4~5月、10月~11月、あるいは冬期の競技会で、競技に出場する衣類(ユニフォーム)の下にTシャツやタイツ(スパッツ)などを重ね着する選手を多数見ます。
その際に守られていないルールがよくあります。
守られていないというより、知られていないと言った方が正解かもしれません。
皆さんは知っていますか?
今日は競技場で身に着けるもの、持ち物に関するルールを説明します。
「競技会における広告および展示物に関する規程」というルール
このルールの中に、
競技者が競技中に衣類を2枚重ねて着用する(例えばベストの下にTシャツを着用する/ショーツの下にタイツを着用する)場合は、下に着用している衣類が露出していれば、広告その他の表示があってはならない。
という記述があります。
広告その他の表示、つまりメーカー(製造会社)のロゴ(マークやマークと一体化した社名などの文字)もそのひとつです。
ロゴの数が決められている
そもそも衣類(ユニフォーム)に付いていても良いメーカーのロゴの数は、次のように定められています。
上半身の衣類に1か所
下半身の衣類(シューズやソックスを除く)に1か所
上下一体型の衣類は1か所または2か所(2か所の場合は近すぎてはならない)
例えばユニフォームのショーツの下にタイツを重ね着していた場合、タイツのロゴが見えていると、ショーツとタイツの2か所にロゴがあることとなり、規則に反しているとされます。
ロゴの場所が決められている
ロゴが付いていても良い場所は前面と定められています。
ロゴの大きさにも制限がある
*上半身の衣類、または上下一体型の衣類で上半身1か所にしかロゴがない場合は、「文字が高さ4㎝以内、トータルのロゴの高さは5㎝以内で、面積30㎠以内の長方形」
*上下一体型の衣類で上下2か所にロゴがある場合は、それぞれが「文字の高さ3㎝以内、トータルのロゴの高さ4㎝以内で、面積は20㎠以内の長方形」
*下半身の衣類のロゴは、「高さ4㎝以内、面積20㎠」以内です。
他にもある競技会における広告および展示物の規定に適用されるもの
ウォームアップ用の衣類(ウインドウブレーカーやトレーニングウエアなど)
実はこれについても、競技に出場する衣類と同じ規定があります。
競技会場、補助競技場(サブトラック)に入る時にはこの規定が適用されます。
バッグ
競技会場に持ち込む個人のバックにも規定があります。
競技者が競技場で使用するバッグの製造会社名/ロゴは、各バッグ2ヵ所まで表示することができる。それぞれの表示の大きさは25㎠以内とする。
ソックス
ソックスにも規定があります。
ソックスの製造会社名/ロゴをそれぞれのソックスに1ヵ所に表示することができる。高さ3㎝以内、面積6㎠以内とする。
片足の外側と内側の2か所はNGです。
シューズ
競技者が使用するシューズの製造会社名/ロゴは、サイズに制限を設けない。
シューズは制限なしですので気にすることはありません。
では、違反していた時はどうなるか?
規定に反するものを覆うか、主催者によって提供された無印の衣類を身につけるよう要求されるということがルールには書いてあります。
覆うということはほとんどの場合、粘着テープ類を貼られるということです。
無印の衣類を身に着ける、というのは見たことがありません。
対策として、まず競技会場内では規定外のものを身につけない、持ち込まないことですが、どうしても身に着けたり、持ち込む必要がある場合は、あらかじめテープを貼っておくなどするのが良いと思います。
時にはかなり粘着力の強いテープを貼られることがあります。
大切な衣類やバッグなど、ベタベタになるのいやですよね。
粘着力の弱いテープなど用意しておくのもひとつの方法です。
また、このチェックはほとんどの場合、招集の際に行われます。
競技前の集中を高めたいときです。テープを貼ったりで時間が掛かるのも避けたいですね。
陸上競技の広告に関する規則は、かなり細かいです。
上下の衣類に関しては、先ほど書いたロゴの既定の他にも、メーカーのデザインと分かるラインなどの規定もあります。
また、競技中に競技者によって使用される帽子、ヘッドバンド、手袋、メガネ、サングラス、リストバンドなどのロゴにも規定があります。
この記事では、そこまで触れません。
まずは重ね着のルール、覚えておいてくださいね。