その言葉、ずばり「フライング」です。
陸上競技のルールに「フライング」という言葉はありません。
ルールでは「不正スタート」と記載されています。
英文のルールでは「False Start(フォルススタート)」で「フライング」とは書かれていません。
確かに海外の大会で不正スタートをした選手が「False Start」と言っているのを聞いたことがあります。
大会のリザルト(競技結果)などにも不正スタートを行った時のコメントの略語は「FS」、「False Start」を略したものです。
多くは「DQ FS」と書かれます。「DQ」は「失格:Disqualified」のことです。
この通称フライング、ヨットレースのスタートの方法、「フライングスタート」からきた言葉だと言われています。
ヨットは風の力で動くため、同じところに停止していられません。ですから並んで一斉にスタートということができません。
そのためヨットレースのスタートは、スタート数分前から風や操船技術などを利用し徐々にスタートライン(地点)に向かって行き、スタートの合図でできる限りスタートライン(地点)に近付いてスタートできるようにします。もしスタートの合図より早くスタートライン(地点)を超えてしまったらヨットを旋回させてもう一度スタートラインに戻さなければならないなどのペナルティがあります。
当然、スタートの際にヨットによってスタートライン(地点)に近い、遠いが起こります。
陸上競技では静止状態から一斉にスタートを行いますが、号砲前にスタートの動作を開始してしまうなど一斉でない状態になることから、その号砲前にスタートの動作を開始してしまうことをフライングと呼ぶようになったと言われています。
「フライング」は通称です。
陸上競技の競技会での会場内でのアナウンスや競技役員が使う言葉はフライングではなく「不正スタート」です。
ときどき選手にわかり易いように「フライング」と言う競技役員もいますが・・・
スタートのやり直しが起きた時、アナウンサーは「〇〇レーンが不正スタートで失格です」とか「不正スタートではありません。・・・」というように「不正スタート」という言葉を使います。関係記事です。
ときどき応援している選手のご家族などから「不正」だと何か悪いことをしたように聞こえるということを聞きます。
そう言われると確かにそのように思えます・・・
競技会でアナウンサーや他の競技役員が言う「不正スタート」は通称「フライング」のことです。
ですからこのブログでは「フライング」という言葉は極力使わず「不正スタート」とか(通称「フライング」)というような表現にするようにしています。
不正スタート=通称「フライング」、それ以上でもそれ以下でもありません。
覚えて競技会に臨んでください。
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