード、
0m838は2.75フィート、
0m762は2.5フィートからきています。
110mハードルのハードル間の距離の9m14は30フィート(=10ヤード)、1台目のハードルまでの距離13m72は45フィート(=15ヤード)からきています。
特にハードルの高さ、覚えにくいと思いますが、それはフィートで計測したものをメートルに換算したためです。
そうです。陸上競技の長い歴史の中で、長さや高さを決めた当時がフィートでの計測、それをメートルに換算したものが今も残っているのです。