前回リレーのテイク・オーバー・ゾーンの長さが2018年度よりかわるという記事を書きました。ルール、日本陸上競技連盟競技規則の修改正について。
日本陸上競技連盟競技規則(ルールブック)はかなりのボリュームがあります。
書籍のページ数は2017年度版で518ページ、そして毎年度修改正があり、特に近年はその量が多くなっています。
そもそも日本陸上競技連盟競技規則は国際陸上競技連盟競技規則(IAAF規則)に準拠しているのですが、国内競技のみに適用する規則などIAAF規則にないもの、IAAF規則に定められていることで国内競技では適用しないものなどもあります。それらについての記載は規則(ルール)の中で次のように〔 〕で表記されている部分です。表記中にでてくる「本連盟」とは日本陸上競技連盟のことです。
〔国内〕本連盟独自に追加したもので、国内競技にのみ適用する。
〔注意〕IAAF規則の注意であり、国内競技でも適用する。
〔注釈〕本連盟が補足として追記したもの。
〔国際〕IAAF規則に記載されているが、国内競技には適用しない。
〔国際- 注意〕 IAAF規則の注意であるが、国内競技には適用しない。
国内独自の規則をIAAF規則に合わせる傾向がここ近年多くなっています。
その理由は2020年東京オリンピックの開催や日本選手が国際大会に出場したとききちんとIAAF規則に対応できるためでもあります。
日本陸上競技連盟競技規則が準拠しているIAAF規則が英文であるため、それを和訳した際に微妙な表現の違いがでることがあります。2017年度の修改正では、その部分の見直しが多く発生しています。
例えば、腰ナンバー標識(腰ナンバー)に関する部分、
2016年度規則では、
写真判定装置を使用する競技会において、主催者は競技者のショーツまたは下半身の横に粘着性の腰ナンバー標識をつけさせる。
と記載されていましたが、
2017年度規則では、
写真判定装置を使用する競技会において、主催者は競技者のショーツまたは下半身の横に粘着性の腰ナンバー標識をつけさせることができる。
と、IAAF規則では変更がない部分の修改正がありました。
では、毎年ある修改正点、競技役員はどのようにして知るのか。
毎年度末に翌年度の規則(ルール)の改修正点についての講習を受けます。合わせて日本陸上競技連盟全国競技運営責任者会議の資料のひとつである競技規則修改正に関する資料、修改正前と後が左右に記載された表になったものを受け取ります。
その講習や資料で新年度の競技規則修改正を覚え、新年度に臨みます。
つまり、この講習を毎年受講するのが原則義務で、審判員資格の更新の意味合いもあいます。審判員の資格は毎年更新なのです。
このブログを書くにあたっても、ここ数年の日本陸上競技連盟競技規則、過去5~6年の競技規則修改正に関する資料、英文のIAAF規則数年分を見ることがあります。
2018年度の修改正に伴い、過去のブログも変更する部分が出てきますので既に読んだ記事も再度ご覧いただく必要があるかも知れません。