うさりく先生の陸上教室

 

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陸上競技に関する情報や基礎知識を発信します。陸上競技を始めた人、もっと知りたい人、また、指導者の皆さんにも参考になるブログです。

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トップアスリートの人柄 ~飯塚翔太選手~

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前回の記事ではトップアスリートの人柄として塚原直貴氏の人柄を記事にしましたが、今回は飯塚翔太選手(ミズノトラッククラブ)についてです。

 

     

 

前回の記事では、大手スポーツ新聞社の記者の方の「陸上競技のトップアスリートの競技力は記録や順位として明確になりますが、まだまだ人柄までは知られていない選手が多い」という話を聞き、トップアスリートの塚原直貴氏の人柄を紹介しました。


 

今回は本ブログにも何度か登場して頂いている飯塚翔太選手です。

11月に行われた飯塚翔太選手による「スピードアップ講座」では小学生の部と中高生の部がありました。

その講座に関する記事です。


その小学生の部の参加者からの質問コーナーで参加者に飯塚選手から「みんなには、憧れの人はいる?」と逆質問がありました(同じ質問をされ「小学校低学年の時は、手からビームが出る人が憧れだった。ロックマンです」と人気ゲームのキャラクターを挙げ、小学5,6年生のころにはいなかったと答えた後の逆質問)。
ここは「飯塚選手」と答えると大人たちは期待しましたが、返ってきた答えは「桐生選手」、4×100mリレーのリオ五輪銀メダル、世界陸上ロンドン銅メダルも、日本人初100m9秒台には勝てず、「そうだよね。今度桐生に会うから、(小学生から人気だったと)言っとくね」と苦笑いで返しました。
恐らく普通なら「そこはオレじゃないの」と言うところですが、この時の相手は小学生、その質問した子が恥ずかしい思いをしないように気遣った回答だったのでしょう。

また、この講座では、リオの銀メダル、世界陸上ロンドンの銅メダルを、参加している小中高生だけでなく、引率の保護者などにも触っても持っても良いと飾りました。

後でミズノの関係者から聞いたのですが、めったにさわれるものではないから多くの人にさわってもらいたいと思っているようで、メダルにはかなり傷もあり、あるメダリストと並べて見せることがあった時に世界陸上の銅メダルはすでに色が変わっていたそうです。

もちろん指導の内容も独自のものも多くすばらしいのですが、子供たちとは友達のように接し、時にすごいパフォーマンスを見せ、多くのスキンシップ(きちんと女子には行わないようにしていました)、ときどきわざと間違って見せたり、盛り上げることも上手く、小さな子供にも気遣いができる選手です。

ますますファンが増えたと思います。

特に小学生の部ではお母さんにも人気があった飯塚選手です。

本当に競技だけでなく、その人柄も素晴らしい!!

 

 

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トップアスリートの人柄

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あるスポーツ新聞社の記者の方と話をする機会がありました。選手の人柄を記事にしたいとおっしゃっていました。

 

     

 

ある大手スポーツ新聞社の陸上競技担当の記者の方と話をする機会がありました。
陸上競技の選手の競技力は記録や順位として明確になりますが、まだまだ人柄までは知られていない選手が多いということでした。

最近でこそ時々テレビに出演する選手もいますが、野球やサッカー、柔道、レスリング、バレーボールなど他のスポーツに比べればまだまだ少なく、出演する選手も限られています。

私も競技役員や選手の引率として、国民体育大会や日本選手権などの大きな大会の場での、サブトラック(補助競技場)や選手控室などで日本を代表する選手の様子を見る機会があり、競技後の選手同士の会話や選手と報道関係者とのやりとり、競技役員である私に対する選手の態度などから、この選手こんな人なんだと感じることがあります。

ある選手が東京都にあるナショナルトレーニングセンター(日本代表クラスの選手しか使用できない施設)の陸上競技場で練習している様子を見ることがありました。
ヒョウ柄のタイツで上半身は裸、かなりヤンチャに見えましたが、その後、ある大会で競技役員であった私にそのヒョウ柄スタイルからは想像もつかないほど紳士的な態度で、わざわざ確認せずに勝手に行って良いようなことまで、行って良いかと尋ねてきました。言葉使いも丁寧です。

またその選手、全国的な大会の100mで残念ながら準決勝で終わり、決勝に進出できなかった時、準決勝の競技後多くの報道関係者を集めてインタビューを受けていたのですが、その時間の長いこと、30分以上は話していました。

実はその時、報道関係者は決勝に進出した選手のインタビューも行いたかった様子でしたが、その選手たちは決勝に向けた準備があります。とにかくすぐにダウンやケアを行いたいはずです。そのことをわかっていない報道関係者はインタビューをしたがります。

でもそのことを良くわかって決勝に進出する選手にかわりインタビューを引き受けている姿、ある意味「神対応」です。

この選手、塚原直貴氏です。

2008年の北京オリンピックの4×100mリレーで銅メダルに輝いた日本代表チームの第1走者、100mの自己記録は10秒09、日本を代表するスプリンターでした。

2016年度をもって富士通陸上競技部を退部、引退し、今年(2017年)6月に出身地である長野県で開催された第101回日本陸上競技選手権大会混成競技内で引退レースを行いました。

北京オリンピックの銅メダルは金メダルを獲得していたジャマイカチームの選手がドーピングの検体の再検査で禁止薬物の陽性反応が出たため2017年に銀メダルに繰り上げとなっています。


塚原氏、選手時代にはかなりヤンチャに見えた選手ですが、とっても良い人柄だと私は思います。

 塚原直貴選手引退レースの様子は次のブログです。 

sports.jp.fujitsu.com

 

今後もスポーツに関わり、「目指すは、松岡修造さんみたいなさわやかな感じ、ですかね。」とのことです上記ブログより引用)

ご活躍を!!

