うさりく先生の陸上教室

 

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陸上競技に関する情報や基礎知識を発信します。陸上競技を始めた人、もっと知りたい人、また、指導者の皆さんにも参考になるブログです。

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IAAF(国際陸上競技連盟)の名称が、WA(ワールドアスレティックス:World Athletics)に

 

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IAAF(国際陸上競技連盟)の名称は、WA(ワールドアスレティックス:World Athletics)に変更されました。

 

 

 

 

2019年11月に「国際陸上競技連盟」(英略:IAAF)の名称が変更され「ワールドアスレティックス」(英文:World Athletics)になりました。

「WA」はその略です。

本ブログの過去の記事では、旧名称の「IAAF:国際陸上競技連盟」と記載されている部分があります。
必要に応じて「WA: ワールドアスレティックス」に置き換えて読んでください。

 

 

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

 

 

2020年度・競技規則(ルール)修改正

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2020年度の競技規則(ルール)の修改正のうち主に競技者に関係するものを抜粋しました。

 

 


2020年度の競技規則(ルール)の修改正。主に競技者に関係するものの抜粋です。

尚、本ブログの過去の記事では、旧規則(ルール)に則った記載があります。

本記事に関係する内容の場合は、本記事を照らし合わせてご覧ください。

まず、競技用の靴に関する競技規則(ルール)の修改正です。競技規則の記載は以下のとおりです(関係部分のみ抜粋)。

第143条(TR 5) 服装、競技用靴、アスリートビブス

競技用靴
2. 競技者は、裸足でも、また片足あるいは両足に靴を履いて競技をしてもよい。競技の時靴を履く目的は、足の保護安定とグランドをしっかり踏みつけるためである。
靴は、競技者に不公平となる助力や利益を与えるものであってはならな い。靴はどのようなものであっても、陸上競技の普遍的精神に合致し合理的かつ無理なく入手できるものでなくてはならない。
この要件を満たすため、2020年4月30日以降、靴はいかなるものであっても、当該競技会の少なくとも4か月前には店舗またはオンラインショップ等にて市販され、どの競技者でも購入が可能になっていなければ競技会では使用できない。この要件を満たさない靴はすべて試作品とみなされ、競技会では使用できない。

2020年4月30日以降に販売される競技用の靴は、店舗やオンラインショップ等でだれでも入手できる市販のもので、出場する競技会の4か月前には市販開始されていなければなりません。

猶予
13. WAによる書面での追加通知があるまで、競技会で使用される靴は
⒜ 本項⒝が遵守され、靴の全長または靴の長さの一部のみかどうかにかかわらず、炭素繊維または同様の特性を持つ、または同様の効果をもたらす別の材料で作られた複数の剛性プレートまたはブレードを含んではならない。
⒝ スパイクを靴の外側下面に取り付ける場合にのみ、1つの剛性プレートまたは他の機構を追加することができる。
⒞ 靴底は最大厚さ40㎜以下でなければならない(スパイクを含む靴は、靴底の厚さは最大30㎜以下でなければならない)。
〔注意〕
ⅱ .  本項1号の「1つの剛性プレートまたはブレード」は、複数のパーツで構成される場合があるが、それらのパーツは、平行ではなく(例:個々のパーツは互いに上に積み重ねない)、1つの平面に連続して配置しなければならない。

靴底の厚さは最大40mm以下(スパイクを含む靴は最大30㎜以下)でなければなりません。
また、炭素繊維または同様の特性を持つ、または同様の効果をもたらす別の材料で作られた「剛性プレートまたはブレード」を複数含んではなりません。1つ(1枚)は良く、複数パーツで構成される場合は1つの平面に連続して配置され、重なるような構造であってはならないとしています。
尚、スパイクを靴の外側下面に取り付ける場合にのみ、1つの剛性プレートまたは他の機構を追加することができます(スパイク固定のためのもの)。

 

2019年11月に国際陸上競技連盟(IAAF)の名称が変更され「ワールドアスレティックス」(英文:World Athletics)になりました。競技規則に記載の「WA」はその略です。

 

ナンバーカードの呼び方がかわります。

第143条(TR 5) 服装、競技用靴、アスリートビブス

修改正前 

 7 .ナンバーカード 

修改正後 

 7. アスリートビブス(ビブス) 

呼称がアスリートビブスに統一されることになりました。
「ゼッケン」という言い方も正しくありません。
「ナンバーカード」であった2019年度も「ゼッケン」と記載されている大会要項や競技注意事項が時々ありました。
2020年度も旧呼称などで記載される資料があるかも知れません。逆に正しいのですが「ビブス」のみの記載で、「何?」と思うことがあるかも知れません。
覚えておきましょう。

 

第144条(TR 6)競技者に対する助力

・・・下記については、助力とはみなされず許可する。

(g)競技役員や主催者によって任命された者による、立ち上がったり医療支援を受けたりするための身体的な手助け

(h)電子掲示や類似の器具による、関連する記録も含めた競技の経過時間の提示。

下線部が追記されました。助力とはみなさず許可されることです。(h)についてはこれまでもフィニッシュ付近や電光掲示板等に提示(表示)されることがありました。全選手に公平に提示されていたのでこれまでも規則違反ではありませんでしたが、改めて規則に明示されたものです。

 

第162条(TR 16)スタート

7. 競技者は、最終の用意の姿勢をとった後、信号器の発射音を聞くまでスタートを開始してはならない。競技者が少しでも早く動作を開始したとスターターが判断したときは(第1296を適用することを含む)、不正スタートとなる。スタートの開始とは以下のように定義される。

(aクラウチング・スタートの場合、結果的にスターティング・ブロックのフットプレートから片足または両足が離れようとしている、あるいは地面から片手または両手が離れようとしているあらゆる動作

