うさりく先生も高校時代陸上部だったわけですが、大会のときはいつもお母さんがカツサンド弁当を作ってくれたそうです。
だいぶ昔のお話ですが・・・
うさりく先生のお母さんは今でもそのことをよく話してくれます。
「カツサンド、一所懸命作っても全然食べてくれへんかったんよ。」(なぜ関西弁??)
うさりく先生のお母さんは管理栄養士でした。大事な大会の日、スタミナが付くものをと思ってカツサンドを作ったのでしょう。それともちろん、勝負に「勝つ」ようにという「げん担ぎ」の意味もあったのでしょうね。
愛情を感じますね~!
では、なぜうさりく先生はその母の愛情カツサンド弁当を食べなかったのでしょう?
うさりく先生のお母さんは仕事がら料理の腕前も相当なものですから、それはそれはとってもおいしいカツサンドだったことは間違いありません。
うちの子もまた、うさりく先生と同じでした。競技がある日は弁当を食べられず、帰りの車の中で食べるなんてことがしょっちゅうでした。
「頑張ってほしいから気合入れてお弁当作ったのに・・・なぜ食べてくれないの?!」
うさりく先生のお母さんと同じ疑問を抱えているお母さん、多いのではないでしょうか。
一体なぜなんでしょう?
それを理解するためにまず、ある選手の、ある大会の日の一日を見てください。
<出場種目>
200m(予選・準決勝・決勝)、走幅跳(予選・決勝)、
4×100mリレー(決勝)、4×400mリレー(予選)
▲:軽食(補助食) ◉:食事
7:30 競技場着
7:45 アップ
9:20 200m予選
競技後即次の競技に移動
10:00 走幅跳予選
競技後即次の競技に移動
11:30 200m準決勝
競技後即ダウン
20分程度休憩 ▲
アップ・バトン練習
12:55 200m決勝
競技後即次の競技に移動
13:15 走幅跳決勝
競技後即次の競技に移動
14:30 4×100mリレー決勝
競技後即ダウン
30分程度休憩 ▲
アップ
16:00 4×400mリレー予選
競技後即ダウン ◉
陸上競技を全く知らない友人に、大会の日の大変さを話したことがありました。
「たった100m走るだけでしょ?」
息子さんが野球をやっていて、トレーニングでよく5キロや10キロのジョグをするということです。だから100mなんてそんなに大変ではないだろう、のように言っていました。
確かに「たったの100m」ですが、100mのジョグをするわけではありません。記録をねらってベストなパフォーマンスをするために、どれだけのことをしなければならないか・・・。
より速く、より高く、より遠くに。
陸上競技って単純なんですが、魅力とか大変さが知らない人にはなかなか通じないなぁと感じることがあります。
うちの子は短距離選手でした。
中学校の運動会で100m走に出場しました。
「かけっこ速いのに100mしか走らないの?もったいない!1500m走に出てくれればよかったのに!」
なんて言ってくれる同じクラスのお母さんもいましたよ。(笑)
大会の日の選手は大忙し
話を元に戻して・・・お弁当のことでしたね。
上の大会の日の一日を見ればお弁当を残してくる理由が分かりますね。
まずは食べる時間がないのです。
食べたものが胃で消化されるまでに個人差はありますが2時間~4時間かかると言います。食べてすぐ走ってもあまり支障を感じない人もいるようですが、食べたばかりだとお腹が重くて走れないと感じる人の方が多いでしょう。
アスリートの食事についての本を読むと、どの本にも「試合のときは2~3時間前までに食事を済ませておく」と書かれています。
それを考えると食べるタイミングを考えるのが本当に難しいのです。
また、食べるタイミングはあっても、緊張や暑さでのどを通らないということもよくあることです。
大会の日の弁当、何を持たせるか
食べる時間がないと言っても、全く食べないわけにはいきません。
ではいったい、何を持たせれば良いのでしょう。
短いすき間時間にパクッと食べられるおにぎりがいいですね。
私の場合、せっかく作ったお弁当ですが、食べてもらえなくても仕方がない、という軽い気持ちで持たせていました。また、夕方遅い時間に食べることを想定して、保冷剤や保冷バッグを使っていました。
<ご参考まで>
わが家の大会の日のお弁当はいつもこんな感じでした。
小さめのおにぎりを4~5個(コンビニおにぎりの半分位の大きさ)
消化の悪いものを避けて好きなおかずを2品ほど
果物
予備に、ゼリー飲料や栄養補助食品
油は消化に悪いので、揚げ物などは大会の前から避けていました。
アスリート食の参考書をご紹介します
何冊か読んで得た印象は、大会の日のお弁当は特別な内容でなくて良い、ということです。普段から食べ慣れている物がいちばん!
・消化に悪いもの、ガスが溜まりそうなものは避ける
・食べやすいように小分けにする
・傷まないように工夫する
これだけ気を付ければあまり気負わなくてもよい、という感想です。むしろ、普段の食生活の方が重要な気がします。
アスリートのための「食」。知っているのといないのとでは全く違うと思うので、ぜひ読んでみてください。頑張る子どもたちのために私たち母親ができることと言えば、まず「食」の部分で支えることですものね。
立命館大学教授 海老久美子先生の著書です。
アスリートの1年を準備期、試合期、オフ期と分けて、それぞれの時期の食事の摂り方をどうするかが書かれています。栄養のことに留まらず、生活習慣のことにも触れられていて勉強になります。
試合の日のお弁当の内容や食べるタイミングやこと、水分の摂り方も詳しく書かれているのでぜひ参考にしてください。当日のお弁当は、「小分け」「手軽」がキーワードだそうです。
鹿屋体育大学でスポーツ栄養学の講師をされている長島未央子先生の著書です。
長島先生は高校時代、陸上部だったそうです。
スポーツをする人には、糖質も脂質も必要不可欠など、栄養のことが素人にも分かりやすく書かれています。参考になるレシピもたくさん載っています。
本以外にもザバスや大塚製薬など、栄養補助食品やスポーツドリンクを作っている企業のホームページがとても参考になります。
こちらもお読みください。