走幅跳や三段跳で、着地後に砂場から出る方法にもルールがあります。
第185条
2. 着地場所を離れる際、競技者の足が砂場との境界線上または砂場外の地面へ最初に触れる位置は踏切線に最も近い痕跡よりも踏切線より遠くなくてはならない。 〔参照 第185条1⒡〕
これが砂場から出る方法のルールです。
踏切線に最も近い痕跡とは着地した足に限らず、足より後方(踏切板寄り)にお尻や手をつくなど身体の一部が砂場に触れてその跡が残る位置を示します。
ナンバーカードが触れ跡が残った場合も含まれます(そのため跳躍競技の競技者は、背または胸につけるだけでもよいというナンバーカードに関するルールがあります)。
この痕跡よりも踏切線より遠く、つまり踏切板寄りではない前方から砂場を出なければならないということです。
次の図がそのイメージ(楕円が踏切線に最も近い痕跡、〇はOK、×はNG)
ではこのように出なければ?
これに関するルール、
第185条
1. つぎのような場合は無効試技とする。
⒡ 第185条2に定める以外の方法で着地場を離れた場合。
つまり、正しい出方を行わなければ無効試技になるのです。
更に別のルールに、
試技の完了
審判員は、試技が完全に完了するまでは有効を示す白旗を挙げてはならない。試技完了は以下に基づいて決定される。
⒝ 長さの跳躍の場合、第185条2に基づき審判員が、競技者が着地場所から離れたことを確認した際、有効が決定される。
という記述があります。
砂場から出るまで試技中なのです。
この砂場からの出方、初心者がよく誤ることですので、「出るのは砂場の前方」(上図の〇の方向)と習慣となるまで教えてあげましょう。
この出方をきちんと行わず無効試技となった日本のトップアスリートがいます。日本陸上競技選手権大会でのことです。その前の跳躍は異なる理由による無効試技、最終跳躍が砂場の出方を誤ったための無効試技、全て無効試技で記録なしとなりました。
この選手、その前の試技や他の競技会でも着地点の直ぐ横から砂場に出るような動きを行うことが多かったようです。
正しい習慣が身についていなかったのでしょう。
ルールを知り、きちんと守って競技にのぞみましょう。