(b)スタンディング・スタートの場合、片足または両足が地面から離れようとする結果になるあらゆる動作

もしスターターが信号器の発射音の前に、ある競技者が動き始めて止まらずにスタートの開始に結び付く動きを開始したと判断した場合も不正スタートと判断しなくてはならない。

【注意】

競技者による上記(a)(b)以外のあらゆる動きはスタート動作の開始とみなさない。但し、そのような動作は、不正スタート以外での警告または失格処分の対象になる場合がある。

下線部のとおり、スタートの定義が明文化されました。内容に変更はありません。
Set の合図で確実に身体を静止するようにしましょう。

また、クラウチング・スタートでは、「スターティング・ブロックのフットプレートから足が離れようとしている」という記載があります。
つまり、スタート前の姿勢ではスターティング・ブロックのフットプレートに足が接触していなくてはならないのです。
競技規則にも明記されています(この部分は2020年度の修改正ではありません)。

「On your marks(位置について)」の合図の後、競技者は自分の割当てられたレーン内のスタートラインの後方の位置につく。両手と少なくとも片膝がグラウンドに、両足はスターティング・ブロックのフットプレートと接触していなければならない。

ここでいう「足」はスパイク(シューズ)も含まれます。スパイクのピンも。
近年スタートの「On your marks(位置について)」の合図の後、競技役員が選手の後方を歩き、何か見ている様子をみることがあります。
足がスターティング・ブロックのフットプレートに接触しているかの確認を行っているのです。
実際には接触していない選手がかなりいます。注意しても理解できない選手も。

注意されて足の位置をずらす。クラウチング・スタートでは大きな影響にもなり得ます。
競技に出場する以上きちんと規則は知っておきましょう。

 

第168条(TR 22)ハードル競走

6. ・・・加えて競技者はつぎのことをすると失格となる。
(a)ハードルを越える瞬間に、足または脚がハードルをはみ出て(どちら側でも)バーの高さより低い位置を通ったとき。
(b)手や体、振り上げ脚の上側で、いずれかのハードルを倒すか移動させたとき。

(c)直接間接を問わず、レース中に他の競技者に影響を与えたり妨害するような行為や他の規則に違反する行為で、自分のレーンやそのレースの他の競技者のレーンのハードルを倒したり移動させたりしたとき。

ハードル競技の失格について下線部の記載が追加されました。

 

第170 条(TR 24) リレー競走

4.【注釈】 バトンパスが開始され、バトンパスが完了しない状態でバトンを落とした場合には、バトンは渡し手(前走者)が拾わなくてはならない。バトンパスが完了し、受け手(後走者)が唯一の保持者となった後にバトンを落としたら、受け手が拾わなくてはならない。

この注釈が追記されました。

2019年度までの規則では、バトンが受け手(後走者)に触れ、受け手が唯一の保持者(渡し手を離れ、受け手だけが持っている状態)になるまでの間に落としたバトンは渡し手、受け手のどちらが拾っても構わないというものでしたが、2020年度の規則では「渡し手が拾う」になりました。

 

第187条(TR 32)総則-投てき種目

2【国内】 技術総務が特に決めない限り、投てき種目に出場する競技者はどの種目であっても、2個まで個人所有の投てき物の使用(持ち込み)が認められる

この記載が追記されました。
投てき種目の持ち込み可能な個人所有の投てき物は、競技会により定めることがよくあります。大会要項や競技注意事項などで確認しましょう。

 

規則(ルール)知って競技会や記録会に臨む。大切なことです。

 

 

 

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2019年度・競技規則緊急改定「フィールド競技の試技時間」

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2018年度に改定されたフィールド競技の試技時間が戻ります。

 

 


2018年度に改定された競技規則(ルール)、フィールド競技の試技時間30秒1分に戻ることになりました。

2019年3月、日本陸上競技連盟は競技規則緊急改定として以下の様に発表しました(発表資料の一部を抜粋)

第180条17 フィールド競技の試技に許される時間
2018年度に30 秒に短縮された時間を2017年度以前のもに戻す。30 秒→ 1分 

これは、2019年3月10 日~11日に今年(2019年)の世界選手権開催地であるカタールのドーハで開催されたIAAFのカウンシルミーティングで、技術委員会提案の競規則修改正が可決され、特に緊急性の高いものが即時発効となったことによる緊急改定です。

 

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小学生のスタートの合図も英語・・・

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「位置について」「用意」、小学生の競技会でよく聞くスタートの合図ですが・・・
2019年度より英語の合図になります。※全ての競技会とは限りません。

 

 


2019年8月に開催される全国小学生陸上競技交流大会(各都道府県の予選会を勝ち抜いてきた選手、チームが出場できる小学生の全国大会)では、スタートの合図が英語になります。

 

「位置について」は 「On your marks(オン・ユア・マークス)」、
「用意」は「Set(セット)」です。

 

でもこれは、陸上競技のルール(日本陸上競技連盟競技規則)がかわったということではありません。

これまで小学生の競技会ではスタートの合図は「日本語」で運用していただけです。

※これまでも小学生のスタートの合図を「英語」で行っている競技会はありました。

 

各競技会の競技注意事項などに「(小学生の)スタートの合図は日本語とする」というように記載したり、

「スタートに関するルールは全国小学生陸上競技交流大会に準じる」という表現を使いその競技会の運用ルールとしてきていました。

 

いよいよ2019年度のシーズンが始まります。

小学生のスタートの合図、日本語か英語か・・・

競技注意事項等でよく確認をしましょう。

記載がない時は運営者(大会総務)に確認します。

 

既に「小学生のスタートの合図も英語」とうたっている競技会もあります。

小学生のクラブチーム(陸上競技教室)では英語で練習している風景も見かけます。

「日本語」と「英語」、どちらの合図でもきちんとスタートできるように練習しておきましょう。

 

