うさりく先生の陸上教室

 

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陸上競技に関する情報や基礎知識を発信します。陸上競技を始めた人、もっと知りたい人、また、指導者の皆さんにも参考になるブログです。

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全中、全日本中学校陸上競技選手権大会への道のり

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日本陸上競技選手権、日本学生陸上競技個人選手権大会(個人インカレ)が終わり、高校総体インターハイ)出場者を決める地区大会も終了しました。全国小学生陸上競技交流大会の各都道府県代表選手選考会も各地で開催されています。そして中学生にとって国内最高の大会のひとつである全中、平成29年度全国中学校体育大会・第44回全日本中学校陸上競技選手権大会への出場を決める大会も各都道府県で既に始まっています。

 

 

 

平成29年度全国中学校体育大会・第44回全日本中学校陸上競技選手権大会(以下「全中」といいます)は、

平成29年8月19日(土)~22日(火)、
熊本県民総合運動公園陸上競技場 えがお健康スタジアム
で開催されます(19日は開会式のみ)。

全中・出場条件

大会要項では次のように書かれています(一部略)。

都道府県で行われる第63回全日本中学校通信陸上競技大会(以下「通信大会」という。)において,標準記録に到達した者。なお,災害等特殊事情で通信大会が実施できなかった都道府県は,平成29年5月24日(水)以 降,7月31日(月)までの大会で標準記録に到達した者。
都道府県で行われる中学校総合体育大会(各都道府県中学校陸上競技大会)において標準記録に到達した者。ただし,平成29年5月24日(水)以降7月31日(月)までの間に実施した大会とする。競技規定は通信大会に準ずる。
③四種競技は平成29年4月29日(土)以降,7月31日(月)までの間に行われた指定の競技会(通信大会・総合体育大会以外に一つの競技会とする。)において標準記録に到達した者。 競技規定は通信大会に準ずる。なお,四種競技のそれぞれの種目で標準記録を突破しても,単独種目の参加は認めない。
都道府県で標準記録の到達者が10名(男女合わせて)に満たなかった場合は推薦による男女計10名(男女比は問わない)以内の参加を認める。(ただし,一人1種目。四種競技を除く。)また,開催都道府県については,推薦による1名・1チームの参加を認める。(ただし,四種競技は除く)なお,推薦による参加の場合は一人1種目とする。(リレーは除く)

都道府県で開催される第63回全日本中学校通信陸上競技大会中学校総合体育大会(各都道府県中学校陸上競技大会)(以下「総体」といいます)で、標準記録に到達することです。

但し四種競技はこの2大会以外にひとつ競技会を設けても構わないのです。通信大会や総体に出場するために都道府県をいくつかの地域に分け予選会を行っていることが多く、その予選会を四種競技の全中出場権を得るための大会としていることがあります。

リレーに関しては、標準記録ではなく、通信大会、総体の結果で都道府県1チーム(学校単独チーム)を決めます。

大会要項中の④は特例ですので省きます。

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain 標準記録 

その標準記録は次表のとおりです。

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標準記録到達(突破)方式

標準記録到達(突破)方式でも、大会の指定がなくある期間内で出した公認記録が適用されるなら比較的到達し易いのですが、通信大会と総体の2大会での到達となると、選手のコンディションがいくら良くても、天候などの条件に記録が大きく左右されることがあります。
特に雨や風、雨の中ではウォーミングアップにも苦労します。身体を冷やさない対策 なども必要です。風は言うまでもなく、200mまでの種目では向かい風が吹く場合の影響は大きいものです。400m以上の周回競技でも風が強いと走るリズムを乱され記録が悪い時が多々あります。

逆に天候や風の条件が良く、好記録が多数出ることもあり得ます。

 

標準記録到達(突破)方式と勝ち上がり方式

全中標準記録到達(突破)で出場権が得られますが、インターハイ都道府県を細分化した地域予選、都道府県大会、地区(近畿地区、東海地区など)大会のそれぞれで上位何位あるいは何名が上位大会に進出できる勝ち上がり方式を採用しています。

勝ち上がり方式の場合、上位何位あるいは何名に入ることはものすごくたいへんなことですが、天候の影響はさほど関係ありません。記録到達(突破)ということもありません。
インターハイ本大会に進出する人数も決まっているため、インターハイでの競技日程も変更がほとんどなく、次ラウンド(予選→準決勝→決勝)への進出条件もほぼ決まっています。
但し、地区により記録のレベル差があり、ある地区でインターハイに進出できなかった選手の記録が他のある地区では進出できる記録であるといったことが起きます。現在それを目の当たりにするのが関東大会、関東は南北に分かれそれぞれからインターハイに進出します。その南北大会は同会場で同日に行われます。
インターハイ本大会でも種目内の記録差が大きくなることがあります。

一方、標準記録到達(突破)では、記録で選出されているためそれより記録が低い選手の進出はありません。ある意味平等な進出条件です。

しかし、標準記録到達(突破)者が多い場合、全中本大会でも予選組数が増え、次ラウンド(準決勝)への進出条件も厳しくなります。大半の選手が予選落ちとなってしまいます。
既に全中の競技日程案も公開されていますが、参加者数によっては変更となる場合もあり得ます。
このような種目については翌年以降標準記録の見直しが行われることがあります。

どちらの方式も良い点、悪い点があり、どちらが良いと決めるのは難しいことです。

全中進出の標準記録到達(突破)方式をインターハイのような勝ち上がり方式に変更するとなると、インターハイへの地区大会のような位置付けの大会を設ける必要も出てきます。

尚、現在は各都府県の通信大会や総体(どちらか一方の場合もある)の結果で進出者が決まる地区大会(近畿大会や関東大会など)も開催されています。その大会は上位大会へつながるものではありません。例えば関東大会の場合、各都県から1種目3名の代表選手が出場し、都県対抗戦としています。これも盛り上がる大会です。

 

全中へは標準記録到達(突破)、ひとりでも多くの選手に進出してもらいたいものです。

がんばれ若きアスリート!!

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

日本選手権から世界選手権へ。男子4×100mリレーはどうなるか。

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第101回 日本陸上競技選手権大会 兼 第16回世界陸上競技選手権大会(2017 /ロンドン)代表選手考競技会が終了、世界選手権の第1次日本代表選手発表が行われました。 注目された男子100mと200m、その代表選手も発表、世界選手権では個人種目も注目されますが4×100mリレー注目される種目です。

今回はその4×100mリレーについてです(リレー種目の派遣は、国際陸上競技連盟より参加有資格国の発表後に決定)。

 

 

 

短距離100mの代表選手(記録は資格記録)
サニブラウン アブデル ハキーム(東京陸協)10秒05
多田 修平関西学院大10秒08
ケンブリッジ 飛鳥Nike10秒08

短距離200mの代表選手(記録は資格記録)
サニブラウン アブデル ハキーム(東京陸協)20秒32
飯塚 翔太(ミズノ)20秒40

リレーの代表選手(記録は資格記録)
桐生 祥秀東洋大10秒04(100m)
藤光 謙司(ゼンリン)20.47(200m)
※リレー種目の派遣は、国際陸上競技連盟より参加有資格国の発表後に決定

各選手の資格記録は、日本選手権終了時点の今シーズン最高記録。
飯塚選手の100mの今シーズン最高記録は、10秒08です。

今シーズン最高記録の上位4名の記録は、
10秒04、10秒05、10秒08、10秒08、
合計、40秒25
100m平均10秒0625 です。

一方、昨年のリオデジャネイロオリンピックの日本代表選手のオリンピック時点のシーズン最高記録
山縣 亮太 10秒05
飯塚 翔太 10秒06※ 200mの記録を2で割った記録(100mより良いため=日本陸上競技連盟発行の陸上競技研究紀要でも同様の考え方)
桐生 祥秀 10秒01
ケンブリッジ 飛鳥 10秒10
合計、40秒22、
100m平均10秒0550、

昨年の日本選手権時点では、山縣選手10秒06 で他の選手は同記録、
合計、40秒23
100m平均10秒0575 です。

 

それぞれの日本選手権時点のシーズン最高記録上位4名の合計を比較すると、
昨年リオデジャネイロオリンピック代表選手)40秒23
今年(ロンドン世界選手権代表選手)40秒25
ほぼ同記録、わずか100分の2秒昨年の方が速いだけなのです。

 

f:id:usariku:20170504075658p:plain先日の日本選手権の100mでは、過去最高レベルのメンバーと盛り上がっていたのにほぼ同記録、昨年の方がわずかですが速いのですね?どういうことなのですか?

