陸上競技の競技場のトラック、多くが1周400mですが、レーンの幅にも決まりがあります。
陸上競技場のトラック、多くが1周400mです。中には1周200m、250m、300mという競技場もあり、公認競技場として認められていることもあります。
陸上競技場のトラックにはレーンがありますが、レーンの幅にも決まりがあります。
「公認陸上競技場および長距離競走路ならびに競歩路規程」というルールには、
1レーンの幅は1m220又は1m250
と記載があります。
「トラック競技」に関するルールには、
400mまでのレースにおいて、各競技者は、幅50㎜の白色のラインで区切られた、右側のライン幅を含む最大幅1m250のレーンを走らなければならない。すべてのレーンは同じ幅でなくてはならない。
という記載があり、更に、
〔国内〕 2010年4月1日以降に建造されたトラックおよび走路を全面改修するトラックに関しては、上記のレースのために、レーン幅は1m220(±0.01m)とする。
〔国際-注意〕 2004年1月1日以前に建造されたトラックに関しては、上記のレースのために、レーンの幅は1m250でもよい。
と記載されています。「上記のレース」とは400mまでのレースです。
レーンの幅は競技場が建造された時期、トラックを全面改修した時期などによって異なります。
私がルールを知ったころには1m250しかなかったのですが、今は1m220というルールもあり、個人的には1m220のレーンの競技場は新しいトラックだというイメージです。
では、この3cmの差、はたしてどの程度の差なのか・・・
先日ある競技会である競技場に2年ぶりに行きました。
その前日練習でのこと。
トラック脇で選手の練習を見ているとトラックに何か轍(わだち)のような跡が。
次の写真、上側が進行方向。
ピンときました。レーンの幅を変えたのだと。
この競技場、昨年春に公認の継続更新を行っています。その時にレーン幅を1m250から1m220に変えたのでしょう。レーンの数は以前から9レーン。
全レーンをみると次の写真のとおりです。ちょっと見にくいかもしれませんが。
2レーンから外の各レーンに跡があります。レーンラインが内側に移動したことになります。2レーンでは3cmですが、9レーンの内側では24cmの移動です。
写真の左上曲走路部分の9レーンの外側と下の直走路部分の9レーンの外側に緑色の濃い部分がありますが、これが1m250のときのトラックの外側です。
内側400mは同じ位置ですが、外側は全体に縮んだトラックになったということになります。
ということは、レーンに分かれてスタートする競技の曲走路にあるスタートラインやテイク・オーバー・ゾーンなども2レーンより外側のレーンでは移動しているはずです。
次の写真は400m、9レーンのスタート位置、黄色矢印のところに以前のスタートラインを消した跡がありました。
レーンの幅、1m250と1m220の違いを明らかに比べることができました。
1レーンでは3cmですが、全体ではこんなに影響があると感じることでした。
※選手が走る距離は当然ですがかわりません。トラックの全体像としてとらえた感想です。