選手にとっても応援する家族にとっても競技の開始時刻は気になります。大会でのタイムテーブルや競技注意事項などにはいくつかの時刻がでてきますが、どのようなもので、いつのことを言っているのでしょうか?
競技の日程表が競技日程、通常タイムテーブルと呼ばれるものです。
最近のタイムテーブルには競技開始時刻以外にも、招集開始時刻や招集完了時刻、リレーのオーダ―用紙提出締切時刻が掲載されているものもあります。
タイムテーブルに記載がなくても競技注意事項には必ず関係する記載があります。
競技注意事項には他にも時刻に関することが書かれています。重要な内容です。
その主なものについて説明します。
競技開始時刻
競技開始時刻、競技が始まる時刻です。
選手はその時刻に向けてウォーミングアップを行うわけですからたいへん重要な時刻です。
応援する家族にとっても絶対に見逃せない時ですし、その前には応援席の確保やビデオのセットなどもしますから大切な時刻です。
フィールド競技の競技開始時刻
第一試技者(ひとり目の跳躍選手や投擲選手)に対して、競技役員が試技開始を示す白旗を振るときが競技開始時刻ですが、ファイールド種目はその競技自体の開始を示すために、競技役員が白と赤の旗を頭上に広げてあげますのでその時刻となることもあります。その直後が第一試技者の試技ですのでほとんど差はありません。
決勝の場合に選手紹介が行われることがありますが、それは競技開始時刻前に行われます。ですから応援する家族は競技開始時刻の数分前には選手紹介が行われることもあると考慮してください。
トラック競技の競技開始時刻
競技が複数組ある場合はその最初の組のスタートの合図が行われる時が競技開始時刻です。
しかしこの時刻については、ルール上には明記されていません。
そのため、スタートの合図のタイミングではなく、選手紹介や、例えば「トラックでは男子100m予選が6組で行われます。・・・」などのアナウンスのタイミングになっていることもあります。
ですが、ルールに記載されていないことを補完するためにある、競技役員向けの運用マニュアル(ハンドブック)には、
5分前
400mまでの種目(4×400mリレーを含む)では スターティングブロックをセット、試走させる。
3分前
1500m~10000mの競走(競歩)では脱衣を指示。
2分前
1500m~10000mの競走(競歩)ではスタートラインに並ばせる。
レーンを使用する競走(800m以下、4×400mリレーを含む)の場合、脱衣を指示し、ただちに集合線に並ばせる。
1分30秒前
競技者の集合を再確認後,スタート準備完了をアナウンサーに連絡。
連絡を受けたアナウンサーは競技と選手の紹介を行う(中長距離種目や競歩で選手数が多い時はスタート後に選手紹介を行う場合もある)。
アナウンス終了後
スターターはスタート合図を行う。
と記載されています(一部略または追記)。
経験のある選手なら気付くと思いますが、この記載のとおりだと、スターティングブロックをセット、試走してからトレーニングウエアなどを脱衣することになっています。
少なくとも規模の大きな大会でのことです。
多くの大会ではトレーニングウエアなどを脱衣後にスターティングブロックをセット、試走を行います。その場合は3~4分前にスターティングブロックのセットを行うことになります。
そして、ここまでの内容は、選手紹介がある場合です。選手紹介がない場合は1分程度短縮します。3分程度前に競技役員の指示に従って、トレーニングウエアなどを脱衣した競技を行う衣類(姿)でスターティングブロックのセット、試走を行い集合線に並びスタートの合図を待ちます。
集合線とはレーン番号標識の前の位置です。
選手紹介を準決勝や決勝では行う大会も多くあります。紹介は競技開始時刻の前に行われることだと考えましょう。
応援の家族はそのこともお忘れなく。
その他の主な時刻
招集開始時刻と招集完了時刻
招集とは競技に出場する選手の点呼のことです。
競技毎、ラウンド(予選、準決勝、決勝など)毎に行います。
ナンバーカード、トラック種目では腰ナンバーの配布や正しくつけられているか、リレーでは選手のユニフォーム(衣類)が揃っているかなどの確認、スパイクのピンの長さや数、靴底の厚さなどの検査、衣類や持ち物の商標の数や大きさの検査なども行われます(大会により行われないものもあります)。
選手にとってはたいへん重要な点呼です。
招集開始時刻から招集完了時刻の間に点呼を受けます。
この時刻に遅れると競技に出場できません。遅れると欠場と見なされます。
この、招集に関することは競技注意事項に必ず書かれています。「競技開始時刻を基準とし、開始は〇〇分前、完了は△△分前」などという記述です。
表になっていることもあります。
競技により時間が異なる場合もあります。
組数が多い時は組により異なる場合もあります。組数が多い時は、後の方の組が「競技開始の▽▽分後」と「後」になっている場合もありますので注意しましょう。
タイムテーブルに記載がある場合はタイムテーブルで確認した方が良いでしょう。
リレーのオーダ―用紙提出締切時刻
文字どおり、リレー種目に出場する選手、走順などを記入、監督の署名が書かれた専用用紙の提出締切の時刻です。
ルールでは、そのリレー競技の第1組の招集完了時刻の1時間前が締め切り時刻です。
この時刻に提出が遅れると競技に出場できません。遅れると欠場と見なされます。
プログラム記載事項の訂正受付時刻
プログラムに記載されている氏名、学年、所属などに誤りがあることがあります。
その訂正を受け付ける時刻です。
「午前9時30分、あるいは競技開始時刻の1時間前まで」というような記述になっています。
訂正内容によっては競技結果や賞状、記録証などに印刷される内容の訂正になることもあります。受け付け時刻に間に合わなければ訂正してもらえず誤ったまま印刷されます。
プログラムを 手にしたら必ず訂正がないか確認しましょう。
ほとんどの大会はエクセルなどの電子データで申し込みを行います。そのデータのままプログラムに印刷されます。その場合の誤りは大会の申し込みを行った人です。その人がどのように名前を入力したか、もし他の名簿などからコーピーし貼り付けしたならば、次の大会でも誤る可能性があります。誤っていた時は申し込みを行った人にも誤りを伝えましょう。
練習場使用に関する時刻、時間
大会でのウォーミングアップなどが行える練習場の使用に関する規定が競技注意事項に記載されていることがあります。
例えばハードルの練習が可能な時間帯などです。
練習場自体の使用可能時間の記載がある時もあります。
特に補助競技場がない、あるいは使えない大会の場合で本競技場が練習場になる際には選手のウォーミングアップなどに大きく影響する時刻です。
他にも欠場届提出に関する日時などが記載されている場合もありますが、ここでは省きます。
時刻は選手にとって大切なものです。遅れると競技に参加できない時刻もあります。ぎりぎりになって慌てる選手をよく見ます。余裕をもってのぞみましょう。