桐生選手が10秒01を記録したときの詳細なデータは分かりませんが、10秒01ということは10秒001から10秒010であったことになります。9秒99の記録は9秒981から9秒990の記録です。
記録の測定方法の詳細は、次の記事をご覧ください。
さて、9秒99と10秒01の差というのは、最短で0.011秒、距離(秒速10mで走っていると仮定)にすると約11cm、最長で0.029秒、約29cmです。
この時間差、距離差をどう考えますか?
日常生活においては極わずかな時間、距離ですが、陸上競技の選手には大きな差かもしれません。
では不可能かというとそうでもありません。
選手のコンディションや気候条件などのわずかな違いで達成する可能性もある差でもあると思います。
リオデジャネイロオリンピックの4×100mリレー決勝の際、日本チームは各国、各選手の記録を測定していました。
第1走者はスタートから第2走者のところのテイク・オーバー・ゾーン入口までの90m、第2走者と第3走者は自分が待っているところのテイク・オーバー・ゾーン入口から次走者のところのテイク・オーバー・ゾーン入口までの100m、第4走者は自分が待っているところのテイク・オーバー・ゾーン入口からフィニッシュまでの110mです。
リレーの結果1位のジャマイカと、失格になったアメリカは、全走者が9秒台(2016年シーズン最高記録)、3位のカナダも第1走者以外は9秒台の選手でした。
そのレベルの高いメンバーの中で、第1走者の山縣選手と第3走者の桐生選手は、同じ走順の選手中1番の速さで走りました。
第2走者の飯塚選手と第4走者のケンブリッジ選手も4番目の記録です。
確かに映像をみても全選手素晴らしい走り、個人種目の100mや200mより良い動きでした。これは潜在的にもそれだけの力を持っているからだと思います。
現在日本には100mの9秒台が期待される選手が多数います。
その選手達、自己ベスト記録を昨年あるいは今年樹立しています(桐生選手は2回目の10秒01を昨年も出しています)。
その選手達が同レースで走るとなると更にレベルも上がる可能性が高くなります。
日本人選手による100m、9秒台の可能性も高いのではないでしょうか。