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影響が大きい、追い風より向かい風

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2018年度のトラック・シーズンも終わりに近づいてきました。2017年度に9秒台に突入した日本男子100m、2018年度は・・・風の影響について

 

  

2018年度のトラック・シーズンも終わりに近づいてきました。2017年度に9秒台に突入した日本男子100m、2017年度は桐生祥秀選手(樹立当時、東洋大学)の
9秒98(+1.8m/s)を筆頭に10秒10より速く走った選手は6人いました。

2018年度は、山縣亮太選手(セイコー)の10秒00(+0.8m/s)が2018年度の日本人最速で、山縣選手以外に10秒0台で走った選手はいません(10月30日現在)。

2018年度の日本男子100m、やや低調に見えましたが、その中で抜群の安定感を見せていたのが山縣選手です。

山縣選手の自己最高記録は2017年度の10秒00(+0.2m/s)、2018年度も自己タイ記録となる10秒00(+0.8m/s)を始め、
10秒01(+ー0.0m/s)、10秒05(+0.6m/s)と複数回の10秒0台の記録を出しています。

これらの記録を出した際の風力を見ると、公認記録となる上限の追い風2.0m(+2.0m/s)までには開きがあります。

風力については次の記事をご覧ください。 

www.usariku.com

 

桐生選手が日本記録(2018年10月30日現在)である9秒98を樹立した時の風は追い風1.8m(+1.8m/s)とかなりの好条件でした。

決勝レースとしては山縣選手の2018年度ワースト記録ではないかと思われる大会がありました。
2017年に桐生選手が日本記録を樹立したときと同じ競技場で開催された国民体育大会の成年男子100m決勝です。

記録は10秒58、その時の風力は向かい風5.2m(-5.2m/s)という最悪な条件でした。


自然環境に左右される屋外競技ではやむを得ないのですが、山縣選手、風に恵まれないレースが多かったと思います。

 

さて、ここからが本記事の本題です。

 

同じ強さの風で追い風と向かい風では、速くなる時間と遅くなる時間は同じでしょうか?

例えば追い風2mで0.2秒速くなったとします。では向かい風2mで遅くなる時間は0.2秒でしょうか?

 

次表の様なデータがあります。

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そうです。向かい風の方が影響を受けるのです。

これは空気があるからです。
日常生活ではほとんど気にすることが無い、空気抵抗が影響しています。

表の5.0m/sの風を見ると、追い風で早くなるのが0.38秒、向かい風で遅くなるのは0.62秒と大きな差があります。

※表は100mを10秒233で走る時のものです。それより速く走る場合はより影響を受けます。空気抵抗は風速の二乗に比例して大きくなります。

山縣選手の向かい風5.2mでの10秒58、単純に上表に当てはめると風力0mでは9秒96、更に追い風が1m吹いていたなら9秒8台の記録だったことになります。

風に影響されない走りをしたいと語っていた山縣選手ですが、さすがに向かい風5.2mを知ると苦笑い・・・

選手は「空気の壁」とも戦っているのです。

2019年度シーズン、男子100mの日本記録更新、複数人の9秒台、大いに期待したいものです。

 

 

 

 

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リレー、バトンパスの際の失格(DQ)、テイク・オーバー・ゾーンの外から・・・

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リレー、バトンパス(受け渡し)の際の失格は、テイク・オーバー・ゾーン内でバトンパスが完了しないためによるもの(通称:オーバーゾーン)が多いのですが、異なる理由での失格もあります。そのひとつを紹介します。

 

  

次の写真、2018年9月に開催されたインカレ、日本学生陸上競技対校選手権の女子4×400mリレー決勝の第3走者から第4走者のバトンパスです。

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このレース、全チームがフィニッシュしましたが確定結果では1チームが失格となりました。

 

その失格の理由が競技結果に記載されました。 

 DQ :失 格 *R6:テイクオーバーゾーンの外からスタートした(R170.19) 

 

DQDisqualified(失格)を略したもの
※R170.19は競技規則の条項

 

ルール(第170条 リレー競走)、 

19.すべてのバトンパスにおいては、テイク・オーバー・ゾーン外から走り出してはならず、そのゾーンの中でスタートしなければならない。この規則に従わなければ、そのチームは失格となる。

※テイク・オーバー・ゾーン、一般的にはバトンゾーン。  

 

写真のレーンを横切る白いラインがテイク・オーバー・ゾーンの入口です。

赤丸の部分、選手の足がテイク・オーバー・ゾーンの外に出ています。

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ゾーンの中でスタートしなければならない」に反して失格となってしまったのです。

 

4×400mリレーの第3走者と第4走者は前走者が第2曲走路入り口(1レーンの200mスタート地点=400mトラックの半周の地点)を通過した順序で並びます。

その際の並ぶ位置は競技役員が示し誤った位置だと注意しますが、写真の様にバトンパスの最中に移動した場合、競技役員は注意できません。

 

選手は早く前走者からバトンを受け取りたい気持ちで無意識のうちに足がテイク・オーバー・ゾーンの外、前走者側に出てしまったのかも知れませんが、このわずかなミスで失格です。

 

ルールを知らなければきちんと知り、知っていても「守る」という意識を持って練習そして競技にのぞみましょう。 

 

 

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2018年度「全中」(第45回全日本中学校陸上競技選手権大会)~関係サイト紹介~

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2018年度「全中」、第45回全日本中学校陸上競技選手権大会、いよいよ始まります。競技日程、スタートリスト、競技結果速報など関係サイトの紹介です。

 

 

競技期日:平成30年8月19日(日)~8月21日(火)
会  場:シティライトスタジアム」(岡山県総合グラウンド陸上競技場

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain 特設サイト

2018zenchu-okayama.com

「大会参加関係者のみなさまへ」のページで、競技日程・大会要項・公開練習要項・会場図・駐車場についての案内などを見ることができます。

 

競技日程:[PDF]岡山全中競技日程決定版

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain 競技結果(速報)・スタートリスト

気になる競技結果の速報、スタートリストのサイトです。

第45回全日本中学校陸上競技選手権大会(2018.08.19〜08.21)

スタートリスト(競技結果)は上記サイト内の

で見ることができます。

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain テレビ放映予定

8月21日(火):14:20~16:00に、NHKEテレで放映されます。

 

 

  

今年も熱い夏がやってきます。

がんばれ若きアスリート!!