 

世界選手権の代表に選出される条件のひとつ100mの参加標準記録10秒12を切っている選手が日本選手権前まで4名いて、日本選手権の予選の記録でサニブラウン選手も加わり5名となりました。世界選手権に派遣される100mの人数枠は3名なので、その枠争いがし烈であったということです。
また100mの9秒台に手が届きそうな選手も多数となったために注目されたということです。

リレーはどんなに好記録を持っている選手が多くても、実際に走ることができるのは4名です。
その4名の比較なので昨年の方がわずかですが速いということです。

昨年のリオデジャネイロオリンピックの4×100mリレーでは全選手最高の走りができたため銀メダルというすばらしい結果になりました。
次の記事にリオデジャネイロオリンピックのリレーでの各選手のすばらしい走りについて書いています。 


ではリオデジャネイロオリンピックでのバトンパスはどうだったでしょう。世界一のバトンパスと言われていますが、あるバトンパスの評価方法では日本代表チームを上まわるチームがいました。バトンパスの方法が異なるのですが記録で上まわっていることには違いありません。そのことは次の記事です。 


では今年の世界選手権でのリレーはどうなるでしょうか?

ここからは個人的な考察です。

まず日本代表チームとして最も大きなことは、リオデジャネイロオリンピックですばらしい結果を出した経験です。この経験を活かし更にレベルアップした練習、バトンパスが行われることでしょう。

選手層の厚さ、日本選手権時点のシーズン最高記録で見ると、上位5名までが10秒08です。しかも3名が10秒08、この5名の中から4名が選ばれる可能性が高い、つまり選ばれるためには 他の選手より秀でている何かが必要になります。

最終オーダー(リレーのメンバーとその走順)はこれから世界選手権までの結果、世界選手権の個人種目での結果、バトンパスの技術、世界選手権時の調子など様々な要素で決まることになると思います。ここでも過去にないようなし烈なメンバー争いが展開されるものと想像します。今よりレベルアップが必要なのは選手自身が一番感じていることでしょう。

中でもサニブラウン選手、昨年までとは別人のような身体つき、そして軸がしっかりした走りになっています。課題だったスタートも良くなっており、まさに伸び盛りです。世界大会優勝の経験もあり更なるレベルアップが大いに期待できる選手です。
気になる点としては、世界選手権では個人種目の100mと200mの後にリレーがあります。200mで決勝まで進んだ場合、中1日でリレーです。他のリレーメンバー候補選手は個人1種目のみまたは個人種目がない選手です。サニブラウン選手は疲労回復など身体のケアが大きな課題になると思います。

多田選手も急成長してきた選手です。世界大会での経験という面での不安があります。
多田選手の低い鋭いスタート、一般的には低いスタートでは腹筋などの筋力への負荷が大きくなり、そのため後半の失速率が高くなることが多いといわれています。その克服が課題でしょう。
世界選手権の個人種目でどの程度のパフォーマンスが見せられるかも注目点です。

他の選手に関しては昨年のリオデジャネイロオリンピックを始め経験豊富です。後は世界選手権時に調子のピーク(頂点)を上手く合わせられるかということでしょう。


バトンパスに関しては、昨年オリンピックを経験したメンバーは良かった点や課題を身をもって体験しているのですから、それを活かすことが期待できます。

サニブラウン選手バトンパス、一部報道では上手くないといわれています。昨年までの高校のチームでのバトンパス、実際に競技場で何度か見ましたが確かに上手くないように見えます。

例えばバトンを受け取るとき思い切った加速ができていないように見えることもあります。でもそれは違うと私は思います。サニブラウン選手が所属していた高校、いわゆる強豪校でリレーでも好成績を出しています。でもサニブラウン選手ほどの走力、他のチームメンバーと差があります。そこに思い切れない事情があったのではないかと思います。

バトンを受け取る走者の走力と渡す走者の走力差が大きいとき、最悪追いつけないということが起きます。それを回避する安全策をとったとも考えられます。

日本代表チームでは走力差を心配する必要はありません。
更に今年のサニブラウン選手は昨年までと違い、加速力もかなり向上しています。
日本代表チームの中でのバトンパス、当然練習が大いに必要ですが、全く心配ないと思います。

多田選手に関しては、所属する大学が採用しているバトンパスが日本代表と同じアンダーハンドパス。今年関西大学新記録(39秒11)を樹立したチームです。その第2走者を務めておりバトンを受ける渡すの両方の経験も豊富です。
日本代表チームと比べるとチーム走力はかなり落ちますが、走力差がほとんどない日本代表チームでのバトンの方がやり易いのではないかと思います。

 

選手層が厚く走力やバトンパス技術の更なる向上も期待できる世界選手権日本代表チームリオデジャネイロオリンピックを上まわる記録は大いに期待できると思います。 

 

世界選手権男子4×100mリレーは大会9日目現地時間で8月12日10時55分に予選、21時50分に決勝(日本時間、予選8月12日18時55分、決勝8月13日5時50分) が予定されています。

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

小学生にスパイク、履くなら適切なものを・・・

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小学生がスパイクを履くことやスパイクの選び方について以前記事を書きましたが、先日小学生の都道府県レベルの大会で履いているスパイクをみたらやはり問題があると感じました。

 

 

 

上級者モデルのスパイクを履いている小学生が多いのです。

上級者モデルは良い商品だから問題ないと考えているのかもしれませんが、違います。小学生にとっては問題だらけです。

確かに上級者モデルのスパイクを履くと、一般的にはより速く走れ、より遠くまたより高く跳べると考えられます。
しかし、大きなリスクもあります。

以前にも関係する記事を書いていますが、更に詳しく書きます。


小学生にスパイクが必要か否かについては次の記事をご覧ください。


スパイクを履かせると決めた場合の、選び方を書いた記事がこちらです。 

 

モンド・セレクション受賞!せのびとーる

 

スパイクを履くとなぜ足に負担がかかるのか

 

過去の記事の中でスパイクを履くと足に負担がかかると書いています。
その理由を詳しく説明します。

f:id:usariku:20170418121827p:plain 陸上競技のスパイクのピンは刺さらない!


ここでは競技会で使用する機会が多い、土ではない全天候型の競技場オールウェザートラック)というゴム状の素材でできた競技場の場合で、ピンの先端が尖(とが)っていないものについての説明です。

スパイクにはピンがついています。
このピン、トラックに刺さっているように思われることが多いのですが、表面を押しているだけなのです。そうです刺さってはいないのです。

 

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実は刺さっていると抵抗が少ないのですが、押していると抵抗が大きくあります。

仮に、スパイクを履いて砂の上に飛び降りたとします。ピンはスパッと刺さり脚にほとんど衝撃はありません。一方、硬い地面に飛び降りたとすると、ピンは刺さることなく脚に大きな衝撃がくるのは想像がつくと思います。

トラックの表面は弾力性があるので、硬い地面よりは衝撃は少ないのですが、刺さっているのではなく押しているだけなので脚への衝撃があります。
脚はその衝撃に耐えなくてはならず、走っている間は繰り返しその衝撃を受けているのです。

このことを以前の記事では足への負担と表現しています。

足だけではなく脚全体、場合によっては腰など身体の他の部分への影響もあり得ます。

この衝撃を、上級者(大人)は反発として速く走るために利用します。筋力や、きちんと地面をとらえるなどの技術力があるからできることなのです。

ピンの長さも、長いほど地面を押す大きな力、大きな衝撃に耐える力が必要になります。仮に小学生が使うなら、短い5mmを使用すべきと以前の記事で書いたのは、少しでも力を必要とせず、衝撃を減らすということが理由です。

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain 短距離専用スパイクの踵が薄く、靴底は硬い!


