子供が陸上競技クラブに入っています。コーチから「横を見ない。頭を振らない。」とよく言われています。横を見ることは集中していないということで分かるのですが、頑張って走った結果、頭が振れてしまうことがいけないのでしょうか?
私が指導するときにも、同じようなことを言うときがあります。
でも選手が例え幼い小学生であったとしても、なぜいけないのかという理由をできる限り説明するようにしています。
横を見てはいけない理由
走りながら横を見てしまうのは小学生低・中学年によくあることです。他の選手が気になってしまうのです。当然前に走るということに集中できていないのですから遅くなります。
頭を振ってはいけない理由
確かに頭を振って走っていると、がむしゃらに頑張っている様に見えますね。
なぜ頭を振ることはいけないのか、私は子どもたちに「脳の働き」を理由に説明します。
小学生低学年には少し難しいかもしれませんが、中には理解できる子供もいます。何となくこれをきっかけに脳の働きを知る子どももいます。ですから難しいと思っても説明は行います。
人間の手や足、頭を動かすこと、走ること、指を動かすこと、目を動かすこと、歩くこと、全ての動きは脳が命令を出して行っているということから、私の説明は始まります。
走っている時に横を見ることも、脳が横を見るよう命令を出しているから横を見ているのであり、そして頭を振るということは、頭を振るよう脳が命令を出しているから振るのです。
横を見たり、頭を振ったりするように脳が命令を出している間、走るという命令が弱くなってしまうのです。そのため走るのが遅くなるのです。
これが私が子どもに対して行う説明です。
ついでに言うと、下を見て走ることも同じです。「前を見る!」と言われることがあると思いますが、下を見ていると視野にフィニッシュライン(目的地)が入らないので、走っている間、脳は、見えない目的地を探せ!と命令しているのです。目線がフィニッシュライン(目的地)を向いていると自然に目的地が見えているため探す必要がなくなり、あそこまで全力で走れという命令だけで済みます。
そうです。脳に余計な命令を出させない。走るという命令を弱くしないため、「頭を振らない」「横を見ない」とコーチは言うのです。