 

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170517002941p:plain

 

2018年度・インターハイ ~関係サイト紹介~

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『2018 彩る感動 東海総体』、「平成30年度全国高等学校総合体育大会陸上競技大会 秩父宮賜杯 第71回全国高等学校陸上競技対校選手権大会」(インターハイ)、いよいよ始まります。
競技日程、スタートリスト、競技結果速報など関係サイトの紹介です。

 

 

 

競技期日:平成30年8月2日(木)~8月6日(月)
会  場:三重交通G スポーツの杜 伊勢陸上競技場(三重県伊勢市宇治館町510番地)

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain 高校総体陸上競技特設サイト

www.koukousoutai.com


スタートリスト、競技日程、インターハイ期間中の交通規制・交通案内図、駐車場についての案内などを見ることができます。

※PDF形式ファイルや圧縮形式(ZIP)などでの掲載です。


今大会は交通規制、一部道路の通行禁止や高速道路の出口規制なども行われるようですので現地に行かれる方は関係資料をご確認ください。

f:id:usariku:20170423184004p:plain 上記特設サイト中の一部紹介
・競技日程
 競技日程(PDF 526.46KB) 

 

・スタートリスト(Zip形式圧縮ファイル)
 スタートリスト(Zip 1474.54KB)

 

・大会要項
 実施要項(陸上競技)(PDF 444.06KB)

 

・交通規制・交通案内図(Zip形式圧縮ファイル)
 インターハイ期間中の交通規制・交通案内図(Zip 4069.5KB)

 

・周辺地図、会場図など
 伊勢市周辺略地図(PDF 228.79KB)

 三重交通G スポーツの杜 伊勢(陸上競技場)周辺地図(PDF 140.67KB)

 三重交通G スポーツの杜 伊勢 概要図(PDF 531.69KB)

 

・選手送迎車案内(乗降場所、荷物の積み下ろし場所について)(Zip形式圧縮ファイル)

 選手送迎車案内(Zip 232.94KB)

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain 競技結果(速報)

気になる競技結果の携帯速報です(三重陸上競技協会)。

>>三重陸上競技協会mobile

 
f:id:usariku:20170423184004p:plain インターネットLIVE配信

遠方であったり学校や仕事などの都合で応援に行けない仲間やご家族など頑張る若きアスリートを応援したい皆さん「インハイ.tv」で応援しましょう!!

sportsbull.jp

  

今年も熱い夏がやってきます。

がんばれ若きアスリート!!

 

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インターハイ地区予選会に出る人に読んでほしい記事まとめ

インターハイの各地区予選会が始まっています。

その地区予選会やインターハイなど大きな大会に行く人に読んでほしい記事をまとめました。参考にしてください。

 

 

 

地区予選会とは 

f:id:usariku:20170423184004p:plain  日本全国を11地区に分けた地区大会

北海道、東北、北関東、南関東北信越、東海、近畿、中国、四国、北九州、南九州。地区大会は以上の11地区に分けて行われます。

f:id:usariku:20170423184004p:plain 大会前には前哨戦が行われます。

・各校、休憩(待機)場所の確保
・横断幕、のぼりの設置場所の確保


ほかにも宿舎の確保や食事場所(特に夕食)の決定、交通手段の決定、荷物の搬入方法の決定など色々とたいへんです。

中には出場者数が少ないなどで事前に場所の確保を行わない学校もあります。
横断幕やのぼりを設置しない学校もあります。


休憩(待機)場所の確保の方法は地区によりさまざまです。
予め区分けしてあり、事前に抽選を行う。
都道府県ごとにエリアが決まっており、各都道府県でエリア内の割り振りを決める。
フリースペースで早い者勝ち。
などなど・・・
出場選手数により各校確保したい広さが決まります。
補助競技場や本競技場に近いところが良かったり、少し離れても静かなところが良いなど各校考えは様々です。
雨や暑さ対策も考えなければなりません。

競技場によりますが競技場スタンド裏などに確保可能な場所があるところもあります。他には主に運動公園などで開催されるため、公園敷地内の決められた場所に休憩場所を設営するのですが、公園には一般の利用者もいます。
迷惑をかけない、また安全のためなどに、シートやロープなどでの事前の場所の確保を禁止している会場もあります。

特に出場人数が多い学校はまずこの休憩場所の確保が最初の戦いです。

次に横断幕やのぼりの設置場所の確保です。
この方法も地区により異なります。
競技場内で設置できる場所も決まってきます。設置できる数に限りがある場合もあります。
今では抽選が多いのではないでしょうか。
抽選し、決められた場所内の好きなところに順番に設置していく。
抽選し、決められた場所に設置するなどです。

中には運悪く設置できないこともあるようです。特に出場校数が多い地区は。



休憩場所の確保は早朝(深夜?)から行うこともあり顧問、監督、コーチなどチームスタッフの役目です。

横断幕やのぼりの抽選はくじ運の良い?生徒が行うことも・・・


下の写真は木陰に設営された各校のテントなど
南関東・北関東地区予選会場、2018年6月14日撮影、群馬県敷島公園陸上競技場正田醤油スタジアム群馬)競技場前フリースペース

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事前に確認する。練習はどこで、いつできるのか。

 


下の写真は大会前日の競技場での練習の様子
南関東・北関東地区予選会場、2018年6月14日撮影、群馬県敷島公園陸上競技場正田醤油スタジアム群馬)本競技場

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メンタルコンディショニングについて

 雰囲気にのまれないようにするためにできることがあります!