上級者向けのスパイクなら、あるいは高価なものなら大丈夫じゃないのと思うかも知れませんが、それは逆で更に負担は増えます。 

高価なもの=上級者モデル=足にかかる負担が大きい=小学生には不向き

と考えましょう。

上級者モデルの多くは種目別専用スパイクです。
小学生が誤って履いている多くは短距離専用スパイクです。

その上級者モデルの短距離専用スパイクは、踵(かかと)部分が薄く靴底が硬めにできていることが多いです。これは、速く走るために地面の反発をより多くもらうためです。
別の見方をするとこういうことです。

・クッション性が小さいため地面についたときの衝撃は大きい

・足裏の動きを抑えている状態になるので足の疲労は大きい

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain マジックベルトは簡単に履くことが目的ではない!


中にはマジックベルトだけで固定できる上級者向けスパイクもあります。

これは、簡単に履くことが目的ではなく、必要な個所をしっかり固定することを目的にしたものです。

確かに簡単に履けます。小学生でもこの種のスパイクを選んでいる人を多く見ますので、意味を取り違えているのではないかと想像します。

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain 上級者モデルのスパイクは小学生には負担!


筋力や競技力などが高い上級者(大人)は、踵が薄い、あるいは靴底が硬いことを利用して走力を上げるために上級者モデルを利用することができます。

しかし、小学生には負担以外の何ものでもありません

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain 短距離専用スパイクは跳躍では使えない!


上級者モデルの多くは種目別専用スパイクです。中には短距離専用のスパイクで走幅跳を行っている小学生も見かけます。
走幅跳のスパイクは踏み切り時の衝撃を吸収するため、また踵が踏み切り時に滑らないよう、踵が厚く平たい必要があります。短距離用とは真逆です。
誤って履いて、踏み切り時に滑って大けがをした選手を見たこともあります。

 

主要メーカーであるアシックスミズノは、初心者向けのスパイクを出しています。短距離から中距離、フィールド競技(走幅跳走高跳等)まで幅広く使用でき足への負担も他の商品と比べ少ないものです。

  

   

 

小学生はスパイクを履かない方がいい。履くなら適切なものを!

 

私は、できれば小学生はスパイクを履かない方がいいと考えています。
筋力や技術力が充分に付いていない、成長期のデリケートな足に負担をかけたくないからです。

小学生の場合、スパイクを履くか履かないかは、お子さんの希望だけで決めるべきではありません。親御さんがよく考えて判断すべきです。

上級者モデルのスパイクは、色やデザインがカッコいいものが多数あります。初心者モデルはそれに比べると選択肢が少ないのは事実です。見た目から上級者モデルを欲しがることがあるようです。

でも購入する場合は初心者向きを選ぶようにしてください。

 

上級者モデルのスパイクを履いている選手の中には、過去小学生の全国大会に選手を多数進出させているクラブチームに所属している選手もいます。
競技に対する指導経験が豊富な指導者が指導している選手や、自身が優れた競技実績を持っている指導者が指導している選手もいます。 

しかし、実際に上級者モデルのスパイクを履いている選手を多数見るのです。

その指導者たちは残念ながらそのリスクを知らないのか、あるいは知っていても選手に結果を出させたいために危険をおかすようなことをしているのか、先日の大会で改めて疑問に思いました。

選手は子どもです。説明してもわからないことが多々あります。
保護者も知っておくべきことだと思います。

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170517002941p:plain

全国小学生陸上競技交流大会・代表選手選考会

f:id:usariku:20170504075658p:plain日本選手権が盛り上がりました。
中学生や高校生、大学生には全国大会がありますが、小学生にも全国大会があるのでしょうか?

 

 

 

小学生にも全国大会があります。

全国小学生陸上競技交流大会という夏の大会と全国小学生クロスカントリーリレー大会という冬の全国大会があります。日本陸上競技連盟主催の大会です。

どちらの大会も都道府県代表選手やチームが出場する大会で、今の時期夏の全国小学生陸上競技交流大会の都道府県代表選手選考会が開催されています。

 

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全国小学生陸上競技交流大会は今年第33回大会で8月19日に神奈川県の日産スタジアムで開催されます。

実施種目は、男女それぞれ、5年100m6年100m5・6年80mH5・6年4×100mリレー5・6年走高跳5・6年走幅跳5・6年ジャベリックボール投です。
100mは学年別種目、その他は5・6年生のどちらが出場しても構わない種目です。

ハードルは80mで、スタートから1台目まで13m、ハードルの高さ70cm、ハードル間の距離7m、ハードルの台数9台、最終ハードルからフィニッシュ11mで行われます。

走高跳はさみ跳び、マットへの着地は足裏からで、背、腰等からの着地は無効試技となります。

ジャベリックボール投とは、小さなラグビーボール状のもの(ソフトな素材)に羽がついたものです。
以前はソフトボール投でしたが、昨年からジャベリックボール投にかわりました。
うまく回転させて投げないとほとんど飛びません。小学生の陸上競技の練習でも人気がある種目です。

 

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この大会、都道府県から1種目1名(1チーム)しか出場できず、同じ選手の個人種目とリレーの両方への出場も認められていません
かなり狭き門を突破しなければ出場できない大会なのです。

 

その全国大会の大会記録(第32回大会終了時点)

<男子>
5年100m、12秒51
6年100m、11秒90
5・6年80mH、11秒71
5・6年4×100mリレー、48秒65
5・6年走高跳、1m58
5・6年走幅跳、5m74
5・6年ジャベリックボール投、57m34

<女子>
5年100m、13秒32
6年100m、12秒73
5・6年80mH、12秒22
5・6年4×100mリレー、50秒99
5・6年走高跳、1m47
5・6年走幅跳、5m15
5・6年ジャベリックボール投、54m83

かなりハイレベルな記録です。

 

写真は男子5・6年80mH決勝スタート前(代表選考会)

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昨日まで行われた日本選手権の男子100m200m二冠に輝いた、サニブラウン アブデル ハキーム選手小学6年生の時、東京都代表選手として男子4×100mリレーで全国小学生陸上競技交流大会に出場しています。

小学生の大会は、選手の数より応援の家族の数の方が多く、たいへん盛り上がります。

日清食品ホールディングス株式会社が協賛しており、代表選考会(東京都の場合)では日清食品製品が参加賞としてもらえます。
かわいい袋に人気があります。

 

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がんばれ小さなアスリート!!

 

小学生に関する記事、こちらもお読みください。 

 

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170517002941p:plain

 

 

日本選手権、最終日最終種目 男子200m決勝 勝つのは誰か・・・

f:id:usariku:20170423225103p:plain第101回 日本陸上競技選手権大会 兼 第16回世界陸上競技選手権大会(2017 /ロンドン)代表選手考競技会、いよいよ最終日となりました。今日は100mに続く注目の男子200m決勝です。

 

 


大会は最終日。

昨日は、大注目の男子100m決勝で、サニブラウン アブデルハキーム選手(東京陸協)が、10秒05(+0.6m)の大会タイ記録という好記録で優勝しました。

インタビューではレースを楽しみに臨んだと言っていました。実力もついてきたのでしょうが、その楽しみという気持ちも勝因のひとつではないでしょうか。

しかも決勝出場選手中、準決勝より記録を上げてきたのはサニブラウン選手だけ、素晴らしいことだと思います。
直前の豪雨、競技中は小雨になりましたが万全のコンディションではない中でのことです。

 

さて今日は男子200m決勝です。

この種目も200mのスペシャリストと呼ばれる選手が決勝に進出してきました。

本来200mが得意と言われてきたサニブラウン選手も出場予定です。昨日の100m優勝で気持ちも楽になったのではないでしょうか。

スタートリストを見ても資格記録上位5名が入っています。

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今月100mで10秒08の自己記録を樹立した飯塚選手、その記録を上回る10秒05を昨日記録したサニブラウン選手の一騎打ちか?

それに藤光選手、100mの準決勝を欠場して200mに臨む高瀬選手がからんでくるか。

200mの19秒台も期待できるメンバーです。

男子200m決勝、本日17時50分競技開始時刻です。

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

第1位決定戦 ~走高跳・棒高跳のジャンプオフ~

f:id:usariku:20170504075658p:plain日本選手権の女子走高跳、第1位決定戦ということを行っていましたが、どのようなものなのですか?

