日本陸上競技選手権、日本学生陸上競技個人選手権大会(個人インカレ)、高校総体(インターハイ)が終わりました。そして中学生にとって国内最高の大会のひとつである全中、平成29年度全国中学校体育大会・第44回全日本中学校陸上競技選手権大会の開幕まで後10日程となりました。
平成29年度全国中学校体育大会・第44回全日本中学校陸上競技選手権大会(以下「全中」)は、
平成29年8月19日(土)~22日(火)、
熊本県民総合運動公園陸上競技場 えがお健康スタジアムで開催されます(19日は開会式のみ)。
全中の出場権を得る方法は標準記録到達(突破)方式です。
全中の出場条件などは次の記事をご覧ください。
全中には標準記録到達(突破)で出場権が得られますが、インターハイは都道府県を細分化した地域予選、都道府県大会、地区(近畿地区、東海地区など)大会のそれぞれで上位何位あるいは何名かが上位大会に進出できる勝ち上がり方式を採用しています。
勝ち上がり方式の場合、本大会(全国大会)に進出する人数も決まっているため、本大会の競技日程も変更がほとんどなく、次ラウンド(予選→準決勝→決勝)への進出条件もほぼ決まっています。
ただし、地区により記録のレベル差があることがあり、インターハイ本大会でも種目内の記録差が大きくなることがあります。
一方、標準記録到達(突破)では、記録で選出されているためそれより記録が低い選手の進出はありません。ある意味平等な進出条件です。
しかし、標準記録到達(突破)者が多い場合、全中本大会でも予選組数が増え、次ラウンド(準決勝)への進出も厳しくなります。
全中の競技日程が公開されましたが、男子100m、男女200m、男女ハードル競技は、前年(2016年)より組数が増えています。
前年との組数の比較、予選から準決勝に進出できる条件をまとめてみました。
進出条件の見方は、例えば「1着+13」という場合は、各組1着の選手と2着以降の全選手の内記録上位13名が準決勝に進出できるということです。
組数の増加を見ると、男子200mが2組、男子100mと女子200m、男女のハードル競技が3組増加しています。
単純に前年より増加した組数分の人数が増えたとした場合、増加の組が全て8レーン使用(8名)とすると2組では16名、3組では24名選手数が増えたことになります。
9レーン全てを使用(9名)なら2組では18名、3組では27名増えたことになります。
これはかなりの増加です。エントリー選手数が増えたので、予選から準決勝に進出するのも狭き門となりました。
100m、200m、ハードル競技では男子200m以外は、着順で準決勝に進出できるのは各組1名です。
ただし2着以降でも記録上位で準決勝に進出できる可能性はあります。組で3着や4着、場合によっては5着でも記録上位の中に入ることがあります。
それを示しているのが女子100mです。
昨年と組数は同じなのに準決勝進出条件が「2着+2」から「1着+13」にかわっています。
次の表をみてください。昨年の予選の記録(一部抜粋)です。
「2着+2」だった昨年は、各組2着と黄色背景の2選手が記録上位2名で準決勝に進出しています。
この場合、桃色背景の4選手が、2組、3組、6組、9組の2着選手より記録が良いのに準決勝に進出できません。
これが「1着+13」なら、水色背景、黄色背景、桃色背景の選手が準決勝に進出でき、1着を含む全体の記録上位24名が準決勝に進出できることになります。
予選が組5着の選手でも準決勝に進出できるケースがあります。
「2着+2」よりは精度が上がると判断して「1着+13」に変更したのだと推測します。
しかし実際には、記録(タイム)だけでの比較です。風力は考慮できません。
昨年の場合も8組だけが、追い風2.9m/秒と強い風が吹いています。
仮にこの組の時に強い風が吹いていなかったならば、4着と5着の選手は記録が遅くなり「+13」に入らなかった可能性が高く、11組の赤字、4着と5着の選手が準決勝に進出していた可能性が高かったと思われます。
また逆のケース、どこかの組だけが向かい風が強く、1着の記録が「+13」の13番目の記録より悪くても準決勝に進出できることもあり得ます。
現状では風力まで考慮しての次ラウンド進出条件を決めるのは困難です。
風の運不運はあるかも知れませんが、1着でなくても準決勝に進出できる可能性はあります。
全中に出場される皆さん、目標は大きく上を目指し頑張ってください。
次の記事はインターハイを例に書いていますが、全中にも当てはまることが書いてあります。参考にしてください。
第44回全日本中学校陸上競技選手権大会の公式サイトはこちらです。