うさりく先生の陸上教室

 

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駅伝、たすき(襷)に関するルール

f:id:usariku:20170423225103p:plain各地で駅伝が開催されています。選手はたすき(襷)をつなぐため懸命に走ります。マラソンとは異なる独特な雰囲気です。そのたすきについて。

 

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駅伝、もう世に知れ渡っていますが日本で生まれた競技です。
そのため国際ルールがありません。海外でも「EKIDEN」と呼ばれます。

日本陸上競技連盟は独自に「日本陸上競技連盟駅伝競走規準」(以下「駅伝競走規準」)という規準を設け、各主催者はこの基準に則って運営します。

この基準に掲載されていないことについては日本陸上競技連盟競技規則、大会独自の規則がある場合は各大会の大会規定や競技注意事項に記載のとおり競技は行われます。

このことを示す内容として、各大会の競技注意事項に「本大会は、〇〇 年度日本陸上競技連盟競技規則・同駅伝競走基準ならびに本大会申し合わせ事項に基づいて実施する。」というように記載されています。

 

この駅伝のたすき、何でも良いというものではありません。

駅伝競走規準では(以下、基準の引用は一部抜粋等あり)、

たすきは布製で長さ1m600~1m800、幅6㎝を標準とする。
たすきをチームが持参する競技会では、事前に大会本部におい
て承認を得なければならない。


布製であることや大きさが定められており、主催者が準備する場合やチームが持参する場合など大会 により異なります。

「母校のたすき」や「伝統あるたすき」とよく言われる大会は、チームが持参する大会です。

そしてたすきの掛け方にも定めがあります。 

たすきは、必ず肩から斜めに脇の下に掛けなければならない。 


たすきはずっと手に持って走ったり、首からぶら下げて走ったりしてはけないのです。定めどおりにしていないと失格になることもあります。


また、たすきの受け渡しにも定めがあります。

中継線は幅50㎜の白線で示す。たすきの受け渡しは、中継線から進行方向20mの間に手渡しで行わなければならず、中継線の手前からたすきを投げ渡したりしてはならない。たすきを受け取る走者は、前走者の区域(中継線の手前の走路)に入ってはならない。


受け渡しができる場所は、次走者が待っているところにある中継線と呼ばれるラインから進行方向に20mの間です。

手渡しで行い、投げたりしてはいけません。

中継線の手前、前走者の区間(区域)に入ってもいけません。

この駅伝競走基準に抵触し失格となった例が2015年1月18日に開催された「第20回全国都道府県対抗男子駅伝大会」での愛知県チーム、前走者は中継線前でフラフラになりはいつくばって、手を伸ばして待つ次走者に何とかたすきを渡そうと、最後はたすきを前に放り投げ、次走者がつかみ走り出してしまいました。

厳しすぎるという声も上がりましたが、トラック競技のリレーでのバトンパスでも、手で受け渡し、投げ渡したりしてはいけないとなっているのと同じで、投げたりしている間は誰も持たずに走ってることになり、競技の距離を満たさず、場合によっては走るのより速くなるということです。
トラック競技のリレーでバトンを投げるのはいけないのは明らか、長い距離を走ったからといって認めるわけにはいかないのがルールです。

 

 

 

 

たすきは肩から斜めに脇の下に掛けて走らなければならないのですが、当然たすきの受け渡しの際には外して手に持たなければなりません。

たすき渡しに際して、前走者がたすきを外すのは中継線手前400mから、次走者がたすきをかけるのは中継後200mまでをおおよその目安とする。

と駅伝競走基準には記載されています。 

これは明確な距離ではなく目安です。

しかし大会によっては、競技注意事項などでこの距離を明示していることもありますので選手は気をつけるように。

選手が重みを感じつながれる「たすき(襷)」、そのたすき自体やたすきの受け渡しにも定めがあるのです(意味は違いますが、たすきに重さの規定はありません)

 

前述のたすきを投げた例、投げた選手が気付き拾い、投げた所に戻り、正しい方法で受け渡しを行っていれば、失格とはなりません。
競技役員は気付いても競技中ですので教えられません。選手を手助けする行為、助力になります。 
駅伝競走基準の記載、

競技者は競技中、いかなる助力も受けてはならない。  

 

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