 

走高跳棒高跳の高さを競う種目はたびたび同記録、同順位になることがあります。

まず、走高跳棒高跳の高さを競う種目(ルールでは垂直跳躍)には、

競技会が始まる前に審判員主任は、競技者に最初の高さと、優勝が決まって一人だけになるまで、あるいは第1位決定のための競技者が決まるまでの、各ラウンド終了後に上げられるバーの高さを告知しなければならない。
(第181条1)

というルールがあります。
これは、競技の最初の高さとその後何cmずつバーを上げるかを競技会が始まる前に決めて告知しなければならないということです。
例えば走高跳で、競技の「最初の高さが1m65、次から1m70、1m74、1m77、1m80、1m82で以降は2cmずつ」というようにです。
告知はほとんどの場合、競技注意事項への記載で行われます。

そして競技の結果、同順位となったとき 

第1位に関する場合を除き、同成績の競技者は同順位とする。

というルールで第1位以外の同成績は同順位となります。

第1位の扱いをルールでは、 

第1位に関して、これらの競技者間のジャンプオフは、事前に公表された競技会で適用される競技規則の中で、あるいは競技会開幕後、しかしその種目開始前に技術代表、技術代表が指名されていない場合は審判長によって、実施しないとの取り決めがない場合は第181条9に従って行われる。

としており、簡単にいうとその種目の競技開始前までに第1位決定戦(これを「ジャンプオフ」といいます。第1決定のための試技を行うことです)を行わないと決められていない限りは第1位決定戦を行うということです。行う場合の方法は次のルールに則って行わなければなりません。

但し、該当する競技者全員がこれ以上跳躍を行わないと決めたときジャンプオフを行わないとなり同成績で第1位となります。

第181条

ジャンプオフ(第1 位決定戦)
9. ⒜  当該競技者は決着がつくまで、あるいはすべての当該競技者がこれ以上跳躍しないと決めるまで、すべての高さで跳躍しなければならない。
⒝ 各競技者の各高さでの跳躍は1回とする。
⒞ ジャンプオフは当該競技者が最後に越えた高さの第181条1によって上げた次の高さから始める。
⒟ もし決着がつかない場合、すなわち二人以上の競技者が成功した場合はバーを上げ、全員が失敗した場合はバーを下げ、その上げ下げの幅は走高跳で2㎝、棒高跳で5㎝とする。
⒠ もし跳躍しない競技者がいた場合は自動的により高い順位になる権利は剥奪される。その結果一人の競技者だけが残った場合は、たとえその高さを試みなくとも、その競技者が勝者となる。

ジャンプオフでは、当該競技者は決着がつくまでか、あるいは全ての当該競技者がこれ以上跳躍しないと決めるまでは、パスなどできず、全ての高さで跳躍を行わなければなりません。

各高さでの跳躍は1回です。

ジャンプオフを行う前、同順位となった際に最後に跳べた高さの次の高さ(前述のルール第181条1によって決まった高さ)からジャンプオフは始めます。

その高さを跳んだ競技者が2名以上いるときはバーを上げ、全員失敗したときはバーを下げます。その上げ下げの幅は走高跳は2cm棒高跳は5cmです。

もし跳躍しないという競技者がいたらその選手は高い順位になることはできず、その結果残りの競技者がひとりとなった場合は、その一人となった競技者はその高さを試みなくても第1位となります。

例えば、A・B・Cの3選手が1m77の記録で第1位、同順位となったとします。
この3名でジャンプオフを行います。
1m77の次の高さは1m80です。この高さを3人が1回ずつ跳びます。
AとBが跳べ、Cが跳べなかったとします。これでCの第3位が決まります。
AとBが跳べたので2cm上げて1m82に挑戦します。
両名ともに跳べました。更に2cm上げて1m84にします。
今度は両名跳べませんでした。2cm下げて1m82にします。
Aが跳べ、Bが跳べませんでした。
これでAの第1位、Bの第2位が決まりました。

このように最後のひとり、つまり第1位がひとりになるまで繰り返します。

ジャンプオフで跳んだ記録がジャンプオフ開始前の記録を上回った時は、

競技成績
各競技者はそれぞれが行ったすべての試技のうち最もよかった記録で評価されるものとし、走高跳棒高跳の場合、同成績となった競技者が1位決定のために行った追加試技も含む。

というルールで上回った記録が競技結果となります。


昨日の日本選手権の女子走高跳、1m77で第1位が2名となりました。その後のジャンプオフ、次の高さの1m80で決着がつきました。1m80を跳んだ仲野春花選手(早稲田大学)が見事優勝となりました。おめでとうございます。

ジャンプオフ、時には2名なのに10回以上上げ下げを繰り返すこともあります。
観ている方は面白いのですが、やる方はかなり疲れ、精神的にもきつそうです・・・

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組み分け・レーンはどのように決まるのか

f:id:usariku:20170504075658p:plain日本選手権やオリンピックなどを見ていると優勝候補といわれている選手たちが予選から同じ組になるのをほとんど見ません。
決勝では優勝候補の選手が真ん中辺りのレーンであることが多いようです。
組み分けやレーンの決め方、何か決まりがあるのですか?

 

 

決まりがあります。ルールで定められています。

ここでは、100mから800mまで、また4×400mまでのリレーの場合を説明します。レーンに分かれてスタートを行う競技です。

レーンの決め方は予選から準決勝に進出の場合を例に説明します。

準決勝から決勝、準決勝がなく予選から決勝の場合も組数や進出条件などに変わりがあるだけで考え方は同じです。

組み分けの方法や次ラウンドへの進出については前の記事日本選手権~注目の男子100m・次ラウンド進出条件と組み分け~と重複する部分がありますが、本記事の方が更に詳しい内容です。既にご理解いただいている場合は読み飛ばして「レーンの決定方法」に進んで頂いても結構です。

 

予選の組み分けの方法 

 

予選の組み分けは主催者が決めることができます。

資格記録がある場合の予選の組み分けは、一般的にエントリー(申し込み)選手の資格記録上位からジグザク配置という方法で行うことが多いので、資格記録が良い選手同士が同組になることはほとんどありません。

f:id:usariku:20170418121827p:plain 資格記録とは

ルールでは「競技者が予め決められた期間内に達成された当該種目の有効な記録」と書かれています。

その大会に出場するために参加標準記録の設定がある場合はそれをクリアした公認記録(期間内の最高の公認記録)で、それが確かか確認できる資料(記録証など)の提出を求められることがあり、大会運営側での審査も行われます。

f:id:usariku:20170420180429p:plain参加標準記録・・・大会で定められた記録。決められた期間内にそれ参加標準記録以上の公認記録を出していると出場資格が得られる。

インターハイのように下位大会から勝ち上がってくる場合はその下位大会での記録を資格記録とします。決勝の記録であったり、その下位大会での最高記録であったり、追い風参考記録も認められるなど様々なケースがあります。

特段定めがない場合は自己記録を資格記録とする場合もあります。その種目に初めて申し込むなど公認記録を持たない場合は推定記録で良い場合もあります。

一般的に大会の参加申込書(紙ではなく電子データの場合がほとんど)に資格記録という欄があり記入(入力)するのですが、資格記録といっても上記のように大会により様々です。また、記入しなくてよい大会もあります。記入がない場合はランダムに組み分けを行います。

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain ジグザグ配置とは

ジグザグ配置はルールにも出てくる表現です。

次の表のように例えばA組、B組、C組の3組があったとすると、資格記録1位がA組、2位がB組、3位がC組、4位がC組、5位がB組、6位がA組というようにジグザグに配置することをいいます。表の下の矢印が示すように左側から上位、ジグザグに配置しています。

 

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A組、B組、C組と表現しているのはこの順番で1組、2組・・・となるのではないからです。それぞれ何組になるかは抽選で決めます。

予選の組み分けは主催者が決めることができますが、ルールではジグザグ配置の利用を推奨しています。ただし配置した結果、所属(チーム)が同じ選手が同じ組になった場合は可能な限り別の組にすることが望ましいとされています。

この予選の組み分けの方法は、大会(競技会)のように順位を決めるときに多く用いられるものです。記録会のように順位決めを行うのではなく記録を出させることが目的の場合や、1ラウンドで順位を決める、例えば全組の記録上位順に順位付けするタイムレース決勝と呼ばれる場合は異なる方法がとられることがあり、資格記録の上位順など走力が近い選手を同じ組にするような組み分けを行うことが多くあります。

