うさりく先生の陸上教室

 

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陸上競技に関する情報や基礎知識を発信します。陸上競技を始めた人、もっと知りたい人、また、指導者の皆さんにも参考になるブログです。

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トラック上のライン(線)、スタート地点寄りのふちが境い目

 f:id:usariku:20170423225103p:plain陸上競技場のトラックには、レーン(コース)を分けるライン(線)以外にも多くの線が描いてあります。

今日はそのさまざまなライン(線)についての話です。

※2018年3月13日:2018年度規則(ルール)修改正に伴う修正(赤字)、削除(打ち切り)  

 

フィニッシュラインのどこを通過するとフィニッシュか


フィニッシュとは(陸上競技では「ゴール」ではなく「フィニッシュ」)、トラック競技のレースが終わる瞬間、記録が出る瞬間のことです。

記録は、身体のどこがどの地点を通過した時点で測るのでしょう? 

もちろん、胴体(トルソー:頭、首、腕、脚、手または足を含まない部分)がフィニッシュラインを通過した時点です。

ここまでは、だれでも分かると思います。

では、5㎝の太さがあるフィニッシュラインの、どこを通過したときがフィニッシュなのか分かりますか?

言ってみれば、フィニッシュラインは面ですよね。

ちょうどラインの真ん中でしょうか、スタートライン寄りのふちでしょうか、スタートラインとは逆側のふちでしょうか?

 

ルールブックに次のように書かれています。

 

競技者の胴体(トルソー:頭、首、腕、脚、手、足を含まない部分)がフィニッシュラインのスタートラインに近い方の端の垂直面に到達した瞬間


つまり、太さ5㎝のラインのスタート地点寄りのふちを通過した瞬間が、フィニッシュです。

 

フィニッシュと記録測定のことはこちらに詳しく書きました。 

スタートラインのどこからの距離なのか


フィニッシュラインのことは分かりましたね。
では、スタートラインはどうでしょう?

やはり、太さ5㎝のスタートラインの、進行方向を向いた時の手前のふちです。

たとえば、100mの走路であれば、スタートラインの手前のふちから、フィニッシュラインのスタート寄りのふちまでが100mです。

ラインの上はスタート地点の先ということです。

だから、スタートのときはスタートラインに少しでも手や足などが触れてはいけないのです。

スタートについて詳しく書いた記事です。 

 

「ラインのスタート地点寄りのふち」は全てのライン(線)に当てはまる

 

トラックに描いてあるラインは、多くは白で太さ5㎝です。

色々なラインがありますが、スタートラインが最も多いです。フィニッシュ地点近辺には複数のスタートラインが混在するため、水色や緑色なども使われます。

フィニッシュラインは一か所です。

他にリレーのバトンパスで使用する線ハードルを置く位置を示す小さな線(マーク)も所々にあります。


ラインのスタートライン寄りのふちがその境い目(境界線)になるのは、スタートライン、フィニッシュラインだけでなく、これら色々なライン全てに当てはまります。

 


このラインの境目はスタート地点寄りのふちです。
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フィニッシュライン、幅50mm(5cm)です。
このラインの境目もスタート地点寄りのふちです。

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4×100mリレーのバトンパス(バトンの受け渡し)


バトンパスに関係する区間は、大きくふたつに分かれています。下の写真も参考にしてください。

f:id:usariku:20170418121827p:plain 加速ゾーン

一般的にはブルーゾーンと呼ばれます。ルールでは加速ゾーンと書かれています。

文字通り次走者が静止状態から走り出し、加速に使われる区間

この区間バトンパスは行えません

次走者はこの区間を使わなくてもいいし、途中から使っても構いません。

※2018年度規則(ルール)修改正にて削除

f:id:usariku:20170418121827p:plain テイク・オーバー・ゾーン

一般的にはバトンゾーンですね。これもルール上はテイク・オーバー・ゾーンです。
バトンパスはこの区間内で行います。 

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*テイク・オーバー・ゾーンの入口を示すライン

下の写真の白の横ラインです。
このラインの境目もスタート地点寄りのふち

 f:id:usariku:20170518021646j:plain

 

