競技会でハードル競技(100mH、110mH)の競技前にスターティングブロのセット、そして試走として数台のハードルを跳ぶことができます。
ハードル競技、100mHと110mHの競技前にスターティングブロックをセットし、スタートとハードル数台を跳ぶ試走が行えます。
これはどの競技会でも行われていることですが、ルールでその台数や回数などを明記しているものではありません。
これについて日本陸上競技連盟は、「100mH、110mH のスタート練習時の留意点」として、
(ハードルの倒し方)
100mHや110mHの競技者がスターティングブロックを調整した後,スタート練習と共に何台かのハードルを跳び越えていく。この時の練習は3台までとし,4台目と5台目は倒しておくことを推奨する。
4台目だけ倒せばよいと考えがちだが,勢いのついた競技者はすぐには止まれないので5台目も倒しておくべきである。
と、ハードルの台数3台、倒しておくハードル2台を推奨しています。
競技会ではハードルの台数などの指示は競技役員(出発係)が行います。
スターティングブロックをセットし、スタートからの試走は全選手が同時に行うことではありません。各自自分のペースで行います。
そのためスタート前の試走でヒヤッとした経験のある選手もいると思いますが、とっても危険な時なのです。
多いのは倒れたりズレたりしたハードルを直す競技役員との接触、自分のレーン以外のレーンのハードルを直しに行く、あるいは直した後に他のレーンを横切る競技役員との接触です。
選手も注意をしているのですが、スタートの姿勢では頭が下がり、前方が見えない瞬間があります。
その間にハードルを横切る競技役員が出てくるとたいへん危険です。
競技役員がもっとも注意しなければならないのですが、ときどき自分のレーンで前に試走した選手が倒したあるいはズレさせたハードルを直している最中に試走を開始する選手がいます。十分注意しましょう。
このスタートと試走、世界陸上競技選手権大会(世界陸上ロンドン)の女子100mHの準決勝と決勝でどの様に行っているか見てみました。
試走できるハードルの台数は2台、倒しているハードルは3台目の1台だけでした。
選手によっては2台目のハードルも倒し、試走の台数1台という選手もいました。
つまり、日本陸上競技連盟が推奨している台数とは異なっていたのです。
しかし、これは選手の大半がセットしたスターティングブロックでのスタートから1台目のハードルまでの確認程度で、何台もハードルを跳ぶ練習は行わないためだと思います。ハードル以外の短距離種目でのスタートと試走と同様に、あくまでも確認のための試走で、何台も跳ぶことを目的とはしていないのです。