 

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動画でフォームを確認 ~注意!!~

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ビデオカメラやスマートフォン等で動画が簡単に撮影でき、その動画でフォームの確認を行うことがあると思いますが、その際に注意を必要とすることについて。

 

     

 

 

数年前まで定期的に指導していたある選手、専門種目は100m、進学先の学校の陸上競技部に入部したため、たまに指導を受けに来たときに見る程度になりました。

その選手、スタートを苦手としていましたので、次に指導する機会があれば試させてみようと考えていたことがありました。

その後それを試す前にその選手の競技を見る機会があったのですが、私が試そうと考えていたことができていて、まだ違和感があるもののこれまでよりはスタートが良くなっていました。

そこで気になるのが、誰に指導を受けたのかということです。

本人に確認しました。
どうやら学校の顧問ではなく、お世話になっている病院のリハビリの先生に競技会のビデオ(動画)を見てもらいアドバイスを受けていたようです。
その動画は100mのレースでフィニッシュ付近のスタンドから撮影したものでした。

確かにスタートは良くはなった、でもまだ不十分で違和感がある、そのとき変えたのは地面につく手の位置です。

しかしそれ以降、スタートの合図(号砲)の前に身体が静止していないとして注意(結果的には口頭注意で全員にグリーンカード)を 受けることが起きるようになりました。

その注意を受けたレースの動画をみました。確かに身体が静止していない。厳密にいうと「set(用意)」の姿勢で後ろ脚が動いてて静止しないというものでした。 
競技を見て違和感を感じたのはこの点です。

実際にその選手の練習をみる機会が訪れました。

スタート練習、選手の前方から見ていると、やはり「set(用意)」の姿勢で後ろ脚が不安定、次は横からみました。

原因は直ぐにわかりました。
スターティングブロックのフットプレート(次の写真の足を置く黒い部分)に後ろ足がしっかりのっていません。

次の写真は、スタートの合図(号砲)が鳴って選手がスタートした瞬間。
黄色丸内はスターティングブロックを蹴って足がフットプレート(足を置く黒い部分)から離れようとしているところ(後ろ足)。同じ選手の逆の足(赤色丸内のオレンジ色のスパイク)はまだスターティングブロックのプレートにのっています(前足)。

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私が見ている選手、「set(用意)」の姿勢で後ろ足のつま先がスターティングブロックのフットプレートにわずかに触れている程度です。

上の写真で例えるなら、黄色丸内の足をそのまま下にずらし、つま先がスターティングブロックのフットプレートのトラック面との境辺りに触れている状態です。

「On your marks(位置について)」の合図の後、「set(用意)」合図の前も同様です。

通常、「On your marks(位置について)」の合図の後ではつま先部分がスターティングブロックのフットプレートに触れて(のって)いて、「Set(用意)」の合図でつま先以外の部分がフットプレートにのるような形になるものです。上の写真での赤丸内のような状態です。

もし足がフットプレートに触れていなければルールに反することになります。


このことに関するルール、

「On your marks(位置について)」の合図の後、競技者は自分の割当てられたレーン内のスタートラインの後方の位置につく。両手と少なくとも片膝がグラウンドに、両足はスターティング・ブロックと接触していなければならない「Set(用意)」の合図で競技者は手とグラウンド、足とスターティング・ブロックのフットプレートとの接触を保ちながら、速やかに最終のスタート体勢に構えなければならない。

 

また、最悪は不正スタート(通称「フライング」)と判断される可能性もあります。次のルールです。

Set の後、最終のスタートの姿勢になってから号砲までの間に次の動きを確認した場合、不正スタートとする。
ⅰ)静止することなく、動いたままスタートした場合。
ⅱ) 手が地面から、あるいは足がスターティングブロックのフットプレートから離れた場合。

 

そこで即対応を行いました。

まず、「On your marks(位置について)」の合図の後の姿勢(setの前の姿勢)で足のつま先をフットプレートに完全にのせるようにしました。
ルールの「スターティング・ブロックのフットプレートとの接触」は回避できましたが、この状態で「Set(用意)」の姿勢をとってもフットプレートにのっているのはつま先辺りだけで、不安定なままです。

次の策、フットプレートの傾斜角度を変えてみます。
角度を1段階だけ急にしました。

上の写真、黄色丸内のスターティングブロックのフットプレートと手前の選手のフットプレート、わずかですが手前の選手の方の角度が急です。このタイプのスターティングブロックの1段階の角度の違いです。

こんどは「Set(用意)」の姿勢でフットプレートに足の裏がしっかりのり動くことなく安定した状態です。

別の方法も試します。

フットプレートの角度を戻し、今度はフットプレートを前に移動させます。

上の写真、スターティングブロックの左右のフットプレートの間にフットプレートを固定する支柱があります。この支柱に溝(切れ込み)が多数ありますが、これがフットプレートを前後に動かし固定するものです。

溝1つ分前に移動させました。フットプレートにしっかり足がのっていないのはフットプレートが後ろ(遠い)と考えることもできるからです。

しかしこの時は、手と足の距離がわずかですが近くなったために「Set(用意)」の姿勢で窮屈(きゅうくつ)で腕にかかる負担も増えたと選手が感じたため、フットプレートの前後移動はさせず元の位置のままにしました。

結局はフットプレート角度を1段変えただけでその選手のスタートは各段に良くなりました。

わずかな違いですが選手によっては大きな違いなのです。

実は私、現役時代かなりスタートにこだわりました。今のようにインターネットもなければ専門書もない時代です(専門書は大きな書店にはあったのかも知れませんが目にしたことはありませんでした)。あったのは今も存在する陸上競技専門の月刊誌やその別冊くらいです。とにかく試行錯誤の繰り返しでした。高校3年生のときには当時の100mの高校記録保持者とレースする機会が多かったのですが、スタートで負けたことはありませんでした。フィニッシュでは数メートル差をつけられましたが・・・

