陸上競技場のトラックには、レーン(コース)を分けるライン(線)以外にも多くの線が描いてあります。
今日はそのさまざまなライン(線)についての話です。
※2018年3月13日:2018年度規則(ルール)修改正に伴う修正(赤字)、削除(打ち切り)
フィニッシュラインのどこを通過するとフィニッシュか
フィニッシュとは(陸上競技では「ゴール」ではなく「フィニッシュ」)、トラック競技のレースが終わる瞬間、記録が出る瞬間のことです。
記録は、身体のどこがどの地点を通過した時点で測るのでしょう?
もちろん、胴体(トルソー:頭、首、腕、脚、手または足を含まない部分)がフィニッシュラインを通過した時点です。
ここまでは、だれでも分かると思います。
では、5㎝の太さがあるフィニッシュラインの、どこを通過したときがフィニッシュなのか分かりますか?
言ってみれば、フィニッシュラインは面ですよね。
ちょうどラインの真ん中でしょうか、スタートライン寄りのふちでしょうか、スタートラインとは逆側のふちでしょうか?
ルールブックに次のように書かれています。
競技者の胴体(トルソー:頭、首、腕、脚、手、足を含まない部分)がフィニッシュラインのスタートラインに近い方の端の垂直面に到達した瞬間
つまり、太さ5㎝のラインのスタート地点寄りのふちを通過した瞬間が、フィニッシュです。
フィニッシュと記録測定のことはこちらに詳しく書きました。
スタートラインのどこからの距離なのか
フィニッシュラインのことは分かりましたね。
では、スタートラインはどうでしょう?
やはり、太さ5㎝のスタートラインの、進行方向を向いた時の手前のふちです。
たとえば、100mの走路であれば、スタートラインの手前のふちから、フィニッシュラインのスタート寄りのふちまでが100mです。
ラインの上はスタート地点の先ということです。
だから、スタートのときはスタートラインに少しでも手や足などが触れてはいけないのです。
スタートについて詳しく書いた記事です。
「ラインのスタート地点寄りのふち」は全てのライン(線)に当てはまる
トラックに描いてあるラインは、多くは白で太さ5㎝です。
色々なラインがありますが、スタートラインが最も多いです。フィニッシュ地点近辺には複数のスタートラインが混在するため、水色や緑色なども使われます。
フィニッシュラインは一か所です。
他にリレーのバトンパスで使用する線やハードルを置く位置を示す小さな線(マーク)も所々にあります。
ラインのスタートライン寄りのふちがその境い目(境界線)になるのは、スタートライン、フィニッシュラインだけでなく、これら色々なライン全てに当てはまります。
このラインの境目はスタート地点寄りのふちです。
フィニッシュライン、幅50mm(5cm)です。
このラインの境目もスタート地点寄りのふちです。
4×100mリレーのバトンパス(バトンの受け渡し)
バトンパスに関係する区間は、大きくふたつに分かれています。下の写真も参考にしてください。
加速ゾーン
一般的にはブルーゾーンと呼ばれます。ルールでは加速ゾーンと書かれています。
文字通り次走者が静止状態から走り出し、加速に使われる区間。
この区間でバトンパスは行えません。
次走者はこの区間を使わなくてもいいし、途中から使っても構いません。
※2018年度規則(ルール)修改正にて削除
テイク・オーバー・ゾーン
一般的にはバトンゾーンですね。これもルール上はテイク・オーバー・ゾーンです。
バトンパスはこの区間内で行います。
*テイク・オーバー・ゾーンの入口を示すライン
下の写真の白の横ラインです。
このラインの境目もスタート地点寄りのふち
*テイク・オーバー・ゾーンの出口を示すライン。下の写真の白の横ラインです。
このラインの境目もスタート地点寄りのふちです。
テイク・オーバー・ゾーンの範囲が明確になったと思います。
バトンパスはこの範囲内で行わなければなりません。
*ハードルを置く位置を示すライン
ハードルを置く位置を示す小さなライン(マーク)。下の写真の 小さな黄色マーク(2cm×5cm)。
これの境目もスタート地点寄りのふちです。
ハードルの本体の決められた位置をここに合わせます。
いろいろなラインがありますが、全てスタートライン寄りのふちが境目と覚えましょう。