「このレース、黄旗(きばた)があがっています・・・」というアナウンスを聞くことがあります。それはどの様なときですか?
トラック競技において黄旗があがることについての記事です。ここでは競歩競技は除きます。
その黄旗をあげている競技役員は監察員という役員です。
監察員の役割は競技者などがルール違反を行っていないか見て、行ったときにはそれを審判長に知らせることです。
またその違反により競技を妨害された競技者がいる場合はその事実も把握し審判長に知らせます。
その知らせる方法のひとつが黄旗をあげることです。
競技者が自分のレーン以外のところを走ったり、リレーでテーク・オーバ・ゾーン外でのバトンパスが起きたときは、ただちにその違反が確認された走路の場所にマーカーを置きます。
テーク・オーバ・ゾーン外でのバトンパスが起きたときに置かれたマーカー(赤枠内)
違反の内容(どのレースで、だれが、どこで、どのような違反を、どの程度行ったか)を把握(記録)しておきます。
そのレースの最終選手(途中棄権の選手を除く)がフィニッシュしたら黄旗をあげます。
違反を見つけてもレース中にはあげないのです。
フィニッシュ地点の監察員は、各所の旗を1つ1つ確認します。1カ所でも黄旗があがっている場合は、自身の黄旗をあげて「何々地点黄旗」と審判長に報告します。
報告には違反内容を記した監察員記録用紙という資料の提出も行われます。
この時が「このレース、黄旗(きばた)があがっています・・・」というアナウンスを聞くときです。
黄旗があがれば写真判定中の結果なども確定結果にはなりません。
報告を受けて審判長が違反か否か、失格とするか否かなどの対応を判断します。
そうです。監察員は審判長に知らせることは行いますが、直接失格などの判定を行うことはありません。
その判断結果を受けて確定結果が発表されます。
監察員はルールに違反する行為をみるのでかなり多くのことをみています。
その中でも発生しやすい違反行為が次のことです。特に監察員はこの点に着眼しています(ハンドブックより引用。一部略、改編)。
・レーンを用いない競走の場合でのスタート時の身体接触。故意に手を左右に大きく振るなど、前に出ようとする他の競技者を妨害する行為。
・抜かれないようにトラックの外側に斜行する行為。
・レーンを用いる競走の場合、レーンの侵害をする行為。
・ハードルを越すとき、足または脚がハードルの外側にはみ出して通った行為。
・故意に手でハードルを突き倒した行為。
・障害物競走では特に水濠の着地状況で、インフィールドに入る、足または脚が障害物の外側にはみ出して通った行為。
・リレー競走でバトンを受ける走者がテーク・オーバ・ゾーン及び10m手前に引かれた助走線(青ライン)内で待たない行為。
・バトンパスがテーク・オーバ・ゾーン内で行われない行為。
・バトンパスの際にバトンを落とした場合の対処が正しく行われない行為。他の競技者を妨害したときも含む。
・長距離種目のグループスタートにおいて、合流地点手前でのインコースへの侵入行為。
黄旗があがることが最も多いのはリレーのバトンパスでの違反ですが、曲走路で内側のラインを踏むあるいは踏み越すという違反も目にすることが多い違反です。
特にリレーの違反、その時の対応次第では違反にならないときもあります。
ルールを知って違反にならないよう練習の時から注意しましょう。
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