この記事で取り上げた選手、ビデオ(動画)を見てもらってアドバイスを受けていましたが、そのアドバイスをした方に実際に目で見てもらってはいなかったようです。

また、アドバイスも手を着く位置のことだけで、それにより影響が出そうなところまでのアドバイスは受けていません。

このアドバイスで結果的にスタート時の重心が少し前方に移動したため、足がしっかりスターティングブロックのフットプレートにのらなくなったのです。


ビデオなどの動画でフォームを確認することは悪いことではありません。
静止画やコマ送り、スロー再生、その場で再生できるなど役立つこともあると思います。

しかし、今回の記事のようなことになってしまうこともあります。

見たいポイントにもよりますが、実際に目で前後左右から選手は見てもらい、指導者は見てあげることも重要であると思います。

 

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フォームを直したい ~飯塚翔太選手のスピードアップ講座~

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飯塚翔太選手によるスピードアップ講座が開講されました。その講座中で飯塚選手が語った印象に残った言葉などについて。

 

     

 

11月23日に東京にあるエスポートミズノ飯塚翔太選手(ミズノトラッククラブ)によるスピードアップ講座が開講されました。

小学生の部と中高生の部の2部が開講され、講座はビデオ撮影OK(但しネット配信NG)でした。

そのビデオを見ることができました。

 

まず今回の中高生の部の講座、屋内のイベントスペースで行われ、多くを走ることができないため、スピードアップにつながる補強を中心とした練習方法の紹介と実践が主なメニューでした。

 

補強といっても普段良く見かけるものはほとんどなく、身体のどこを鍛えるのか何に役立つのか、それを正しく行うためのチェック方法の説明などもあり、参加した選手には新たな練習方法を知ることができる良い機会だったのではないでしょうか。

 

その中高生の講座で私の印象に残った飯塚選手が語った言葉などがあります。

 

走っている時に姿勢を意識するのは難しい。今回行っているような補強運動などを行い身体に刺激を与えてから走ると変化がでる」という言葉です。


また、その言葉も解説してくれました。「脚を流さない、腰の位置を高くするなどフォームを直すには、走るだけでは直らず、姿勢を正すための補強運動を行ってから走ると変化がでる」と。

 

実はこの日の内容は、正しい姿勢で足が地面をしっかりとらえられるようになる、正しい姿勢で素早い動きを行うことなどを目的としたものでした(これも飯塚選手が練習途中で説明)。

神経系(反応)の練習もありました。

普通なら「脚が流れない様に意識して走れ」ということが多いのですが全く異なる考え方です。


ここで紹介したのは極一部ですが、たいへん実のある講座です。

 

 

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リレーのマーカー(テープ)、急いではがす?

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本ブログで一番閲覧が多いのがリレー関係の記事です。トラックシーズンはほぼ終わりになりましたが、今回もリレーに関する内容です。
4×100mリレーなどで使用するマーカー(テープ)、前走者が次走者の貼ったものをはがすことが多いのですが、これは急いではがさなければならないものなのか?ということについて。

 

     

 

4×100mリレーなどで使用するマーカー(テープ)は前走者が次走者の貼ったものをはがすことが多いのですが、次走者にバトンパスを終えた後レースを見届けていると「急いでテープをはがして」と競技役員が促す風景を見ます。

確かに競技会によっては競技日程(タイムテーブル)、競技進行の状況などにより、競技役員の立場としては、行われているレース終了後直ぐに次のレースの準備に取り掛からなければならないこともあり急いではがしてほしいときはあります。

でも走った選手にしてみれば、自分のチームがフィニッシュするまでレースを見届けたいのは当たり前のことですよね。

「急いでテープをはがして」と言われても、必ずしも急ぐ必要はないと私は思います。

でもいつまでも立ち止まってレースを見ているのは・・・

ですからレースを見ながら次走者が貼ったテープの方へ移動すれば良いのです。

競技役員によっては「なぜ?」と思うほど急がせる人がいますが、「レースを見ながらで良いのでテープをはがすよう移動してください」(これ実際に急いでほしい時に私が言う言葉)と言われていると思ってください。

前のレースの(途中棄権を除く)最終チームがフィニッシュするまでは競技中で次の組の選手はレーンに入れません。

今年の第101回日本陸上競技選手権リレー競技大会(日本選手権リレー)の4×100mリレーの予選を見ましたが、前組のレースの最終チームがフィニッシュしたら、直ぐ次の組の選手にマーカー(テープ)を貼る準備をさせていることがありました。
前の組のテープをはがす選手と次の組のテープを貼る準備をする選手が多数同時にレーン上にいる状態です。

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特に第3走者は第4走者にバトンを渡し、次走者がフィニッシュまでの時間は短いですし、第3走者自身も次走者を追うように走ることがありますのでテープをはがしに戻るのに時間がかかることがあります。

もしそのような状況になったらテープを貼る準備、足長(足数、歩数)を数えている次の組の選手のじゃまにならないよう、また選手と接触しないように注意して、すみやかにテープをはがしましょう。


選手にはチームのレースをしっかり見て、レース後にバトンパスのことなどをチームの仲間で確認してほしいと思います。 

 

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リオ・オリンピックや世界陸上ロンドンの競技場にあった見慣れないライン

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リオデジャネイロオリンピック世界陸上ロンドン大会での陸上競技場に見慣れないラインがメインストレート上にありました。

 

 

 

リオデジャネイロオリンピック世界陸上ロンドンなどが開催された陸上競技場のメインストレート上に引かれていたライン、次の写真の黄色矢印が指すライン、日本の競技場では見かけません。※日本に1か所もないかは未確認、写真はイメージ(合成写真)です。

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何のラインでしょう?

