2017年度も大会の季節が始まりました。
日本陸上競技連盟公認審判員であるうさりく先生はまた忙しくあちらこちらの大会に出かけて行くのです。
毎年春のこの時期は特に、うさりく先生には気になることがあるそうです。
陸上競技のルールとマナーを知らない人が多いなぁ・・・ということ。
初めて大会に出るひと~!
それなりに経験があるひとも?
きちんと勉強してから大会に臨みましょう!
今日はスタートラインに立つときのルールとマナーをうさりく先生にまとめてもらいます。
部活の顧問の先生にも読んでいただきたい内容です。
短距離のスタートのルール(混成競技では一部異なります)
スターターの合図(スタータのかけ声)
On your marks オン・ユア・マークス
Set セット
ピストルが鳴る
または・・・
位置について
よーい
ピストルが鳴る
現在、中学生以上のレースではほとんど英語の合図が使われています。
小学生のレースではほとんど日本語の合図です。
ブロック合わせ
自分の競技の順番がきたら、
競技役員の指示に従ってスターティング・ブロックを合わせて試しにスタートをしてみることができます。
スターティング・ブロック
陸上競技では「ゴール」でなく「フィニッシュ」といいます。
これは、ブロックをセットし、正しくセットされたかどうかを見るためなので、皆さん行っています。
この時間をうまく使って、気持ちを高めたりレースに集中したりとメンタル的な効果をねらっている選手もいます。
ここで本番と同じようなかなり力の入ったスタートをする人を見かけますが、これは良くないと思います。直後に行われる本番のために瞬発力をとっておきましょう。
あくまでもブロック合わせです。
むやみに長く走ってスタートラインに戻るのが遅い選手がいます。
既に準備ができて待っている他の選手に迷惑になったり、競技会進行の妨げになるような場合はやめてもらいたいことです。
大会によってはこの時間をたっぷりとってあり、問題ない場合もあります。逆に「スターティング・ブロックをセットした際に走れる距離は〇〇m以内にすること」と競技注意事項に記載し長く走ることを禁止している場合もあります。これに反すると注意を受けます。
スターティング・ブロックの使用はルール上必須なのですが、例えば小学生の競技会では使わなくても良いことや使えるのは決勝のみといったこともあります。競技注意事項で確認してください。
競技注意事項はその競技会の運営方法や、独自のルールが書かれた大切な資料です。おもにプログラムの中に書いてあります。必ず読みましょう。
On your marks 位置について
スタートラインにつきます。
小学生以外はクラウチングスタートが必須です。
スタートラインの手前に両手やひざ(少なくとも一方)をつかなければいけません。
手をつく位置はラインぎりぎり過ぎないようにしましょう
なぜでしょう?
それはSet( よーい)のところで説明しますね。
全員が位置について動きをピタッと止めるまで、スターターは次の「Set」の合図を行いません。
なかなか静止しないと「はい、立って。」と声がかかりスタートはやり直しです。
位置についたら速やかに、しっかり静止しましょう
時間をかけ過ぎない!
あわてる必要はないのですが、なかなか位置につかず静止しないと注意や警告を受けることがあります。
Set よーい
On your marks でスタートライン手前ぎりぎりに指をついていると
Setでお尻をあげた時にぐっと前方に力がかかり、その瞬間指がラインに触れてしまうことがあります。
これはNGです。
スターターから「はい、立って。」の声がかかり、スタートはやり直しです。
実はこれ、それなりの経験者にもよくあります。
Setのとき自分の手の位置を見ることはほとんどありませんから・・・
スタートラインには「確実に触れていない」ようにしましょう。
不正スタート(通称:フライング)
ピストルの合図が鳴る前に手が地面から離れる、あるいは足がスターティングブロックのプレートから離れると不正スタートとなります。
また、静止しないで動いたままスタートをしたときも不正スタートです。
ルール上は不正スタートを1回するとその選手は失格になります。
ただし、(主に小学生の)大会によっては2回目に不正スタートをした人が失格となることもあるので、競技注意事項をよく読みましょう。
中長距離のスタートのルール
スターターの合図
On your marks オン・ユア・マークス
ピストルが鳴る
または・・・
位置について
ピストルが鳴る
On your marks 位置について
中長距離のスタートはスタンディングスタートです。
on your marks の合図があるまでは、スタートラインから少し後ろに下がって待ちます。
on your marks の合図でスタートラインまでに進み、
スタートの姿勢で身体を静止させます。
手をぶらぶら動かすのもダメです。
手を地面につけるのもダメです。
足がラインを触れたり超えたりしてはいけません。
見ていると、これを守れない選手がかなりいます。
緊張していたり、焦る気持ちがあるかもしれませんが、
ルールはきちんと守りましょう。
「Set」の合図はありません。
ピストルの合図でスタートです。
800mのスタートはレーンを使用してスタートを行う場合(セパレート)とそうでない場合があります。