 

 

 

 

着る物、持ち物のロゴに注意

 

 

インターハイに出るには?

 

 

 

特集 リレーを制する

f:id:usariku:20170423225103p:plainリレーに関する過去記事を集めました。

 

 

 

 

2018年新ルールについて

 

 

 

 

 

 

バトンパスについて

 

 f:id:usariku:20170423225103p:plain オーバーハンドパス、アンダーハンドパス、利得距離とは何か?

写真で分かるおすすめの記事です。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

マーカーに関すること

   

 

 

 

 

 

 

 

 

エントリー、オーダー用紙提出に関すること

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習で意識すること

 

 

ヒーローたちから学ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他

 

 

 

  

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)修改正と確認~スタート時の不適切行為の対応~

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2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)修改正と確認、スタート時の不適切行為(「ピク付き」などを含む)の対応について。

 

  

2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)第162条5「スタート」に関する条項には次のような記載があります(ルール原文を編集)。

競技者が下記の行為をしたと判断したなら、スターターはスタートを中止しなくてはならない(以下、合図とは「On your marks( 位置について)」または「 Set( 用意)」のこと)。

(a) 合図の後で正当な理由もなく手を挙げたり、クラウチングの姿勢から立ち上がった
(b) 合図に従わない、遅れることなく速やかに最終の「用意」の位置につかない
(c) 合図の後、音声や動作その他の方法で他の競技者を妨害した


(c)の「動作」という文言は2018年度競技規則の修改正で新たに加わりました。これにはスタートの号砲の前に競技者の身体がピックと動く、いわゆる「ピク付き」も含まれます。

そしてこれら(a)(b)(c)の行為に対し(ルール原文を編集)、

審判長は不適切行為があったとして、該当競技者に警告イエローカード)を与えることができる。 同じ競技会の中で2回警告が与えられた競技者はその種目で失格(レッドカード)となる。 警告の場合、グリーンカードは示さない。


「同じ競技会の中で2回」とは同一レースに限らず、異なるラウンド(予選や決勝など)や異なる種目で計2回のことを言います。つまり警告の回数は累積されるのです。 2回目の警告で失格となった競技者は、それ以後のその競技会の全ての種目(リレーも含む)に出場できなくなります(その競技会から「除外」されます)。

ここまでがスタート時の不適切行為に関する競技規則(ルール)の原則です。

スタートの号砲の前の動作のひとつ「ピク付き」、2017年度競技規則では、「ピク付き」を行った競技者が口頭で注意され、競技者全員にグリーンカードが提示されました。

しかし2018年度競技規則では、警告となる場合があるというかなり厳しい規則になりました。

この競技規則、競技経験が浅い競技者等では「ピク付き」を行うことが比較的よくあり、厳しすぎるのでは・・・

 

そこで日本陸上競技連盟は、日本国内規則国内競技会のみに適用)として次のような定めを設けています(国内規則の概要)。

日本陸上競技連盟が主催、共催する競技会(日本選手権、インターハイ、全国中学等)では競技規則第162条5(原則)が適用される
他の競技会では主催者が競技規則第162条5(原則)を適用するか否かを決めることができる
原則を適用しない場合は、主催者が「不適切行為」に対してどのような対応をするか決め、競技注意事項等に明記し、競技役員、競技者に周知させる
但し、原則を適用しない場合でも、競技規則第162条5の⒜⒝⒞の不適切行為が繰り返し行われたり、悪質なものは警告や除外、失格の対象となり得る

 

以下、原則を適用しない場合の対応例です。

例1:競技規則第162条5(c)の「動作」は不適切行為とせず、2017年度競技規則と同様にすべて注意(競技者全員にグリーンカード)にとどめる

例2:競技規則第162条5(c)の「動作」に該当する不適切行為は、該当競技者を注意とし、その競技者が同一レースで2回以上注意を受けると警告となり警告は累積される。注意でもグリーンカードは提示しない(同一レースで注意が累積されるため)。注意の累積は同一レースのみで他のレースやラウンド、他の種目には持ち越さない。警告(イエローカード)2回でその種目のみ失格とし、競技会からは除外されない(他の種目には出場できる)

例3:競技規則第162条5の警告(イエローカード)は2回目でその種目のみ失格とし、競技会からは除外されない(他の種目には出場できる)

例1と例2は競技規則第162条5(c)の「動作」の場合に限定しています。起きやすい「ピク付き」などに配慮したものです。

例3は原則を適用するが警告2回で失格となっても他の種目には出場できるということです。「ピク付き」などの動作も警告の対象となり得ます。

尚、日本陸上競技連盟が主催、共催する競技会につながる各地区の予選会等では原則を適用することが望ましいのですが、原則を適用しない場合は、日本陸上競技連盟が主催、共催する競技会に進んだ際には原則が適用されるということを競技者等に周知させる必要があります。

 

競技会に出場する時には、まず競技規則第162条5の原則を知り、その上で主催者が定めた独自規則(原則を適用しない場合の対応方法など)があるかを競技注意事項などで確認しましょう。

 

 

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2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)修改正~混成競技(同得点)~

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2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)の修改正、混成競技で同得点の際の成績(順位)について。 

    

 

 