即答できる人はかなりの陸上競技通です。

ラインの少し左側の1レーンから5レーンまでに引いてあるラインは4×400mリレーの第3、第4走者のテイク・オーバー・ゾーンの入口、右側の数字右横のラインはフィニッシュラインです。

4×400mリレーの第3、第4走者のテイク・オーバー・ゾーンの入口からフィニッシュラインまでの距離は10m。

見慣れないラインはフィニッシュラインまではそれ(10m)より少し短く、弧(こ)を描いています。


このライン、1レーンではフィニッシュラインより 9m344 スタートライン寄りにあります。


400mトラック4周と9m344で1609m344、これは1マイル、このラインは1マイル競走スタートラインです。

メートル法を採用している日本では馴染みがありませんが、ヤード・ポンド法の歴史が深い地域では1マイル競走が行われることがあるのです。

ですからスタートラインがあります。※その地域でも全ての競技場あるとは限りません。

日本で「マイル」と言えば4×400mリレーのことがほとんど。4×400m=1600m≒1マイルだからマイルリレーです。

1マイル競走、きちんと日本記録もあります。

男子が3分58秒89(1996年)、女子が4分34秒81(2002年)。どちらも日本国内で樹立された記録です。

この1マイル競走、地域や時代によっては1500mより盛り上がった競技です。

本記事の写真はイメージ(合成写真)ですが、リオデジャネイロオリンピック世界陸上ロンドン、今年4月にバハマで開催された2017ワールドリレーズ(世界リレー選手権)の競技場には1マイル競走のスタートラインがあります。

動画サイトなどでこれらの大会で行われたトラック競技を見れば1マイル競走のスタートラインを確認することができますよ。

  

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陸上競技場、トラックのレーンの幅はなぜ1m220(1m250)?ハードルの高さはなぜ細かい?

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陸上競技場、トラックのレーンの幅は1m220や1m250です。
前々回の記事でそのことに触れています。 

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なぜ1m220や1m250なのか。

 陸上競技場のトラックのレーン、その幅は1m220または1m250です。

日本国内では1m250であったのが2010年4月以降に新設するあるいは全面改修するトラックでは1m220とすることになっています。


さてその1m220や1m250はなぜその値になったのか・・・

 

現在はメートル(m)法に則り、ルールは全てメートルで記載されていますが、メートルを用いるようになる以前に、フィート(ft)で計測され、規格が決められたものがあります。

そのひとつがレーンの幅で、4フィートで決まった長さです。4フィートは 1m219215、つまりをメートルにしたとき1m220になったのです。

では1m250は?

1レーンは4フィート、1m220としましたが、多少の幅を持たせるとして当時の国際ルールでは1m220~1m250とされました。

日本国内ルールでは少しでも幅が広い1m250に統一し、一方国際ルールでは1m220になっていきました。

そして近年、日本国内でも国際規格に合わせた1m220になってきているのです。

また、1m220だとトラック全体(面積)も小さくなり、土地の広さや工費の面でも好影響があるのも1m220の採用を後押ししています。特に工費の面では大きなコストダウンにつながります。


同様にフィートで計測された高さや長さが規格となっているものの代表例です。

ハードルの高さ、
1m067は3.5フィート、
0m914は3フィート=1ヤード、
0m838は2.75フィート、
0m762は2.5フィートからきています。

110mハードルのハードル間の距離の9m14は30フィート(=10ヤード)、1台目のハードルまでの距離13m72は45フィート(=15ヤード)からきています。

特にハードルの高さ、覚えにくいと思いますが、それはフィートで計測したものをメートルに換算したためです。


そうです。陸上競技の長い歴史の中で、長さや高さを決めた当時がフィートでの計測、それをメートルに換算したものが今も残っているのです。

 

  

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男女混合4×400mリレー

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今後注目される種目、男女混合4×400mリレー
2018年3月6日一部追記、削除(赤字部分)

 

 

2017年6月9日、国際オリンピック委員会はスイス・ローザンヌの理事会で、男女混合4×400mリレー2020年東京オリンピックの正式種目に採用とすると発表しました。

 

男女混合4×400mリレーの編成ルールは、男女各2名、走順に定めはない、つまり男子の走順、女子の走順はチームで自由に決めて良いということが、今確認できている限りでは全てです(各競技会の要項での定め)。


参考記事 

www.usariku.com

 

男女混合4×400mリレーは、今年(2017年)4月に開催された「2017ワールドリレーズ(世界リレー選手権)」でも実施されました。

日本に関しては、9月9日にフランスで開催された国・地域対抗戦のデカネーション(2017/アンジェ)大会で実施された男女混合4×400mリレーに日本代表チームが出場しています。

 

その後国内の大会でも実施されるようになり、10月28日の第101回日本陸上競技選手権リレー競技大会(日本選手権リレー)では 東京 2020 オリンピック特別対策種目として、U18男女混合4X400mR(高校1・2年生による都道府県を代表する混合チーム)が実施されました。

 

私が把握しているだけですが、国内では他にも、
10月14日に福島県で開催の第6回東邦カップふくしまリレーズ、
11月5日に静岡県で開催の第8回エコパトラックゲームズ
で行われています。

