先日、第29回出雲全日本大学選抜駅伝競走、第94回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会(箱根駅伝予選会)が開催され、駅伝シーズン到来を感じる季節になりました。
小学生にもクロスカントリーコースをタスキ(襷)でつなぐ全国大会があります。
この時期各地でその予選会が開催されていますが、その方法や応援マナーなどについて。
日本陸上競技連盟が主催する第20回全国小学生クロスカントリーリレー研修大会が、12月10日、大阪の万博記念公園特設コースで開催されます。
競技に出場するチームは男女各3名の計6名で編成され、ひとり(1区間)が1.5km、計9kmの総合結果で順位を決定します。
1,3,5区が女子選手、2,4,6区が男子選手です。
大会のエントリーは小学5・6年生の男女各4名、他に指導者2名の計10名で構成された「小学校またはクラブ」のチームで、日常的に活動している組織であって、この大会のために組織された選抜チームなどは参加を認められていません。
全国47都道府県より各1チームと開催地大阪から3チームの計50チームが出場します。
クロスカントリーコースをタスキ(襷)でつなぐ、小学生の全国大会です。
その各都道府県の予選会(代表選考会)がこの時期開催されています。
その予選会の実施方法は各都道府県により異なります。
まず実施場所、
・クロスカントリーコース
・陸上競技場のトラック
・陸上競技場のトラックと競技場外の舗装路併用
・陸上競技場以外の舗装路(ブロック舗装路なども含む)
など。
競技方法、
・駅伝方式(タスキを使用)
・個人レースで各選手の記録を合計し順位を決める(全選手の合計記録だけでなく、例えば男女各4名の内男女各上位3名の記録の合計という方法で行っていることもある)
など。
出場選手数
・駅伝方式の場合、1チーム男女各3名や各4名など
・個人レースの合計記録の場合、男女各3名や各4名、各5名など
予選会の実施方法はさまざまですが、開催地を除く各都道府県の出場枠はひとつ、かなり狭き門と言えるでしょう。
私はある都道府県の予選会に運営者のひとりとして関わってきています。
その予選会は数年前まで、河川敷の舗装路と隣接する広場の外周舗装路を使用した1区間1.5kmのコースを男女各3名がタスキでつなぐ駅伝競走として実施されていました(自動車、オートバイは通行不可。自転車は通行可)。
この予選会、年々盛り上がってきていました。
盛り上がることはたいへん良いことです。
しかし、盛り上がりが過熱しすぎになってきました。
ある年、助力(選手を手助けする行為)のひとつとして禁止されている「伴走」が始まったのです。
それも複数個所で大勢の人が伴走を行うということが。
選手のクラブ(小学校)の仲間、そして保護者までが伴走を始めました。
仲間や子供たちを応援したい気持ちから始めたことだとは思いますが禁止されている行為です。
危険な行為でもあります。
競技役員は伴走をやめさせようとしますが、その行為が禁止されていることだと知らず、レースに夢中になっている人の中にはやめようとしない、あるいは場所を変えて行うという人もいました。
これらの行為は、審判長の判断で選手を失格にできる行為です。
それだけ重大な違反行為なのです。
そのときは、選手が小学生であること、選手には非がないこと、少なくとも上位数チームの関係者が行っていたことなどを考慮して、該当チームの代表者(監督、引率など)に厳重注意を行うにとどめ競技は成立させました。
そして翌年からこの予選会は、トラックで1チーム男女各3名が個人レースとして1500mを走り、その合計記録で順位を決定する方式に変更しました。
この予選会で全国大会に出場が決まった場合、全国大会にチームを引率できる指導者は日本陸上競技連盟公認の指導者資格を有している必要があります。
(予選会参加に際してはこの条件を定めているとは限りません。)
誰でも引率できるということではないのです。
つまり指導者は、選手に競技を指導するだけでなく、ルールやマナーの指導、また応援する保護者に関係するルールやマナーなども指導できるスキルを求められているのです。
特に保護者が応援するうえで知っておくべきルールを知らない保護者は多数います。
教わらなければ知る機会もないかも知れません。
応援するルールやマナー、これを選手や保護者などに教えるのも指導者の役目です。
保護者が勝手に行ってしまったことでは済まないことであると理解し、指導に当たってほしいと思います。