2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)の修改正、混成競技で同得点の際の成績(順位)に関することです。

混成競技の種類
・男子(一般・U20・U18):五種競技・十種競技
・男子(高等学校):八種競技
・男子(中学校):四種競技
・女子(一般・U20):七種競技十種競技
・女子(U18・高等学校):七種競技
・女子(中学校):四種競技
※高等学校と中学校は国内の正式な競技会での競技

各競技の種目
・五種競技(1日で記載の順序で行う)走幅跳やり投、200m、円盤投、1500m
七種競技(連続する2日間で記載の順序で行う)
【第1日】100mハードル、走高跳砲丸投、200m
【第2日】走幅跳やり投、800m
・八種競技(連続する2日間で記載の順序で行う)
【第1日】100m、走幅跳砲丸投(6㎏)、400m
【第2日】110mハードル、やり投走高跳、1500m
十種競技(男女・連続する2日間で記載の順序で行う)
【第1日】100m、走幅跳砲丸投走高跳、400m
【第2日】110mハードル(女子は100mハードル)、円盤投棒高跳やり投、1500m
十種競技(女子・連続する2日間で記載の順序で行う)
【第1日】100m、円盤投棒高跳やり投、400m
【第2日】100mハードル、走幅跳砲丸投走高跳、1500m
・四種競技(記載の順序で1日あるいは2日で行う)
【男子】110mハードル、砲丸投(4㎏)、走高跳、400m
【女子】100mハードル、走高跳砲丸投(2㎏721)、200m
※女子の十種競技には2種類の順序があります。


混成競技は各々の種目の記録を点数に換算し、その合計得点を競う競技です。

2人以上の競技者が同じ得点をとった時の成績(順位)の決定は次のように競技規則(ルール)で決まっています。

同得点
競技会でどの順位についても二人以上の競技者が同じ得点をとった場合同成績とする。

同得点の場合は同成績(同順位)となります。

このルール、2018年度の競技規則(ルール)修改正でこのようになりました。

2017年度のルールでは、2人以上の競技者が同じ得点をとった時、次のように順位を決めていました。
まず、同得点が2人の場合、同得点の他の競技者よりも多くの得点をとった種目の多い競技者を上位の順位、つまり各種目ごとに得点を比較し勝ち負けを決め、勝ち数の多い競技者が上位の順位となるということです。
この方法でも順位が決まらないまたは同得点が3人以上の場合は、各種目のどれか1種目で最高得点(同得点者間での比較)をとった競技者を上位の順位としました。
それでも順位が決まらない場合は2番目の種目、3番目の種目と順に種目を下げていき、最高得点(同得点者間での比較)を取った競技者を上位の順位とし、これでも順位が決まらないときは同成績(同順位)とされました。

 

混成競技、2人以上の競技者が同得点の場合は同成績(同順位)、わかりやすくなりました。

混成競技で好成績を出すには、複数種目での「総合力」が求められ、特に男子の優勝選手は「キング オブ アスリート(King of Athlete)」と称されることもあります。

 

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リレー、バトンパス(受け渡し)のルール 2020年度日本陸上競技連盟競技規則版

f:id:usariku:20170423225103p:plainリレー、バトンパス(受け渡し)のルール、2018年度日本陸上競技連盟競技規則の修改正がありました。
2020年度日本陸上競技連盟競技規則版のリレーのバトンパス(受け渡し)に関するルールです。

2020年度ルール改正により「落としたバトンを拾う」ときのルールが改正されました。本記事の該当箇所は修正してあります(2020年4月18日)。

 

大迫傑 決戦前のランニングノート (文春e-book)

 
この記事で扱うリレーは4×100mリレーと4×400mリレーです。

他のリレー種目でも考え方は同じですが図など異なることもありますので説明から省きます。

 

www.usariku.com

4×100mリレーと4×400mリレー共通事項

ルールブックから関連する記述を引用し、それぞれ詳しくみていきます。

 

 バトンは競技中手でもち運ばなければならない。  

 

レース中、競技者が他チームのバトンを使ったり拾い上げた場合、そのチームは失格となる。相手チームは、有利にならない限り失格とはならない。


これらは説明するまでもないこと、当たり前ですね。 

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain バトンパス(受け渡し)の区間「テイク・オーバー・ゾーン」

バトンは、テイク・オーバー・ゾーン内で受け渡されなければならない。

 

一般的にはバトンゾーンといわれます。ルール上ではテイク・オーバー・ゾーンです。 バトンパスはこの区間内で行います

 

2018年度競技規則(ルール)修改正でテイク・オーバー・ゾーンの長さがリレー種目によりかわりました。次の記事がその内容です。 

 

 

4×100mリレーのテイク・オーバー・ゾーン

  下図はイメージです(左側のマーキング(ライン)の場合、基準線がないこともあります)。

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図のようにテイク・オーバー・ゾーンの入口、出口を示すマーキング(ライン)は2種類あります。以下、左側の図で説明しますが、右側の黄色矢印の場合も考え方は同じです。

 

*テイク・オーバー・ゾーンの出口を示すライン
下の写真の白の横ラインです。
このラインの境目はスタート地点寄りのふちライン上はゾーンに含まれません
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*テイク・オーバー・ゾーンの入口を示すライン
下の写真の白の横ラインです。
このラインの境目はスタート地点寄りのふち。このライン上はゾーンに含まれます
 f:id:usariku:20170518021646j:plain

 


4×400mリレーのテイク・オーバー・ゾーン


<第1走者から第2走者がバトンパスを行うテイク・オーバー・ゾーン>

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これも入口のライン上はゾーンに含まれ出口のライン上は含まれません


<第2走者から第3走者、第3走者から第4走者がバトンパスを行うテイク・オーバー・ゾーン>

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これも入口のラインはゾーンに含まれ出口のラインは含まれません