 

予選から準決勝への進出

 

例えば予選から準決勝進出の条件が「6組-2着+4」(6-2+4)となっているとします。まずこの表現の意味を説明します。

この場合、予選の組数は6組です。
その各組の上位2着の選手と、3着以下の選手全体から記録上位4位の選手、計16名が次ラウンドの準決勝に進出できる、ということです。

もし仮に2着の選手が2名いる(1000分の1秒まで同じ記録)組があったら、その組は1着の選手と、2着の選手2名合わせて3名が上位2着となるので、3着以下の記録上位4名は3名に減ります。結果的に「6組-2着+3」となるのです。

また、3着以下で記録上位4位の選手が2名いたら(1000分の1秒まで同じ記録)上位1から3位までの3名と、4位の2名、計5名が準決勝に進め、準決勝進出者は計17名になります。
ただし、8レーンまでしかない競技場の場合は4位の2名で抽選を行い1名を決めます。


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準決勝の組み分けの方法 

  

まず、予選の結果ランキングを決めます。ルールではランク付けと書かれています。

例えば予選が6組ある場合、1組から6組の各組1着どうしの記録を比較し、ランキング1位から6位を決めます。

次に1組から6組の各組2着どうしの記録を比較し、ランキング7位から12位を決めます。各組内の順位が優先され、例えば1組の1着の記録より2組の2着の記録が良くても、2着であるためランキングは下位になるのです。

そして、「6組-2着+4」の「+4」の部分、3着以下記録上位4名の記録によりランキング13位から16位が決まります。

このように決められたランキングによってジグザク配置で組み分けを行います。

この場合も配置した結果、所属が同じ選手が同じ組になった場合は可能な限り別の組にすることが望ましいとされています。

この組み分け方法はルールで決まっています。

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A組、B組と表現しているのはこの順番で1組、2組となるのではないからです。それぞれ何組になるかは抽選で決めます。

 

 

 

レーンの決定方法

 

組み分けが終わればレーンを決めます。

レーンの決定についてのルールです。

レーンの決定
100mから800mまで、また4×400mまでのリレー競走で複数のラウンドが行われる場合は、そのレーン順は下記によって決める。
⒜ 最初のラウンドと第166条1に示す予備予選ラウンドにおいて、レーン順は全員(または全チーム)を抽選で決める。
⒝ つぎのラウンドからは第166条3⒝ⅰまたは第166条3⒝ⅱで示された手順により、各組終了後、競技者はつぎのようにランク付けされ三つのグループに分けて抽選される。
上位グループ4人(または4チーム)が3,4,5,6レーンを、それに続く5・6番目の中位グループ2人(または2チーム)が7,8レーンを、下位グループ2人(または2チーム)が1,2レーンを抽選する。


このルールは8レーンの競技場の場合です。9レーンの場合は1レーンを空け、外に1レーンずれます

 

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予選は抽選でレーンを決めます。ルールの(a)です。

抽選はコンピュータが行ない、レーンを割り振ります。レーンの割り振りの抽選に競技者が関わる(行なう)ことはなく、競技会運営者側が行なうものです。以下に出てくる抽選は全て同じです。

準決勝や決勝はその前のラウンドの結果ランキング付けがされ、その上位4名が3~6レーン5位6位が7、8レーン7位8位が1,2レーンで、その分けた中でどのレーンになるかは抽選によります。ルールの(b)です。「第166条3⒝ⅰで示された手順により、各組終了後」が前述の「予選から準決勝への進出」や「準決勝の組み分けの方法」に記載した内容です。「第166条3⒝ⅱ」は100m~800m(4×400mリレーを含む)以外の種目のことです。
 
上の組み分けの説明の部分で出てきた表をもう一度見てください。 

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この表を例にすると、A組ではランキング上位4名、ランキング1,4,5,8の4名が3~6レーンでそのレーン内のどこかは抽選、ランキング中位2名、ランキング9,12の2名が7、8レーンでそのレーンのどちらかは抽選、ランキング下位2名、ランキング13,16の2名が1、2レーンでそのレーンのどちらかは抽選。このように決まります。

一般的には3~6レーン、つまり上位4名のレーンをシードレーンと呼びます。


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f:id:usariku:20170420180429p:plain1964年の東京オリンピック、男子100mで優勝したアメリカのボブ・ヘイズ選手は、土のトラックで1レーンという悪状況(1レーンは中長距離種目などで多くの選手が走り荒れている)にもかかわらず、10秒0という当時の世界タイ記録を樹立しました。当然その前のラウンドも1着でした。
レース前に1レーンであることにアメリカチームからクレームが出たという話もありますが、当時は現在のようなレーンを決めるルール、シードレーンという考え方がなかったのです。

 

一般的に組み分けからレーン決めのことを番組編成といいます。

この番組編成の作業かなり複雑ですが今ではほぼ全てをコンピュータが行います。そのコンピュータのシステムを競技運営システムと呼びます。

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日本選手権~注目の男子100m・次ラウンド進出条件と組み分け~

f:id:usariku:20170423225103p:plainいよいよ明日から日本陸上競技選手権大会が開催されます。注目の男子100mの次ラウンド進出条件と組み分けについての説明です。

 

進出条件や組み分け方法は日本選手権に限ったことではなくルールに規定されていることも含まれますので参考にしてください。100m~800m(4×400mリレーを含む)が対象です。

男子100mは、23日(金)に予選と準決勝が行われ、24日(土)に決勝が行われます。

予選23日16時25分に競技開始、
準決勝は同日23日の20時35分に競技開始です。

決勝は24日の20時38分に競技開始です。

 

予選から準決勝への進出条件

 

タイムテーブルには、「6組-2着+4」(6-2+4)と書いてありますが、その意味が分からない方のために解説します。

予選のエントリー選手数は43名、6組のレースです。
その各組の上位2着の選手と3着以下の選手全体から記録上位4位の選手の計16名が次ラウンドの準決勝に進出します。これを「6組-2着+4」(6-2+4)と表現します。

もし仮に2着の選手が2名いる(1000分の1秒まで同じ記録)組があったら、その組は1着と、2名の2着を合わせて3名が上位2着となりますので、3着以下の記録上位4名は3名に減ります。
また、3着以下記録上位4位の選手が同タイムで2名いたら、上位1から3位までの3名と4位の2名、計5名が準決勝に進め、準決勝進出者は計17名になります。
開催会場のヤンマースタジアム長居は9レーンあるのでそれが可能です。
(9レーンない競技場では該当選手で抽選となります。)

準決勝から決勝への進出条件

 

タイムテーブルには、「2組-4着」(2-4)と書いてあります。

準決勝は2組、準決勝から次のラウンドである決勝に進出できるのは各組上位4着の選手ということです。

もし仮に4着の選手が2名(1000分の1秒まで同じ記録)となった場合は、9名での決勝となります。(9レーンない競技場では該当選手で抽選となります。)

 

 

予選や準決勝の組み分けの方法 


f:id:usariku:20170418121827p:plain予選の組み分け

予選の組み分けは主催者が決めることができます。


一般的には資格記録がある場合は予選の組み分けは、エントリー選手の資格記録上位からジグザク配置という方法で行うことが多いので、資格記録が良い選手同士が同組になることはほとんどありません。

ジグザク配置とは、ルールブックにも出てくる表現です。

次の表のように例えばA組、B組、C組の3組があったとします。資格記録1位がA組、2位がB組、3位がC組、4位がC組、5位がB組、6位がA組というようにジグザグに配置することをいいます。表の下の矢印が示すように左側から上位、ジグザグに配置しています。
この例ではA組、B組、C組の3組ですが、今回の日本選手権の予選のように6組あれば、D、E、F組と更に配置していきます。

 

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A組、B組、C組と表現しているのは、この順番で1組、2組・・・となるのではないからです。それぞれ何組になるかは抽選で決めます。資格記録が1位の人が1組目、2位の人が2組目、という決め方ではないということです。

尚、これは組み分けの方法で、組内のどのレーンを走るのかは別に決め方がありますが、それは別の記事組み分け・レーンはどのように決まるのかで詳しく説明します。

  

