競技会でリレーに出場する際、選手4人のユニフォームがそろっているか確認されることがあります。このことに関して。
リレー競技の招集(点呼)の際にメンバー4人のユニフォームがそろっているか確認された経験がある選手がいると思います。
そのことに関してルール―では、
〔国内〕 全国的な競技会でのリレー競走においては、チームの出場者は同一のユニフォームを着用する。
と記載されています。
これは日本陸上競技連盟が独自に追加した規定で、国内競技にのみ適用されるものです。
この記載を見る限り、「全国的な競技会での」と書かれており全ての競技会で必ずということではありません。
つまり、全国的な競技会でなければ、ルールでは強制していないのです。
競技役員でも誤った解釈(全ての競技会だと思っている)をしていることがあります。
ルールで強制していない理由のひとつは、例えば中学生などで、新年度から学校のユニフォームを扱うメーカーがかわったりして、前年までと同系色でもデザインが異なるというように、必ずしも全学年同じにできないことがあるからです。
このため選手にわざわざ購入させるなどすることは選手に不利益、負担を掛けさせるこになり望ましくないためです。
しかし、中には全国的な競技会でなくても、ユニフォームをそろえさせる競技会があります。また、全国的な競技会でも同一ユニフォームでなくても同系色なら良い場合もあります。
例えば、
日本陸上競技選手権リレー競技大会(日本選手権リレー)はリレー競技の日本一を決める全国的な大会です。従ってルールどおり同一のユニフォームの着用であるため、大会要項や競技注意事項にもリレーのユニフォームに関する記載はありません。
日本学生陸上競技対校選手権大会(全日本インカレ)も同様に記載はありません。
全国高等学校陸上競技対校選手権大会(インターハイ)では、本来全国大会であるので記載の必要はないのですが、競技注意事項に「リレー競技に出場するチームは、同一のユニフォームで参加しなければならない。」との記載があります。
全日本中学校陸上競技選手権大会(全中)では、全国大会ですが、競技注意事項に「リレー競技においては、同色系のユニフォームを着用する。」と記載があります。これは入学年度によってユニフォームを扱うメーカーがかわったりして、前年までと同系色でもデザインが異なるという場合などを考慮してのものだと思われます。但し大会要項には関係する記載はありません。
その他、全国的な競技会でなくても、競技注意事項に、
「リレー競技に参加するチームは必ず全員同一のユニフォームを着用すること。」
といった記載はよく見ます。しかしそのような競技会でも大会要項に同内容のことが記載されているものは見たことがありません。
また、特殊な例で、ある都県の高等学校体育連盟陸上競技専門部では、
「競技会参加の心得」という年度間通しての資料として、
リレー種目では、原則と して同一のユニフォムで出場すること。出場選手が統一されていなユニフォームでは出場はできない。最低限、ラングシャツは全員が同じものを着用すること。ランニグパンツ、タイツなどデザインが不揃いでも許容される場合があるが、色については同一にすること。
と公表している場合もあります。
従って、この都県の都県レベルの高体連の競技会では大会要項や競技注意事項に記載していなくても上記記載内容が適用されることになっています。
日本陸上競技連盟の考えは、基本的に全国的な競技会ではない競技会でのリレーの際のユニフォームをそろえさせるかについてはルール上では強制力はなく、主催者が決めることとしています。その上でリレーで選手のユニフォームをそろえさせるなら、競技注意事項での記載だけでなく大会要項にも記載すべきということです。それは、競技会へのエントリーは大会要項を見て行うもので、リレーでユニフォームをそろえなければならない場合はエントリー時点で知らせておくべき事項であるからです。また競技注意事項は競技会によっては大会当日にならなければ知ることができないこともあるため、当日知っても対応できない場合もあり得るからです。
まとめ
全国的な競技会では同じユニフォームを着用します。
全国的な競技会でも全中のように「同系色」で可となるときもあります。もしそうなる可能性があり、大会要項には記載がない場合はエントリーの際に確認を行います。過去の同競技会の大会要項や競技注意事項の記載を参考にするのも良いでしょう(ただし必ず同じになるとは限らない)。
全国的な大会でない場合は、大会要項に記載がない場合は本来そろえる必要はないのだが現実は競技注意事項にだけ記載している場合が多いです。大会要項に記載がなくエントリー時にユニフォームがそろわない可能性があるとわかっているならエントリー時に確認しましょう。過去の同競技会の大会要項や競技注意事項の記載を参考にするのも良いでしょう(ただし必ず同じになるとは限らない)。
同じユニフォームを着用としている場合、同じユニフォームでも、ランニングパンツや タイツの両方があり、それらが選手により混在する場合は、容認されることが大会要項に記載がないときはエントリーの際に確認しましょう。
全国的な競技会ではない競技会の主催者(運営者)は、ユニフォームをそろえさせるなら競技注意事項だけではなく、大会要項にも記載すべきです。
これができていれば、上述のようなエントリー時の確認は必要なくなります。
全国的な競技会ではない競技会で、ユニフォームをそろえさせるという競技会のほとんどが競技注意事項にしか記載していないのは、選手に不利益、負担を掛けさせるということがあり得ることでもあり、大会要項にも記載するという正しい運用ではないということです。
私が競技役員ではなく主催者の一員として運営に関わっている全国的でない競技会では、リレーで選手がユニフォームをそろえることを強制していません。そのため大会要項、競技注意事項の何れにもそれに関する記載を行っておりません。つまり強制していないルールをそのまま適用しているのです。
この今回の記事を書くにあたって、日本陸上競技連盟にも改めて確認しております。
競技会主催者(運営者)の方にも再度開催している競技会についてご確認いただきたいことです。