 

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain バトンパスの始まりと終わり

バトンのパスは、受け取る競技者にバトンが触れた時点に始まり、受け取る競技者の手の中に完全に渡り、唯一のバトン保持者となった瞬間に成立する。それはあくまでもテイク・オーバー・ゾーン内でのバトンの位置のみが決定的なものであり、競技者の身体の位置ではない。競技者がこの規則に従わなかったときは、チームは失格となる。

 
バトンパスは、バトンを受け取る走者(次走者)バトンが触れた瞬間に始まり、バトンが渡す走者(前走者)手を離れ次走者の手中に収まり、次走者のみがバトンを持っている状態になった瞬間に終わりです。


そのバトンパスは、テイク・オーバー・ゾーン内で行われなければならず、選手の身体の位置には関係なく、バトンの位置で決まるということです。
この通りに行われないバトンパスは違反と見なされチームは失格になります。


ポイントは「バトンの位置」で決まるということです。選手の身体がテイク・オーバー・ゾーンの外であってもバトン全体がゾーンの中にあり、正しく受け渡しが行われていれば問題はありません。

バトンパスが開始し完了するまでの間に、バトンがテイク・オーバー・ゾーンの外に出ると失格、バトンパスが開始されていない(次走者にバトンが触れていない)状態で、前走者が次走者ふたり共テイク・オーバー・ゾーンの先に出て(バトンも出る)も、バトン全体がテイク・オーバー・ゾーン内にある位置まで戻りバトンパスを行えば失格にはなりません。

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain バトンを落としたとき

もしバトンを落した場合、落とした競技者がバトンを拾って継続しなければならない。この場合、競技者は距離が短くならないことを条件にバトンを拾うために自分のレーンから離れてもよい。加えて、そのような状況でバトンを落としたとき、バトンが横や進行方向(フィニッシュラインの先も含む)に転がり、拾い上げた後、競技者はバトンを落とした地点に戻ってレースを再開しなければならない。上記の手続きが適正になされ、他の競技者を妨害しない限りは、バトンを落としても失格とはならない。一方、競技者がこの規則に従わなかった時、チームは失格となる。

2020年度のルール修改正で次の追記がありました。

〔注釈〕  バトンパスが開始され、バトンパスが完了していない状態
でバトンを落とした場合には、バトンは渡し手(前走者)が
拾わなくてはならない。バトンパスが完了し、受け手(後走者)
が唯一の保持者となった後にバトン落としたら、受け手が拾
わなくてはならない。

 2019年度までの規則では、バトンが受け手(後走者)に触れ、受け手が唯一の保持者(渡し手を離れ、受け手だけが持っている状態)になるまでの間に落としたバトンは渡し手、受け手のどちらが拾っても構わないというものでしたが、2020年度の規則では「渡し手が拾う」になりました。

この追記により次の記載は削除になります。


ポイントは、落とした選手が拾うこと。
バトンパスの行為が始まってから(次走者にバトンに触れた時が行為の始まり)次走者だけがバトンを持っている状態になるまでにバトンを落とした場合は前走者,次走者のどちらが拾ってもよいのです。
ただ、本当に次走者にバトンが触れたのかどうかで問題になることがあります。
もし競技役員に「触れていない」と判断されれば、バトンを落とした選手は前走者なので、前走者が拾わなければ失格となります。
「次走者に触れた」ことが明らかでないときは、渡す走者(前走者)が拾うようにすることです。

落としたバトンが他のレーンに転がり出たときは、他のレーンの選手のじゃまをしないように拾い、バトンが転がり出たところから自分のレーンに戻ります。 

 

4×400mリレーのみに関係する事項


ルールの記載です(一部関係しない部分は略)。 

4×400mリレーのバトンパスにおいては、テイク・オーバー・ゾーン外から走り出してはならず、そのゾーンの中でスタートしなければならない。この規則に従わなければ、そのチームは失格となる。


簡単に言うと、加速ゾーンはないということ。 

次のふたつのルールは関係する内容です。

4×400mリレーの第3、第4走者は審判員の指示に従い、前走者が第2曲走路入り口を通過した順序で、内側より並び待機する。その後、待機している走者は、この順序を維持しなくてはならず、バトンを受け取るまで入れ替わることは認められない。違反した場合は、そのチームを失格とする。


4×400mリレーの第2走者から第3走者と第3走者から第4走者へのバトンパスは、レーンが使用されませんレーンが分かれていないということです。

次走者は前走者が第2曲走路入り口(1レーンの200mスタート地点=400mトラックの半周の地点)を通過した順序で並び、その後前走者の順位が入れ替わっても、次走者は入れ替わってはならないということです。

下のイメージ、テイク・オーバー・ゾーン入口の ● のところに内側(1レーン側)から順に並びます。このときラインを踏んでも構いませんが、前走者の方に踏み越してはNGです。

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4×400mリレーも含めたどのリレー競走においても、レーンが使用されていない場合は、次走者は、他の走者の進行をじゃまするために妨害したり押しのけたりしないならば、走って来るチーム走者が近づくにつれてトラックの内側に移動できる。4×400mリレーの場合には、次走者は第170条20で規定された順番を維持する。もし競技者が、この規則に従わないならば、そのチームは失格となる。


4×400mリレーの第2走者から第3走者と第3走者から第4走者へのバトンパスのために次走者がテイク・オーバー・ゾーンの入口に前ルールのとおりに並んでいますが、内側のチームがバトンパスを行い、走路があいたときには、内側に詰めても構わないということです。
ただし、前ルールで決まった並び順をかえることはできません

  

 

 

 

まとめ

 

