リレー、バトンパス(受け渡し)の際の失格は、テイク・オーバー・ゾーン内でバトンパスが完了しないためによるもの(通称:オーバーゾーン)が多いのですが、異なる理由での失格もあります。そのひとつを紹介します。
次の写真、2018年9月に開催されたインカレ、日本学生陸上競技対校選手権の女子4×400mリレー決勝の第3走者から第4走者のバトンパスです。
このレース、全チームがフィニッシュしましたが確定結果では1チームが失格となりました。
その失格の理由が競技結果に記載されました。
DQ :失 格 *R6:テイクオーバーゾーンの外からスタートした(R170.19)
※DQはDisqualified(失格)を略したもの
※R170.19は競技規則の条項
ルール(第170条 リレー競走)、
19.すべてのバトンパスにおいては、テイク・オーバー・ゾーン外から走り出してはならず、そのゾーンの中でスタートしなければならない。この規則に従わなければ、そのチームは失格となる。
※テイク・オーバー・ゾーン、一般的にはバトンゾーン。
写真のレーンを横切る白いラインがテイク・オーバー・ゾーンの入口です。
赤丸の部分、選手の足がテイク・オーバー・ゾーンの外に出ています。
「ゾーンの中でスタートしなければならない」に反して失格となってしまったのです。
4×400mリレーの第3走者と第4走者は前走者が第2曲走路入り口(1レーンの200mスタート地点=400mトラックの半周の地点)を通過した順序で並びます。
その際の並ぶ位置は競技役員が示し誤った位置だと注意しますが、写真の様にバトンパスの最中に移動した場合、競技役員は注意できません。
選手は早く前走者からバトンを受け取りたい気持ちで無意識のうちに足がテイク・オーバー・ゾーンの外、前走者側に出てしまったのかも知れませんが、このわずかなミスで失格です。
ルールを知らなければきちんと知り、知っていても「守る」という意識を持って練習そして競技にのぞみましょう。