その気になる結果ですが(Mは男子、Wは女子)、

・世界リレー選手権での1位は、バハマ(走者:M・W・W・M)3分14秒42
・デカネーションでの日本代表チームは 3分27秒88(佐藤 M富士通・奥村 W共愛学園高校・武石 W東邦銀行・木村 M四電工)
・日本選手権リレーでの1位は、福岡県チーム、3分31秒70(今泉M・金W・河北W・花岡M)
・ふくしまリレーズでの1位は、福島選抜、3分23秒83(武石 W東邦銀行・記野 M東邦銀行・青木 W東邦銀行・渡部 M・城西大)
・エコパトラックゲームズでの1位は、静岡県大学選抜、3分26秒90(小川 M常葉大・杉浦 W青山学院大・伊谷 W駿河台大・加藤 M早稲田大)

 

現時点での日本最高記録は、ふくしまリレーズで福島選抜が記録した3分23秒83です。
エコパトラックゲームズでの静岡県大学選抜の記録も日本大学最高記録、
日本選手権リレーでの福岡県チームもU18の日本最高記録ではないかと思います。

 

これらの記録は選抜チームによるものですが、ある大会の競技結果をみると、単独高校で3分33秒37、単独高校の日本高校最高記録かもしれません。 

 

この中のある大会で実際にレースをみましたが、男女の走順の違いにより抜きつ抜かれつの面白いレースでした。

今年のトラックシーズンはほぼ終わりになり、男女混合4×400mリレーが実施される競技会もほとんどないと思いますが、来年度のトラックシーズンでは多く競技会で実施されるのではないかと思います。

あちらこちらで日本最高記録がでるのでは・・・

中学生で実施するかは主催者次第ですが(今年実施されたある大会では中学生と高校生の混合チームも出場しているようです)、高校以上では男女別の4×400mリレーだと男女それぞれ4名の選手が必要ですが、それぞれ2名いれば出場できます。

もしかすると、日本最高とはいかなくても、各カテゴリーの各都道府県最高記録などを狙えるチャンスがあるかも知れませんね。

オリンピック種目になる、陸上競技にも「MIX(ミックス)」の時代がやってきました。
ルール上では「男女混合」は「ユニバーサルuniversal)」という性別のカテゴリー、性別のカテゴリーは「男子(men’s)」「女子(women’s)」「ユニバーサル(universal)」の3種です。

男女混合4×400mリレーは既に実施されていますが、2018年3月3日時点では「世界記録」や「日本記録」として公認される種目にはなっていません。
本記事中の「最高記録」は公認の日本記録等とはならない「最高記録」です。
しかし今後「世界記録」や「日本記録」として公認される種目になる可能性はあります。
「世界記録」や「日本記録」となる時、過去にさかのぼって認められる場合があるため、公認大会で当該種目を実施する主催者は記録された結果を「新記録」として申請できるように結果資料等の保存をしておく必要があります。

  

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

 

 

陸上競技場、トラックのレーンの幅は?

f:id:usariku:20170423225103p:plain陸上競技の競技場のトラック、多くが1周400mですが、レーンの幅にも決まりがあります。

 

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陸上競技場のトラック、多くが1周400mです。中には1周200m、250m、300mという競技場もあり、公認競技場として認められていることもあります。

陸上競技場のトラックにはレーンがありますが、レーンの幅にも決まりがあります。


「公認陸上競技場および長距離競走路ならびに競歩路規程」というルールには、 

1レーンの幅は1m220又は1m250

と記載があります。

「トラック競技」に関するルールには、

400mまでのレースにおいて、各競技者は、幅50㎜の白色のラインで区切られた、右側のライン幅を含む最大幅1m250のレーンを走らなければならない。すべてのレーンは同じ幅でなくてはならない。

という記載があり、更に、

〔国内〕 2010年4月1日以降に建造されたトラックおよび走路を全面改修するトラックに関しては、上記のレースのために、レーン幅は1m220(±0.01m)とする。
〔国際-注意〕  2004年1月1日以前に建造されたトラックに関しては、上記のレースのために、レーンの幅は1m250でもよい。

と記載されています。「上記のレース」とは400mまでのレースです。

 

レーンの幅は競技場が建造された時期、トラックを全面改修した時期などによって異なります。

私がルールを知ったころには1m250しかなかったのですが、今は1m220というルールもあり、個人的には1m220のレーンの競技場は新しいトラックだというイメージです。

では、この3cmの差、はたしてどの程度の差なのか・・・

先日ある競技会である競技場に2年ぶりに行きました。
その前日練習でのこと。

トラック脇で選手の練習を見ているとトラックに何か轍(わだち)のような跡が。
次の写真、上側が進行方向。

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ピンときました。レーンの幅を変えたのだと。

この競技場、昨年春に公認の継続更新を行っています。その時にレーン幅を1m250から1m220に変えたのでしょう。レーンの数は以前から9レーン。

全レーンをみると次の写真のとおりです。ちょっと見にくいかもしれませんが。

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2レーンから外の各レーンに跡があります。レーンラインが内側に移動したことになります。2レーンでは3cmですが、9レーンの内側では24cmの移動です。
写真の左上曲走路部分の9レーンの外側と下の直走路部分の9レーンの外側に緑色の濃い部分がありますが、これが1m250のときのトラックの外側です。

内側400mは同じ位置ですが、外側は全体に縮んだトラックになったということになります。

ということは、レーンに分かれてスタートする競技の曲走路にあるスタートラインやテイク・オーバー・ゾーンなども2レーンより外側のレーンでは移動しているはずです。

次の写真は400m、9レーンのスタート位置、黄色矢印のところに以前のスタートラインを消した跡がありました。

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レーンの幅、1m250と1m220の違いを明らかに比べることができました。

1レーンでは3cmですが、全体ではこんなに影響があると感じることでした。
※選手が走る距離は当然ですがかわりません。トラックの全体像としてとらえた感想です。  

  

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フィールド競技で3回無効試技でも6回の試技ができるとき

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フィールド競技(走高跳棒高跳を除く)では、3回試技を行った後、上位8位までの選手が後3回試技を行える競技会があります。そのような競技会で最初の3回の試技が全て無効試技(ファール)でも後3回試技が行えることがあります。

 

 

ある競技会での投てき競技、ある選手かなり好調なようで自己記録を大幅に上回る試技が続きましたが、残念ながら3回の試技全てが無効試技(ファール)でした。

投てき競技での無効試技(ファール)の多くは、試技が行えるエリアの外に試技中に出てしまうというものです。よくあるのは投げた後、勢い余って投てき方向に足をエリア外に踏み出してしまうことです。

詳細はここでは省略しますが、エリアから出る位置によって無効試技となることもあります。不慣れな選手に多い無効試技です。

この競技会でのフィールド競技(走高跳棒高跳を除く)では3回試技を行った後、上位8位までの選手が後3回試技を行えます。

このとき3回の試技全てが無効試技(ファール)だった選手、3回目の試技を終えた時点では「記録なし」です。

この選手の指導者、顔見知りの方です。私の直ぐ近くで観戦していて、選手にときどき指示も与えていました。きちんとルールに則った指示の与え方です。

選手は上位8位までが行える残り3回の試技に進めないものとして荷物を整理しだしました。

選手の指導者も終わりだという様子です。


「あれっ、ちょっと待ってください。」、指導者に声をかけ、プログラムを確認。

「後3回投げられますよ。選手にも伝えてあげてください。」

 

選手数は15名前後、しかし実際には複数部門が同時に競技を実施しており、その3回無効試技の選手が出場している部門の選手数は4名でした。

 

ルールでは(一部略)、

走高跳棒高跳を除き・・・略・・・競技者が8人以下の場合には、各競技者に6回の試技が許される。
前半の3回のラウンドで有効試技が一つもない競技者も、後半の試技が許されるが、その試技順は有効試技のある競技者の前とし、複数いる場合は当初のスタートリスト順とする。

 

このときの3回の無効試技はまさにこのルールに該当します。

出場選手数が8名以下の場合は例え3回目までの試技が全て無効試技でも、後半3回の試技が行えるのです。※2017/11/15「に満たない」を「以下の」に修正

投てきの競技役員はルールを知っているので選手に説明することなく3回無効試技の選手も加えて後半の試技順を選手に告げました。

4回目以降の試技を行いましたが、はやり一旦集中力が落ちたためか、前の無効試技になった3回の試技と比べパフォーマンスが落ちました。

このケース、ルールを知っていれば最初から6回の試技ができるとわかっていたはずです。

もし知っていたら、結果に影響があったかもしれまん。 2017/11/21脱字追加

自分が出場する競技のルールは知ってから競技にのぞみましょう。

 

  

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競技の時にいない、「欠場」とされることがあります。

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競技会で招集(点呼)を受け、競技場所(トラック競技ではスタート地点付近)での確認(一般的に「最終コール」と呼ばれる)も終えたのに、いざ出番というときにいない選手がいます。

 

 

 

 

先日行われた中学生以上の選手が参加できるある競技会でのこと。

男子400m、組数は25組、100mは90組、他の種目も含め比較的参加者が多い(エントリ―人数約1,200人、開催期間1日)競技会でした。

選手は招集(点呼)の後、各自で競技場所に移動します。

 

その競技会では出発係という選手をレーンに入れ、スタートの準備をさせるなどを行う競技役員でした。
スタートのやり直しがあったらその原因を、アナウンサーに伝え、選手にグリーンカードや失格の赤/黒カードを出すなども行います。
また選手のレース前の最終コールも行います(複数名で役割分担をすることが多い)。

 

 

男子400m、スタート地点(400mなのでフィニッシュ地点でもあります)は多くの選手でにぎわっています。

 

前の組がスタートした後、次の組の選手に「〇〇組の選手、競技の姿になって集合してください。」と声をかけます。

声の掛け方も競技役員により様々です。

この記事での声の掛け方は私が行うときのものです。

※「〇〇組の選手」ではなく「次の組の選手」と言ってもよいのですが、具体的に何組という数字を言うようにしています。選手が誤ることを防ぐため、他の選手にも次のレースが何組か知らせるためでもあります。組数が多い大会では選手に今のレースは何組かと聞かれることがよくあります。言い方ひとつでその質問もほとんどなくなります。大会によっては数組先までの選手を椅子に座らせるなどすることもありますが、これはどちらかというと規模の大きな大会でのことです。

 

このときは時々雨も降り寒いので選手の脱衣のタイミングを早くし過ぎないように配慮もします。

競技前の選手は既にスタート地点付近での最終コールを終え、その付近にいますのでほとんどの選手は直ぐに集まります。

 

25組の内、22組が競技中、23組の選手に集合するよう声をかけたときのこと。 
選手が集まりましたがひとり足りません。

○○レーン、ナンバーカード△番の選手いませんか」と声をかけます。

何度か呼び、辺りを歩きながら声をかけます。来ません。名前や所属も合わせて呼びます。でも見つかりません。

 

前の組のレースが終わったので集まった選手に、レーンに入りスターティングブロックのセット、試走をする人は行うように指示を出します。

 

その段階でいない選手は走る意思がないと判断し、欠場とすることもできますが、できれば走らせてあげたいと思います。

 

その時少し離れた場所に来ない選手のナンバーカード(ゼッケン)の数字に近い数字のナンバーカードを付けた選手が数名集まって談笑しているのが見えました。どうやら同じ所属の競技を終えた選手たちのようです。 

 

そこに行き、氏名で確認しました。

その中に探していた選手がいました。

何度も呼んだことを告げ、その選手の組がもうスタートの準備に入っているので、直ぐ準備するように伝え、スタート地点に戻りました。

 

他の選手が試走を行い、スタートライン近くに戻りだします。

 

まだその選手は来ません。

 

急いで見に行ったらまだユニフォームになっておらず、スパイクも履いていませんでした。

 

同じ組の他の選手はスタートの準備を終え始めています。

 

残念ですがダメ。 選手に「欠場にします。スタート後説明に来ますので待っていてください。」と告げ、スタート地点に戻りレーンを欠場としてその組をスタートさせました。

 

スタートを見送った後、次の組の対応を他の競技役員に頼み、来なかった選手のところに行き、欠場とした理由を説明しました。

まず、来なかったこと。それが最大の理由ですが、あのまま来るのを待つと、他の選手が待たなければならない時間が長くなるということ、それも問題であるため欠場と判断したと告げました。

またこの欠場に納得がいかない場合は大会総務(大会本部)に申し出ること、その際はできれば顧問も連れてきてほしいということも。

 

そして、その選手を欠場にしたことを手元の資料に記しました。

 

競技役員としてこのような形で選手を欠場にするのはとってもつらいことです。

 

このケースで一番問題となるのは他の選手を待たせる行為だと私は思います。

 

この選手ほどではないのですが、実際に遅れてくる選手がかなりいます。

この記事の選手は中学生ですが、高校生以上、一般(大学生以上)の選手にも。

 

最終コールが済んだからといっても競技の際にいないと欠場となることがあります。

このような選手には自分が競技に来ていることを忘れず行動することを心掛けてほしいと思います。

 

  

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その常識、一般的には常識ではありません ~更衣室でのこと~

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あるロードレース大会、日本陸上競技連盟登録選手から一般のランナー(市民ランナー)までが参加できます。そこで起きること。ある人たちにとっては常識なのかもしれませんが、一般的には常識ではないことです。

 

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あるロードレース大会、40回を超える歴史ある大会で、オリンピアンが出場することもあります。強豪大学も出場するかなりレベルの高い大会です。

街中を走る1周5km、それを4周する20kmの日本陸上競技連盟公認コース、5kmの部、10kmの部もあります。

日本陸上競技連盟登録選手だけでなく一般のランナー(以下「市民ランナー」)も参加できる大会です。

今年の上位争いはオリンピアンと箱根駅伝のシード権を持つ大学、箱根駅伝の予選会で見事箱根駅伝の出場権を得た大学の選手たち、かなりのハイスピードのレースです。

周回コースなので同じ場所でもトップ争いを4回観戦できます。移動すれば周回の反対側に行くこともでき、そうすれば最大8回も観戦できます。

多くの市民ランナーは上位選手より周回遅れ(1周以上抜かされる)となり、抜かされる前の後ろから近づいてくる足音、抜かされるときに聞こえる息づかい、そしてスピード、抜かし去っていく選手の後ろ姿などを肌で感じることができるという貴重な経験もできる大会として知られています。

ラソン大会でトップの選手が折り返してきてすれ違うことはありますが、後ろから抜かれるというレースはかなり貴重だという市民ランナーの声が多数あります。

その迫力を楽しみに出場する市民ランナーもいます。

その市民ランナーも決して遅いわけでなく、20kmの制限時間が100分、1kmを5分以下のペース、マラソンで例えると3時間30分以内で走る位のスピードが求められます。

お祭り気分で走る選手がいないロードレース、まさに陸上競技です。

 

この大会の会場施設、男子用の更衣室として小学校の体育館が利用できます。

女子には小学校の校舎内に更衣室が設けられています。

自己管理、自己責任になりますが荷物を置いておくこともできます。

他に貴重品預かり所も設けられています。

雨天時にも困ることなく選手に好評な会場施設です。

 

男子更衣室、入口には「男子更衣室」という看板、そのわきには「女性立入禁止」の貼り紙もあります。

会場図にも「男子更衣室」と明記されています。

体育館で開放感がありますが、「男子更衣室」です。

その男子更衣室で問題が起きます。

その問題・・・女性が入り込んでいるのです。

その女性、実業団や大学のスッタフ(マネージャー)です。

実業団や大学だけの大会では当たり前のことなのかもしれませんが、市民ランナーもいる大会です。中には不快に感じている選手もいます。

その女性が入っている団体や本人たちに注意すると出て行ってくれます。

しかし残念なことにある実業団の監督が注意した競技役員に食ってかかったのです。構わないじゃないかと。

比較的若い監督、大会を主催する陸上競技協会の責任者(その若い監督も知っている重鎮です)から厳重注意されました。

この実業団、名前は聞きますが陸上競技の実力のほどは・・・
公式サイトをみると、「ニューイヤー駅伝全日本実業団対抗駅伝競走大会)」出場を目標とするチームのようです。
来年元旦のニューイヤー駅伝出場権は後わずかでしたが得られていませんでした。

監督の行為、選手のために熱くなり過ぎたのかも知れませんが、どうみても非常識なことです。選手を指導する立場の人の行為だとは思えません。

陸上競技の選手やスタッフは衣類などから所属団体名がわかります。

このときも周りにいる市民ランナーにはわかっているはずです。
企業としてもマイナスイメージです。

女性が男子更衣室にいる、実業団や大学だけの大会では当たり前のことなのかもしれませんが、一般的には非常識なことです。

他の参加者のことも考え、大会に臨んでほしいものです。

 

 

 

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競技の前の試走(流し)

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トラック種目の競技の前に試走(一般的には「流し」)を行うよう競技役員が指示することがあります。このことについて。

 

 

 

 

競技会の時、トラック種目の競技の前に試走(一般的には「流し」)を行うよう競技役員が指示することがあります。

400mまでの種目や4×400mリレーなどスターティングブロックを使用しスタートする種目では選手各自でスターティングブロックをセットし、その確認の意味もあるので多くの選手が試走を行います。