*テイク・オーバー・ゾーンの出口を示すライン。下の写真の白の横ラインです。
このラインの境目もスタート地点寄りのふちです。
 f:id:usariku:20170518021718j:plain

 

テイク・オーバー・ゾーンの範囲が明確になったと思います。
バトンパスはこの範囲内で行わなければなりません



ハードルを置く位置を示すライン

ハードルを置く位置を示す小さなライン(マーク)。下の写真の 小さな黄色マーク(2cm×5cm)。
これの境目もスタート地点寄りのふちです。
ハードルの本体の決められた位置をここに合わせます。

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f:id:usariku:20170423225103p:plainいろいろなラインがありますが、全てスタートライン寄りのふちが境目と覚えましょう。

 

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170517002941p:plain

競技中の衣類の重ね着で注意すること~メーカーのロゴの数~

      f:id:usariku:20170420180429p:plain

4~5月、10月~11月、あるいは冬期の競技会で、競技に出場する衣類(ユニフォーム)の下にTシャツやタイツ(スパッツ)などを重ね着する選手を多数見ます。

その際に守られていないルールがよくあります。

守られていないというより、知られていないと言った方が正解かもしれません。

皆さんは知っていますか?


今日は競技場で身に着けるもの、持ち物に関するルールを説明します。

 

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競技会における広告および展示物に関する規程」というルール


このルールの中に、

競技者が競技中に衣類を2枚重ねて着用する(例えばベストの下にTシャツを着用する/ショーツの下にタイツを着用する)場合は、下に着用している衣類が露出していれば、広告その他の表示があってはならない。


という記述があります。

広告その他の表示、つまりメーカー(製造会社)のロゴ(マークやマークと一体化した社名などの文字)もそのひとつです。

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain ロゴの数が決められている


そもそも衣類(ユニフォーム)に付いていても良いメーカーのロゴの数は、次のように定められています。

上半身の衣類に1か所

下半身の衣類(シューズやソックスを除く)に1か所

上下一体型の衣類は1か所または2か所(2か所の場合は近すぎてはならない)

例えばユニフォームのショーツの下にタイツを重ね着していた場合、タイツのロゴが見えていると、ショーツとタイツの2か所にロゴがあることとなり、規則に反しているとされます。

f:id:usariku:20170418121827p:plain ロゴの場所が決められている


ロゴが付いていても良い場所は前面と定められています

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain ロゴの大きさにも制限がある


*上半身の衣類、または上下一体型の衣類で上半身1か所にしかロゴがない場合は、「文字が高さ4㎝以内、トータルのロゴの高さは5㎝以内で、面積30㎠以内の長方形

*上下一体型の衣類で上下2か所にロゴがある場合は、それぞれが「文字の高さ3㎝以内、トータルのロゴの高さ4㎝以内で、面積は20㎠以内の長方形

*下半身の衣類のロゴは、「高さ4㎝以内、面積20㎠」以内です。


 

他にもある競技会における広告および展示物の規定に適用されるもの

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain ウォームアップ用の衣類(ウインドウブレーカーやトレーニングウエアなど)


実はこれについても、競技に出場する衣類と同じ規定があります。

競技会場、補助競技場(サブトラック)に入る時にはこの規定が適用されます。
 

f:id:usariku:20170418121827p:plain バッグ


競技会場に持ち込む個人のバックにも規定があります。

競技者が競技場で使用するバッグの製造会社名/ロゴは、各バッグ2ヵ所まで表示することができる。それぞれの表示の大きさは25㎠以内とする。 

  

f:id:usariku:20170418121827p:plain ソックス

ソックスにも規定があります。 

ソックスの製造会社名/ロゴをそれぞれのソックスに1ヵ所に表示することができる。高さ3㎝以内、面積6㎠以内とする。 

 片足の外側と内側の2か所はNGです。

  

f:id:usariku:20170418121827p:plain シューズ

競技者が使用するシューズの製造会社名/ロゴは、サイズに制限を設けない。

シューズは制限なしですので気にすることはありません。

 

では、違反していた時はどうなるか?

