短距離を走った後に止まるとき、急ブレーキをかけるかのような止まり方をする選手がいます。止まり方について・・・
特に中高生の男子、それなりに走力がある選手に多いと感じます。
スピードを出して走り終えるとき、身体を後傾させて急ブレーキ。
筋力がある選手には何でもない行為かもしれませんが、この動き、とっても脚に負担が掛かっているのです。
無駄な負担は禁物です。ケガにつながることもあります。
練習時、大会のウォーミングアップ時、時には競技前のスターティングブロックのセット後に走る際にも急ブレーキをかけている選手を見かけます。
高校1年生に始めて指導するとき、私はこの止まり方のことを最も多く指導します。それまで指導されてこなかったということでしょうか?
これまで多くの指導者が指導している姿をみてきましたが、その中で、この止まり方を指導している人は片手で数えられる位しかいません。
先週、高校生のインターハイにつながる地区予選会の前日練習をみましたが、ある指導者が、「この場所は短いのだから、綺麗に止まれるまでの距離を考えて走るように」とすばらしい指導をしていました。その場所は、雨天走路という競技場の屋内練習場で、練習場の長さは66mしかありません。66m先は壁です。普段の練習場と同じ感覚で走っているとついつい急ブレーキとなってしまうようです。
他にも指導者が多数いましたが、そのような指導をしているのは見た限りその方だけでした。
急ブレーキの選手は、他にもたくさんいたのですが・・・
そのインターハイにつながる、ある地区予選会のある種目で優勝した選手のことです。高校入学直前にその選手の練習をみる機会があったのですが、その時にやはり最初に止まり方を指導しました。
その選手は、その指導の後は綺麗に止まるようになりましたし、他の場面、例えば競技前のスターティングブロックのセット時も無駄に力を使わないようにするなど、自ら工夫をしています。
素直に聞き、自分でも考えることができる選手は良い選手、すばらしいパフォーマンスを見せてくれる選手になります。
止まるときは距離を長くとって、徐々にスピードを落とす。それも綺麗なフォームで。私は大切なことだと思います。