★バトンのパス(受け渡し)はテイク・オーバー・ゾーン内で始まり終えること。
★テイク・オーバー・ゾーン内か外かはバトン全体の位置できまる。選手の身体の位置ではない。
★テイク・オーバー・ゾーンには入口のラインは含まれるが出口のラインは含まれない。
★4×400mリレーの第2走者から第3走者と第3走者から第4走者へのバトンパスは、レーンが分かれていない。次走者が並ぶ順番は前走者が第2曲走路入り口を通過した順序で以後かえてはならない。
★バトンを落とした時でも、落とした選手が拾い、他のレーンにバトンが転がり出た時は、他のレーンの選手のじゃまをせず、バトンが出た場所から自分のレーンに戻れば構わない。

かなり細かいことまで書かれていますが、競技役員(監察員という審判)が見ています。
また、大会によっては、ビデオ監察ということも行っており、バトンパスが正しく行われているか、違反はないかを別室で確認することも 行われています。

実際に人がレースを見て判断が難しい違反が、ビデオ監察で確認できたという例もあります。

4×100mリレーでのテイク・オーバー・ゾーン外でのバトンパスによる失格は良く見ますが、4×400mリレーでもテイク・オーバー・ゾーン外でのバトンパスによるミスが起きています。

前走者がゾーン手前で転倒、バトンがゾーン内に入っていないのに次走者が手を出し受け取ってしまう失格、第3走者、第4走者が決められた順序で並んでいたのに、最後の直線で前走者の順位がかわったために待つ順番をかえてしまい失格。

ルールを知らずに行ってしまったこともあるようです。

 

ルールをきちんと知り練習そして競技にのぞみましょう。

 

 

    過去の記事一覧f:id:usariku:20170517002941p:plain

 

日本陸上競技連盟競技規則(ルール)の運用確認~フィールド種目(試技開始の合図)~

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2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)の修改正などに合わせ、規則の修改正ではないものの、運用の確認を行ったこともあります。フィールド種目の試技開始に関して。 ※2019年度ルール改正に伴い一部修正(本文赤字部分、打消し部分:2019年3月28日記)

    

 

 

2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)の修改正などがありますが、運用の確認も行われています。フィールド種目の試技開始に関するものです。

 

棒高跳を除くフィールド種目で残っている競技者数(試技を行っている競技者数)が4人以上であるとき、または各競技者の最初の試技であるときの試技時間が30秒に短縮されたという競技規則(ルール)の修改正について前回の記事で書きました。

※2019年度に2017年度以前と同じ1分に戻りました。 競技規則(ルール)には、

審判員は、競技者に試技を開始するための用意が完了していることを示さなくてはならず、試技時間はこの瞬間からカウントダウンが始まる。 

という記載があります。

これは、試技時間の開始のタイミングその合図を審判員が競技者に示すことについて書かれたもので、2017年度競技規則でも同じ記載がありました。

これまで多くの競技会では、選手の準備が整っているか確認して審判員が合図(通常「白旗を降る」)を出していました。選手と審判員がアイコンタクトを行うような運用です。

しかし規則(ルール)では、試技を開始するための用意が完了していることを競技者に示すとなっており、選手を待つことは記載されていません。

2018年度日本陸上競技連盟競技規則の修改正に合わせ、この合図を出すタイミングについて、選手の準備が整うのを待つことなく、運営側の準備が整ったら合図することが確認されました。

これまで競技会でよく見られた光景、選手の呼び出しが行われても選手が離れたところにいたり、まだ競技の姿(衣類やシューズなど)になっていないときなどは、審判員が試技開始の合図を待つことがありました。

これからは待ちません

自分の試技順が近づいているときは呼び出しに注意しましょう。

時には試技順が前の選手がパスをし、思っていたより早く呼ばれることもあります。

これまで1分あった試技時間が30秒になり、試技開始の合図も早まることがある。
試技時間オーバーで無効試技とならないように注意しましょう!!

 

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

 

 

2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)修改正~フィールド種目(試技時間)~

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2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)の修改正、フィールド種目の試技時間に関することです。
※2019年度のルール改定で本記事の内容は変更となりました(本文赤字部分、打消し部分:2019年3月29日記) 

    

 

 

2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)の修改正ではフィールド種目の試技時間に関するものがあります。

フィールド種目では、審判員は、競技者に試技を開始するための用意が完了していることを通常「白旗を降ろす」ことにより示します。
試技時間はこの瞬間からカウントダウンが始まります

競技者はこのカウントダウンが始まってから、定められた時間内に試技を開始しなければ、競技者の責によらない理由(例えば他の競技者からの妨害)により試技ができないなどの場合を除き、無効試技として記録されます。

この定められた時間試技時間です。

棒高跳を除くフィールド種目で残っている競技者数(試技を行っている競技者数)が4人以上であるとき、または各競技者の最初の試技であるときの試技時間が(30秒から)1分に戻りました(※2019年度ルール改定)。

試技時間が超過していても、競技者がすでに試技を開始していたら、その試技は認められます

「各競技者の最初の試技」という記載、これは、例えば走高跳でパスを行っていて一度も試技を行っていないうちに、競技者数が3人以下に減って試技時間が長く(例えば2~3人だと1分30秒)なっても、一度も試技を行っていない、つまり最初の試技となる競技者の試技時間は1分ということです。

 

他に試技時間に関する競技規則の修改正があります。

走高跳棒高跳優勝が決まり競技者が一人となり、世界記録日本記録大会記録等に挑戦する場合には、定められた制限時間(試技時間)より1分延長しなければならなくなりました
但し、他の競技会等への参加標準記録突破のための挑戦は1分延長の対象外です。


これまで1分あった試技時間が30秒になります(競技者数等による)。

ルールを知って、試技時間オーバーで無効試技とならないように注意しましょう!!

 

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain