うさりく先生の陸上教室

 

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陸上競技に関する情報や基礎知識を発信します。陸上競技を始めた人、もっと知りたい人、また、指導者の皆さんにも参考になるブログです。

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スポーツの指導者に必要な資格 ~救命技能認定証~

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うさりく先生が消防署で救命講習を受けて来たそうです。

どんな勉強をしてきたのか教えてください。

 

 

陸上競技の指導者資格(JAAFジュニアコーチ)には、更新制度があります。
(JAAF=日本陸上競技連盟公認)
4年に一度の更新です。
更新の際には指定された研修を受けなければなりません。
指導者は常に新しい指導方法などを勉強し、指導に当たらなければなりません。

本題からちょっと離れますが、
陸上競技に関する指導者資格を持っている人、何人いると思いますか?

2016年10月現在の数字、3,305名です。
これ多いの、少ないの?

47都道府県平均的にいるとすれば、1都道府県に約70名しかいません。
とっても少ないのです。

参考までに同様の公認資格保有

・水泳 17,343名
・サッカー 35,547名
・バレーボール 15,759名

どうですか。陸上競技の指導者は少ないでしょう。

ぜひ増えてほしいと思います。その資格を取る方法などは機会があれば記事にしますね。

話を戻します。
JAAFジュニアコーチになるためには、必ず持っていなければならない資格があります。

「普通救命技能認定証」の交付を受けていなければなりません。

その更新は3年に1度、今回はその上の資格「上級救命技能認定証」の交付を受けてきました。

簡単にそれぞれの内容を説明します。


普通救命技能認定書:心肺蘇生(CPR)やAED、異物除去、止血法などを身につけます。

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上級救命技能認定証:普通救命技能に加え、小児・乳児の心肺蘇生、傷病者管理、外傷の応急手当、搬送法などを身につけます。

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心肺蘇生(CPR)とは、「胸骨圧迫」と「人工呼吸」、英語でcardio(心臓)pulmonary(肺)resuscitation(蘇生)といい、頭文字からCPRと言います。

胸骨圧迫」のことを「心臓マッサージ」ということが多いのですが(テレビでもよく聞きます)、「心臓マッサージ」は古い言い方です。
今では「胸骨圧迫」と言います

心臓マッサージ」と聞いて、胸を切り開き、直接心臓をつかんでもむマッサージと勘違いする人がいるから「胸骨圧迫」になったそうです(ある消防士さん談)。
医療関係のドラマなどで心臓手術のシーンが増えたのも影響しているのかも知れませんね。

 

熱中症になったらどこを冷やす?


ついでにこれからの季節、特に注意する必要がある熱中症に関して書きます。

よく熱中症になったら、首やわきの下、足の付け根を冷やすことも有効と聞きますがこれは誤りです。昔はそう言われていたのですが・・・
今回の上級救命技能認定証交付のための講習でも講師がこの様に説明しました。

あれ?と思い、テキストを確認すると、「わきの下、足の付け根を冷やす」と書いてありました。これは正解です。

「首」は冷やさないのです。首には脳に血液を送る大切な血管があります。その血管を冷やすと血流が悪くなり、脳にダメージを与える可能性が高くなるからです。
脳は冷やす必要があるので、冷やすなら後頭部など頭の部分です。

この知識は、他の指導者向け講習会で学びました。

あまり知られていないことですので、万が一その様な場面に出会ったら思いだしてくださいね。

「首を冷やす」と古い情報を講習会で話してしまった講師の方には、休み時間にそっと告げました。その後、講師の方は確認してきた様で、休み時間後すぐに訂正がありました。

救命技能認定証はどなたでも取得できるもの、スポーツ時だけでなく、身近のご家族に万が一のことがあった際にも役立ちます。
スポーツに関係なく多くの皆さんに持って頂きたいものです。

この講習、すでに何度も更新してきているのですが、内容が少しずつ変わります。
新たな考え方や医療器具の進歩などによるものです。

 

f:id:usariku:20170423225103p:plainでは復習です。

熱中症のときはどこを冷やせばいいでしょう?

 

首・・・☓

わきの下・・・〇

足の付け根・・・〇

頭・・・〇

 

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