また、予選の組み分けは主催者が決めることができますので、今回の日本選手権で必ずしもこの方法を採用しているとは限りませんが、ルールではジグザグ配置の利用を推奨しています。ただし配置した結果、所属(チーム)が同じ選手が同じ組になった場合は、可能な限り別の組にすることが望ましいとされています。

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain 準決勝の組み分け

まず予選の結果ランキングを決めます。

今回の日本選手権は予選が6組ありますので、1組から6組の各組1着どうしの記録を比較し、ランキング1位から6位を決めます。

次に1組から6組の各組2着どうしの記録を比較し、ランキング7位から12位を決めます。各組内の順位が優先され、例えば1組の1着の記録より2組の2着の記録が良くても、2着であるためランキングは下位になるのです。

そして、「6組-2着+4」の「+4」の部分、3着以下記録上位4名の記録によりランキング13位から16位が決まります。

 

このように決められたランキングによってジグザク配置で組み分けを行います。

ただしこの場合も所属が同じ選手が同じ組になった場合は可能な限り別の組にすることが望ましいとされています。

この組み分け方法はルールで決まっています。

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A組、B組と表現しているのは、この順番で1組、2組となるのではないからです。それぞれ何組になるかは抽選で決めます。
これも組み分けの方法で、レーンは別に決め方があります。

 
 

 

予選の戦い方

 

準決勝の組み分けは、予選の順位や記録で決まりますので、準決勝の一方の組に自己ベスト記録が上位の選手が集まってしまうこともあり得ます。

そうなると一方の組の4着の記録より、もう一方の5着の記録の方が良いのにその5着の選手が決勝に進めないということも起こります。 

ですから、よほど確実に決勝に進める力を持っている選手でなければ、予選から余力を残して走ることはできません。

今大会のようにレベルの高い均衡した走力の選手が多数エントリーしている場合、その選手達も準決勝をどのような組で戦いたいと考えているかで予選の走りが変わってくることもあります。予選は余力を残すか、それとも全力か・・・

 

いよいよ明日からとなりました。

本日10時選手受け付け開始、参加選手はナンバーカードやプログラムを受け取ることができるため、スタートリスト(予選の組み分け)も明らかになります。

100mの9秒台、 200mの19秒台、はたして出るでしょうか。

男子200mの予選は24日17時、決勝は25日17時50分競技開始です。


本記事で取り上げた組み分けの方法、大会(競技会)のように順位を決めるときに用いられるもので、記録会のように順位決めを行うのではなく記録を出させることが目的の場合は異なる方法をとることがあります。資格記録の上位順など、走力が近い選手を同じ組にするような組み分けを行うことが多いです。

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急停止はやめよう!!~短距離を走った後の止まり方について~

f:id:usariku:20170423225103p:plain短距離を走った後に止まるとき、急ブレーキをかけるかのような止まり方をする選手がいます。止まり方について・・・

 

 

 

特に中高生の男子、それなりに走力がある選手に多いと感じます。
スピードを出して走り終えるとき、身体を後傾させて急ブレーキ

筋力がある選手には何でもない行為かもしれませんが、この動き、とっても脚に負担が掛かっているのです。
無駄な負担は禁物です。ケガにつながることもあります。

練習時、大会のウォーミングアップ時、時には競技前のスターティングブロックのセット後に走る際にも急ブレーキをかけている選手を見かけます。

高校1年生に始めて指導するとき、私はこの止まり方のことを最も多く指導します。それまで指導されてこなかったということでしょうか?

これまで多くの指導者が指導している姿をみてきましたが、その中で、この止まり方を指導している人は片手で数えられる位しかいません。

先週、高校生のインターハイにつながる地区予選会の前日練習をみましたが、ある指導者が、「この場所は短いのだから、綺麗に止まれるまでの距離を考えて走るように」とすばらしい指導をしていました。その場所は、雨天走路という競技場の屋内練習場で、練習場の長さは66mしかありません。66m先は壁です。普段の練習場と同じ感覚で走っているとついつい急ブレーキとなってしまうようです。

 

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他にも指導者が多数いましたが、そのような指導をしているのは見た限りその方だけでした。
急ブレーキの選手は、他にもたくさんいたのですが・・・

そのインターハイにつながる、ある地区予選会のある種目で優勝した選手のことです。高校入学直前にその選手の練習をみる機会があったのですが、その時にやはり最初に止まり方を指導しました。

その選手は、その指導の後は綺麗に止まるようになりましたし、他の場面、例えば競技前のスターティングブロックのセット時も無駄に力を使わないようにするなど、自ら工夫をしています。

素直に聞き、自分でも考えることができる選手は良い選手、すばらしいパフォーマンスを見せてくれる選手になります。

止まるときは距離を長くとって、徐々にスピードを落とす。それも綺麗なフォームで。私は大切なことだと思います。

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170517002941p:plain

最終種目、そして戦いの後 ~インターハイ地区予選会 終了~

f:id:usariku:20170423225103p:plainインターハイ地区予選会が終了しインターハイの出場権を手に入れることができた選手が決まりました。

 

各地で繰り広げられた地区予選会、その中のひとつ関東高等学校陸上競技大会も6月19日、トラック競技は南関東地区予選会の男子4×400mリレー決勝で幕を閉じました。

南関東地区予選会男子4×400mリレー決勝のフィニッシュ

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競技に向かう全選手招集所と呼ばれるところで最終点呼を受けます(混成競技の各日2種目以降や2種目を同時にかねて出場する選手は除く)。

また競技に向かう選手が競技前、監督やコーチ、チームメイトなどと最後に直接話ができるのもこの場所です。

フィールド種目は競技中に監督やコーチから指示を受けることができますが、トラック種目の場合は招集所を出た後はひとり(リレーの場合はチーム)で戦うしかないのです。

この競技期間中はにぎわう招集所も役目を終え、閑散としています。
その人気がない招集所を見た時、長い戦い、インターハイへの道のりが終わったのだと改めて感じる瞬間でもありました。

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見事に出場権を得た選手の次のステージは、インターハイ本大会です。7月29日~8月2日の5日間、山形県天童市NDソフトスタジアム山形で開催されます。

頑張れ若きアスリート!!

 

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走幅跳、三段跳の砂場からの出方

f:id:usariku:20170423225103p:plain走幅跳三段跳の着地後、砂場から出る方法についてです。

 

走幅跳三段跳で、着地後に砂場から出る方法にもルールがあります。

第185条
2. 着地場所を離れる際、競技者の足が砂場との境界線上または砂場外の地面へ最初に触れる位置は踏切線に最も近い痕跡よりも踏切線より遠くなくてはならない。 〔参照 第185条1⒡〕

これが砂場から出る方法のルールです。

踏切線に最も近い痕跡とは着地した足に限らず、足より後方(踏切板寄り)にお尻や手をつくなど身体の一部が砂場に触れてその跡が残る位置を示します。
ナンバーカードが触れ跡が残った場合も含まれます(そのため跳躍競技の競技者は、背または胸につけるだけでもよいというナンバーカードに関するルールがあります)。

この痕跡よりも踏切線より遠く、つまり踏切板寄りではない前方から砂場を出なければならないということです。

次の図がそのイメージ(楕円が踏切線に最も近い痕跡、〇はOK、×はNG

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ではこのように出なければ?
これに関するルール、

第185条
1. つぎのような場合は無効試技とする。
⒡ 第185条2に定める以外の方法で着地場を離れた場合。

つまり、正しい出方を行わなければ無効試技になるのです。


更に別のルールに、

試技の完了
審判員は、試技が完全に完了するまでは有効を示す白旗を挙げてはならない。試技完了は以下に基づいて決定される。
⒝ 長さの跳躍の場合、第185条2に基づき審判員が、競技者が着地場所から離れたことを確認した際、有効が決定される。

という記述があります。

砂場から出るまで試技中なのです。

この砂場からの出方、初心者がよく誤ることですので、「出るのは砂場の前方」(上図の〇の方向)と習慣となるまで教えてあげましょう。

この出方をきちんと行わず無効試技となった日本のトップアスリートがいます。日本陸上競技選手権大会でのことです。その前の跳躍は異なる理由による無効試技、最終跳躍が砂場の出方を誤ったための無効試技、全て無効試技で記録なしとなりました。
この選手、その前の試技や他の競技会でも着地点の直ぐ横から砂場に出るような動きを行うことが多かったようです。
正しい習慣が身についていなかったのでしょう。


ルールを知り、きちんと守って競技にのぞみましょう。


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走高跳や走幅跳の跳び方、何でも良いの?

f:id:usariku:20170504075658p:plain走高跳走幅跳、どのような跳び方でも良いのですか?