試走の距離なども選手それぞれです。

中には明らかに慣れていないため周りの様子を見てから行う選手もいます。

スターティングブロックを使用する場合、多くの競技役員は「(スターティング)ブロックをセットしてください」とか「(スターティング)ブロックを合わせてください」という言い方をします。中には「(レーンに)入ってください」と言うだけの競技役員もいます。

これらはスターティングブロックをセットして、試走をすることを意味しています。

周りを気にすることなく試走を行ってください。もちろん行わなくても構いません。

 

 

800mもレーンに分かれてスタートを行うときは同様に各自で試走を行います。

 


レーンに分かれてスタートを行う中長距離種目や4×400mリレーの第2走者~第4走者は、スタートの前に競技役員から「流して(試走して)ください」などと言われることがあります。

選手はその指示に従って試走(流し)を行います。


この試走(流し)、中には他の選手につられてかなり長い距離をかなり速い速度で走っている選手がいます。

例えばこれから4×400mリレーで400mを走るのに、そんなに長く、速く走って大丈夫なのかと思うような選手・・・

自分の出場する競技に合わせ、距離や速度を考えてください。

この試走(流し)、義務ではありません。
やってもやらなくても構いません。 

 

 

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スタートの時は動かない、じゃまになる所にはいない。

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スタートの時は動かない、じゃまになる所にはいない。これ競技中の選手に対することではなく周りにいる人のことです。

 

ある競技場、補助競技場(サブトラック)はありません。

サイドスタンドも無く、バックスタンド(芝生)に移動する時やウォーミングアップをバックストレートで行う時、トラックの直ぐ外側を通らなければならない競技場です。

当たり前のことですが、そこを通行している人は、そこが競技のスタート地点であるときは静かにし、移動をやめてその場で動かない、スターターの視界に入るなどじゃまになる所にはいないようにしなければなりません。

しかし多くの人がスタートが始まるときでも通行し、スターターの視界に入る所で見ていたりしています。

そのためスタートの前に移動させたり、離れた場所で待たせたりしなければなりません。

 

特に多いのは、フィニッシュライン付近でスタートする400m、400mH、800m、4×100mリレー、4×400mリレー、第3コーナー付近でスタートする200mのスタートの時です。

通行している人の中にはスタータから離れているため、スタートであること自体気付いていない人もいます。

トラックの脇を通行するときは、その辺りでスタートが行われていないか、スタートが行われていたら通行して良い時か、そこはいて良い場所なのかなどを考えてください。

これはそこを通行する全ての人に対することです。

この競技場のバックスタンド(芝生)は主に選手が控える場所に使われますが、時には保護者などがいるときがあります。その人たちも同じです。

 

これ応援のマナー、自分に関係する選手が出場していない競技やレース(組)の時も、スタートのときは静かにして他の人のじゃまをしないのと同じです。

競技場の構造が悪いのもありますが、競技役員が移動を促したり、静止させたりすることも多く、時にはスターターがスタート時に使うマイクで「トラックの外を歩いている人直ぐに移動してください」とか「スターターの正面にいる人、視界に入り選手が見にくいので移動してください」などと言うこともあります。

 

トラックの周りを歩く人もマナーを守りましょう。

 

でもこのマナー、守れている人もいます。以前に注意された人が正した場合もありますが、ある学校の選手は常にきちんとした行動をとります。
かなりの選手数の学校です。
指導者がきちんとしているのか、先輩から教わっているのか、気を配る人がいて仲間に教えているのかまではわかりませんが、気持ちの良いことです。

 

  

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飯塚翔太選手による「スピードアップ講座」

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リオデジャネイロオリンピック世界陸上ロンドンの男子4×100mリレーで銀メダル、銅メダルに輝いた日本代表チームの第2走者、飯塚翔太選手(ミズノトラッククラブ)による「スピードアップ講座」が開催されます。 

 

 

飯塚選手、昨年のリオデジャネイロオリンピックや今年の世界陸上ロンドンではリレーのメンバーとしてその活躍が注目されましたが、200mでは日本歴代2位の20秒11、100mでも10秒08(日本歴代9位)の記録を持つ選手です。

もちろん4×100mリレーの日本記録37秒60を樹立したメンバーのひとり、その飯塚選手による講座です。

 

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提供 ミズノ株式会社様 (パンフレットの電子データ化をご了承くださいました)

 

開催日:2017年11月23日(木・祝日)

会場:エスポートミズノ8階特設会場(東京都千代田区神田小川町3-1)

内容等:
第1部 12:30~13:30 対象 小学3~6年生30名
飯塚選手による、速くなるためのポイントをかけっこなど体を動かしながらレッスン!

第2部 15:00~16:00 対象 中学生・高校生25名
部活動生必見!飯塚選手による、現状より速くなるためのトレーニング法!

握手・サイン会 13:40~14:30・16:10~17:00
上記時間帯にエスポートミズノ全館で買い物された方(講座参加者以外の方も対象)

 

第1部・第2部の応募期限は11月19日(日)

応募者多数の場合は抽選です。当選者発表は11月20日(月)

 

応募は下記URLまたはQRコードの応募フォームより行えます。

http://www.mizuno.jp/campaign/shop/SPORT_20171123

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お問合せ先:エスポートミズノ2階ランニング売場 03-3233-7266

 

 

以前、飯塚選手による陸上競技教室に関わる機会がありましたが、内容も充実したもの、さらに飯塚選手の人柄の良さが伝わる素晴らしいものでもありました。

その時のことを記事にしています。 

 

私が注目するのは「教室」でなく「講座」であることです。

以前機会を持った陸上教室も思い返せば「講座」でもありました。

一般の人が受ける機会が少ない、トップアスリートによる講座です。

  

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