第101回日本陸上競技選手権リレー競技大会(以下「日本選手権リレー」)が10月27日~29日、神奈川県の日産スタジアムで開催されました。
6月に開催された日本陸上競技選手権大会が個人種目の日本一を決める大会なのに対しリレーの日本一を決める大会です。
その4×100mリレーに世界陸上競技選手権の4×100mリレーで銅メダルに輝いた日本代表チームの一員、多田修平選手が所属する関西学院大学が出場しました。
4×100mリレーの第2走者~第4走者は、前走者がある地点に到達したら走り始めるのですが、その地点がわかるようにマーカー(テープ)をトラック上に貼ります。
このマーカーやバトンパスに関しては過去に複数記事を書いています。以下はその中の主な記事です。
マーカー(テープ)を貼る位置を決めるのにはいくつかの方法がありますが、日本選手権リレーに出場するほとんどのチームが、加速ゾーン(通称「ブルーゾーン」、詳細は本記事で紹介の過去の記事を参照)の入口を示す助走マーク(通称「ブルーライン」)から自分のスパイク(シューズ)の大きさを1足として何足と、予め決めておいた足数(足長や歩数という呼び方もします)の位置に貼ります。
次の写真がその足数を数えているところです。選手の背中側、各レーンの中にある青いラインが助走マーク(ブルーライン)です。
数え終えるとマーカー(テープ)貼ります。
次の写真、中央の選手は貼り終えたところです。左側の選手は数え終えランニングタイツの右側、腰ナンバーの下に貼っていきているマーカー(テープ)をはがそうとしています。右側の選手は数えている最中です。
奥にいる競技役員は正しく貼っているかを確認しています。
話を日本選手権リレーでの多田選手に戻します。
多田選手は第4走者、もう少しで競技開始というときの第4走者の写真が次のものです(多田選手は一番外のレーン、写真では左側)。
他の選手が助走マーク(ブルーライン)近辺に並ぼうとしている時に、足数を数えています。
そうです。足数を確認しているのです。
この足数、リオデジャネイロオリンピックの男子4×100mリレーでは、1足の半分の0.5足を更に半分にした4分の1足まで調整したというほどのシビアなものでもあるのです。
日本選手権リレー、多田選手には注目が集まります。
その多田選手が、確認を行っていたことに気付いた人がどの程度いたかはわかりませんが、見本となる行動です。
ではこの足数の確認を他の選手が行っていないのかというとそうでもありません。
やはり日本選手権リレーに出場してくる選手です。
そのやり方、多田選手とは違いますが行っています。
私が選手に指導する際も行うやり方です。
次の写真がそれです。
マーカー(テープ)を貼った後、戻りながら足数を確認する方法です。
もし足数が違ったら、もう一度助走マーク(ブルーライン)から数え直します。
多田選手の方法は足数が違ったとき正しい足数の位置にマーカーを貼り替えるだけで済みますが、習慣がついている、あるいは後からおかしい(不安)と感じたときに行うのなら良く、習慣付けるには戻りながら数える方が一連の動作になりますので良いと思います。
今回の日本選手権リレーでは多くのチームが行っていましたが、まだまだ中学生や高校生で確認している選手を見ることはほとんどありません。
かなりいい加減にはかっている選手も時々ですが見ます。
違反事項ではないので競技役員は何も言いません。
中学生、いや小学生のときから行い習慣として身に着けるべきだと思います。
2017/11/22 誤字削除