 

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain走高跳

体操競技のオリンピック代表選手である白井健三選手の床運動などを見ていると、床に弾力性があるにしてもかなりの高さを跳んでいるように見えます。
走高跳バーを身体全体が超えなければなりませんので、床運動の跳び方では身体の一部がバーに触れる可能性は高いかも知れません。
でもあの複雑な回転やひねりなどを駆使すれば何とか跳べる跳び方もあるのではと大いに興味があるところです。

しかし、仮に跳べたとしても陸上競技では通用しません。

陸上競技走高跳の跳び方に関し、

 

 競技者は片足で踏み切らなければならない

 

というルールがあります。

体操選手の高く跳ぶ時の跳び方は両足での踏み切りです。

残念ながら陸上競技で行うことはできないのです。

現在主流の背面跳びも昔からあったわけではなく、新たにできた跳び方です。

ルール全てを守っていれば異なる跳び方を行っても構いません。

小学生は「はさみ跳び、着地は足から」というのが原則です。お尻で着地した場合は無効試技。背面跳びは小学生には危険ということが理由です。

f:id:usariku:20170423184004p:plain走幅跳 

1970年頃、跳躍動作中に前方宙返りのようにする跳び方がありました。回転したら足を前方に伸ばすようにします。回転跳びと呼ばれていました。
助走速度を落とさずに踏み切ることができ、特に着地は遠心力が働いているため足を前方に伸ばすようにすればお尻をつくこともなく着地でき、数10cmは記録が伸びるという理論値があったとも言われています。

実際に跳んだ人もおり映像も残っています。

しかし、この跳び方たいへん危険であるということから禁止されました。

ルールでも、

つぎのような場合は無効試技とする。
助走あるいは跳躍動作中に宙返りのようなフォームを使った時。

と明記されました。

※危険なので絶対に試すようなことはしないでください。

走幅跳には、走高跳のような片足で踏み切らなければならないというルールはありません。どう考えても両足踏み切りでは遠くに跳べませんが・・・

走幅跳の主流の跳び方は、はさみ跳びそり跳びですが、ルール全てを守っていれば異なる跳び方を行っても構いません。

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不正スタートを判断する装置、スタートインフォメーションシステムの仕組み

f:id:usariku:20170504075658p:plainダイヤモンドリーグ上海大会(2017年5月13日)で、桐生選手がフライングで失格になりました。あの時、フライングを機械が判定したといっていましたが、どの様な仕組みなのですか?

  

 

 

フライングを判定したその装置は、スタート・インフォメーション・システムといいます。

(ルールではフライングのこと不正スタートといいます。)

以前、不正スタートの考え方について記事を書きました。その記事の中でスタート・インフォメーション・システムを紹介しましたが、今回はその仕組みについて説明します。

以前の記事はこちらをご参照ください。 


 

スタート・インフォメーション・システムとは


スターティングブロックに取り付けたセンサー
です。競技者のスタート合図(号砲)からのスタート反応時間リアクションタイムといいます)を検出し、スターターを補助する装置のことで、400mまでのクラウチングスタートで使用します。

このセンサーは、反応時間が0.100秒未満の場合に不正スタートと感知しますそれを確認できた場合、不正スタートとなります。

医学的な根拠に基づき、人間がスタートの合図を聞いて反応できるのには0.100秒は掛かるということ
で、反応時間がそれ未満の場合は、選手は「合図(音)を聞く前に反応したとして不正スタートとなります。

国際大会や、日本国内でも規模の大きな大会になると、国際陸上競技連盟(IAAF)承認のスタート・インフォメーション・システムが用いられています。

また、世界記録に認定されるための条件のひとつに、このシステムが採用されていることがあります。
 

フライングを感知する仕組み


競技者のスタート合図からのスタート反応時間リアクションタイムといいます)を検出し、スターターを補助する装置と書きましたが、更に詳しく説明します。

まず、ニシ・スポーツのスタート・インフォメーション・システムの設置例です。
スターティングブロックにセンサー(後方の青い器具)が取り付けられています。

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センサーからケーブルが出ており、確認用モニターにつながっています。

 

実際の使用例:スタート・インフォメーション・システムが取り付けられたスターティングブロックとモニターを確認する競技役員

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そのセンサーで、競技者がスターティングブロックに足をのせた際にかかる圧力が検出できます。スターティングブロックの真ん中にある支柱、そこにかかる圧力です。その圧力変化を装置がみて(検出して)いるのです。

スターティングブロックに足をのせていない時は当然圧力はかかっていません。

On your marks(オン・ユア・マークス)でスターティングブロックに足をのせ、圧力変化が起きますが、その後、身体が静止すると変化はない状態になりますです。

Set(セット)で腰を上げた際にも変化が起きます。
身体が静止し変化はない状態になります。

そして競技者がスタートをしたときに大きな圧力変化が起きます。

この大きな圧力変化を検出した瞬間を、競技者のスタート反応時間(リアクションタイム)だと装置は測定しているのです。

スタート・インフォメーション・システムはスターターの信号器とつながっており、信号器の合図(号砲)から、競技者がスタートした時間を計測しています。

その時間差が 反応時間(リアクションタイム)で、この時間が0.100秒未満の場合に不正スタートなのです。

ルールでの不正スタートの定義は、手が地面から離れたとき、足がスターティングブロックのプレートを離れたときとなっています。それをスターティングブロックにかかる圧力変化を利用し「反応時間」を測定するという方法で検出できる、たいへん良く考えられた装置なのです。

しかし、この医学的根拠に基づいた「0.100秒」という数字ですが、「もっと速く反応できる人間もいる」のではないかとの見方もあるようです。
今後変わっていくのでしょうか・・・

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インターハイへ地区予選会、開催 ~前哨戦~

f:id:usariku:20170423225103p:plainいよいよインターハイへの出場権を争う地区予選会が開催です。既に最終日を迎えた地区もあります。いよいよ開催される地区もあります。
実は大会直前、既に前哨戦が 行われています。

 

まず、復習です。インターハイに出場するには? 

どうしたらインターハイに出場できるのかはこちらの記事で確認できます。


f:id:usariku:20170423184004p:plain 日本全国を11地区に分けた地区大会

北海道、東北、北関東、南関東北信越、東海、近畿、中国、四国、北九州、南九州。地区大会は以上の11地区に分けて行われます。

それぞれの地区大会各種目6位走高跳棒高跳は6名)までがインターハイに出場することができます。
ただし、競歩競技は4位まで、混成競技は3位までと各地区4位~6位の選手の中から全国上位5人が出場権を得ます。

その各地区の開催日と開催地です。

北海道 6月13日~16日 旭川市・花咲スポーツ公園競技場
北信越 6月15日~18日 富山県・総合運動公園陸上競技
近 畿 6月15日~18日 京都府西京極総合運動公園陸上競技場
中 国 6月16日~18日 広島県広島広域公園陸上競技場
北九州 6月15日~18日 福岡県・東平尾公園博多の森陸上競技場
南九州 6月15日~18日 熊本県えがお健康スタジアム
東 海 6月16日~18日 愛知県・パロマ瑞穂スタジアム
東 北 6月16日~19日 山形県NDソフトスタジアム山形
北関東 6月16日~19日 千葉県・千葉県総合スポーツセンター陸上競技
南関東 6月16日~19日 千葉県・千葉県総合スポーツセンター陸上競技
四 国 6月17日~19日 愛媛県愛媛県総合運動公園陸上競技場

大会前には前哨戦が行われます。

・各校、休憩(待機)場所の確保
・横断幕、のぼりの設置場所の確保

です。
これはあくまでも競技に直接する事柄です。宿舎の確保や食事場所(特に夕食)の決定、交通手段の決定、荷物の搬入方法の決定など色々ありますが、ここでは触れません。

中には出場者数が少ないなどで事前に場所の確を行わない学校もあります。
横断幕やのぼりを設置しない学校もあります。


休憩(待機)場所の確保の方法は地区によりさまざまです。
予め区分けしてあり、事前に抽選を行う。
都道府県ごとにエリアが決まっており、各都道府県でエリア内の割り振りを決める。
フリースペースで早い者勝ち。
などなど・・・
出場選手数により各校確保したい広さが決まります。
補助競技場や本競技場に近いところが良かったり、少し離れても静かなところが良いなど各校考えは様々です。
雨や暑さ対策も考えなければなりません。

競技場によりますが競技場スタンド裏などに確保可能な場所があるところもあります。他には主に運動公園などで開催されるため、公園敷地内の決められた場所に休憩場所を設営するのですが、公園には一般の利用者もいます。
迷惑をかけない、また安全のためなどに、シートやロープなどでの事前の場所の確保を禁止している会場もあります。

特に出場人数が多い学校はまずこの休憩場所の確保が最初の戦いです。

次に横断幕やのぼりの設置場所の確保です。
この方法も地区により異なります。
競技場内で設置できる場所も決まってきます。設置できる数に限りがある場合もあります。
今では抽選が多いのではないでしょうか。
抽選し、決められた場所内の好きなところに順番に設置していく。
抽選し、決められた場所に設置するなどです。

中には運悪く設置できないこともあるようです。特に出場校数が多い地区は。

関東大会競技場内、芝生スタンド最上段に横断幕(1周全て)

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休憩場所の確保は早朝(深夜?)から行うこともあり顧問、監督、コーチなどチームスタッフの役目です。

横断幕やのぼりの抽選はくじ運の良い?生徒が行うことが多い様です。

今回、南北関東大会が行われる会場に大会前日(昨日)行ってきましたが、その様子も興味深いものです。
南北関東大会の場合、毎年会場がかわるため、休憩場所の確保方法や横断幕やのぼりの設置方法も異なります。
その方法も年々変化(進化?)している様にも思えます。

南北関東大会(北関東大会と南関東大会)は同時に同会場で開催されます。
そのため競技日程も、例えば100m予選・準決勝・決勝、「北関東女子、南関東女子、北関東男子、南関東男子」の順に行われます。決勝も4レースです。
プログラムもその分厚い?

関東大会プログラム

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多くの地区で、休憩場所の確保開始、横断幕やのぼりの設置が行われ、前日練習が開始になります。

選手にとってのドキドキ、ワクワクがやってくる瞬間です。

 

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リレーのバトンを受け取る走者はゾーン内から走り出すこと

f:id:usariku:20170423225103p:plain4×100mリレーと4×400mリレーのバトンパス(受け渡し)については、既に記事で書きました。その中でも少し触れていることですが、ルール上失格となってもおかしくない行為が結構無意識のうちに行われているようなケースがありますので今回はそのことを詳しく書きます。

 

リレーのバトンパス(受け渡し)全般についてのルールは次の記事で確認してください。

 

 


ルールに次のような記述があります(一部略)。

4×100mリレーでは第1走者以外のチームの走者はテイク・オーバー・ゾーンの前10m以内のところから走り始めてもよい。この延長した範囲を示すために、各レーンに明瞭なマークが表示されなくてはならない。もし競技者がこの規則に従わない場合、そのチームは失格となる。

 

このルール、4×100mリレーに関することで下図の加速ゾーンから走り始めてもよいということです。

 

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選手が走り始めてよいのは加速ゾーンの入口のライン(ルールでは「助走マーク」)から。ラインは入口に含まれますので踏んでも構いません。

 

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でも踏み越えてスタート方向に出てはいけません
ラインはレーン全体に引かれていませんが、ラインのない部分もラインがあるとみます
ルールには「もし競技者がこの規則に従わない場合、そのチームは失格となる。」と記載されています。つまり加速ゾーンの入口(ライン含む)からスタート方向に出て走り始めたときは失格になります。


しかし、多くの選手が次の写真のように立っています。

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確かにつま先の地面についている部分は加速ゾーン内上げた踵(かかと)は加速ゾーンの外(スタート寄り)、このまま走り出せば問題ないのですが、走り出す瞬間に踵が地面につく選手がいます。これは加速ゾーンの外(スタート寄り)から走りだしたとして失格になります。

他に走り出す瞬間に一歩スタート寄りに下がる選手やじわっじわっと下がる選手もいます。

細かいことかも知れませんが、加速できる距離がルールより長くなるからNGです。

先日競技会で審判員を行った際、踵がつき加速ゾーンの外(スタート寄り)から走り出す選手を数名見ました。選手はレースの前にマーカー(テープ)を貼り、走り出す練習を行います。その時見つけて注意をしました。レース中ではないので失格にはなりません。その際、踵がついていると自覚がない選手が結構いました。無意識のうちに行っているようです。

無意識でもレース中なら失格です。

もし踵がつくならその分を考慮して立たなければなりません。普段の練習でも確認してほしいと思います。
自分ではわからないものです。チームメイトに見てもらうことも必要でしょう。

 
次は4×400mリレーで見かけることです。

まずルール(一部略)、

4×400mリレーのすべてのバトンパスにおいては、テイク・オーバー・ゾーン外から走り出してはならず、そのゾーンの中でスタートしなければならない。この規則に従わなければ、そのチームは失格となる。


4×100mリレーのような加速ゾーンはありません。テイク・オーバー・ゾーンのみです。

第2走者のテイク。オーバー・ゾーンの例

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テイク・オーバー・ゾーンの入口のライン上からから出口のラインの手前の縁(ライン上は含まない)までの間で走り出さなければならないのですが、前走者、チームメイトが400mを頑張って走ってくる姿に声援をし、ついついテイク・オーバー・ゾーンの入口のラインをスタート寄りに踏み越してしまうことがあります。

これも無意識に行ってしまうことが多いのでしょう。

これは練習で直るというものではないと思います。しっかり自覚してレースに臨むしかありません。

 

次に記載することはこの記事のテーマ「ゾーン内から走り出すこと」とは異なりますが、良い見本ですので紹介します。

4×400mリレーのルール(一部略)

4×400mリレーの第3、第4走者は審判員の指示に従い、前走者が第2曲走路入り口を通過した順序で、内側より並び待機する。その後、待機している走者は、この順序を維持しなくてはならず、バトンを受け取るまで入れ替わることは認められない。違反した場合は、そのチームを失格とする。


4×400mリレーの第2走者から第3走者と第3走者から第4走者へのバトンパスは、レーンが分かれていないので、次走者は前走者が第2曲走路入り口(1レーンの200mスタート地点=400mトラックの半周の地点)を通過した順序で並び、その後前走者の順位が入れ替わっても、次走者は入れ替わってはならないということです。

下のイメージ、テイク・オーバー・ゾーン入口の ● のところに内側(1レーン側)から順に並びます。

 

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 更にルール、

4×400mリレーも含めたどのリレー競走においても、レーンが使用されていない場合は、次走者は、他の走者の進行をじゃまするために妨害したり押しのけたりしないならば、走って来るチーム走者が近づくにつれてトラックの内側に移動できる。4×400mリレーの場合には、次走者は第170条20で規定された順番を維持する。もし競技者が、この規則に従わないならば、そのチームは失格となる。


4×400mリレーの第2走者から第3走者と第3走者から第4走者へのバトンパスのために次走者がテイク・オーバー・ゾーンの入口にルールに則った順で並んでいますが、内側のチームがバトンパスを完了するなど、走路があいたときには、内側に詰めても構わないということです。

ただし、並び順をかえることはできません

これが実践できている例が次の写真です。
内側(右)から2番目の3レーンで待っている選手、内側では先行チームのバトンパスが行われようとしています。

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先行チームが過ぎ、内側が空いたので、2レーンに移動しました。左手を出している選手です。

 

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2レーンを走ってきた前走者からバトンを受け取ろうとしています。

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これはルールに則った正しい動きです。
前走者が外にふくらむことなく走ってこられます。

よく見かけるのが、内側が空いていて、前走者も内寄りを走れるのに、内側につめない選手です。前走者は斜めに走ってくることになりますし、次走者もバトンを受け取ったらすぐ曲走路なので急に内側に入ることになります。もったいないと思います(写真の外側2選手は、前走者同士が争い、外寄りを走ってくるのでOKです)

ルールを知り、有効に利用して良い結果を出しましょう。

 

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