 
規定に反するものを覆うか、主催者によって提供された無印の衣類を身につけるよう要求されるということがルールには書いてあります。

覆うということはほとんどの場合、粘着テープ類を貼られるということです。
無印の衣類を身に着ける、というのは見たことがありません。

 

対策として、まず競技会場内では規定外のものを身につけない、持ち込まないことですが、どうしても身に着けたり、持ち込む必要がある場合は、あらかじめテープを貼っておくなどするのが良いと思います。

時にはかなり粘着力の強いテープを貼られることがあります。
大切な衣類やバッグなど、ベタベタになるのいやですよね。
粘着力の弱いテープなど用意しておくのもひとつの方法です。

また、このチェックはほとんどの場合、招集の際に行われます。
競技前の集中を高めたいときです。テープを貼ったりで時間が掛かるのも避けたいですね。

 

陸上競技の広告に関する規則は、かなり細かいです。

上下の衣類に関しては、先ほど書いたロゴの既定の他にも、メーカーのデザインと分かるラインなどの規定もあります。

また、競技中に競技者によって使用される帽子、ヘッドバンド、手袋、メガネ、サングラス、リストバンドなどのロゴにも規定があります。

この記事では、そこまで触れません。

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まずは重ね着のルール、覚えておいてくださいね。 

  過去の記事一覧f:id:usariku:20170517002941p:plain  

バトンパスの練習、失敗だと思ってもとにかく渡そう!

     f:id:usariku:20170504083014p:plain

リレーは陸上競技の中でも唯一、仲間と呼吸を合わせて行う競技です。
バトンパスがうまくいったとき、チームベストを出せたとき、他の種目とはまた違った喜びを味わうことができます。

それだけにバトンパスの練習には気合が入りますよね。

今回は、リレーのバトンパスの練習についてです。

 


学校で練習するとき、大会に行って練習するとき、どちらにも当てはまる話です。

パート練習(二人だけでのバトン合わせ)の時にこんな光景をよく見かけます。

 

バトンをもらう人の走り出すタイミングが早すぎて、バトンを渡す人が追いつけない!
そこで「ごめーん」と言い、ふたりが止まってしまう。
見ていた指導者は、次走者に対して「出るのが早い!」などと注意をしている。

 

これでは練習になっていません。
良くない点はどこだと思いますか?

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain 良くない点~その①~


指導者が、出るのが早い!」などと注意をしているというところが良くないです。

「早い」とか「遅い」と指導者が言ってしまう前に、まず選手同士で確認をさせることが大切です。

まずは「今、バトンパスどうだった?まずはふたりで確認」と声かけをします。

ふたりで話し合い、うまくいかなかった点を本人たちが自ら認識しないと、次につながりません。自覚がない、あるいは本人たちの認識が間違っているときに初めて指導者側から原因を教えましょう。

本人たちで解決策を導き出せることが一番良いことです。

最近の選手、主に小中学生ですが、全て一から人に教わることが当たり前で、自分で考えるということをしなくなっていると感じます。それでは大きな進歩につながりません。

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain よくない点~その②~


指導者が、バトンパスに失敗して「ごめーん」と言い、止まってしまう選手に対し、何も注意をしないことが良くないです。

このような指導者ははっきり言って指導力不足です。

もし本番(競技中)に同じような失敗が起きそうになったとき、「ごめーん」でDNFとしますか?
(DNF=Do Not Finish 途中棄権)

しないですよね。

バトンが渡るまで何とかするよう指導してあげてほしいです。


f:id:usariku:20170418121827p:plain 良くない点~その③~

良くないのはもちろん指導者だけではありません。

そこで「ごめーん」と言い、止まってしまうふたりの選手も良くないです。

理由はもう分かりますよね。

 

f:id:usariku:20170423225103p:plainタイミングが合わなくても何とか渡す

この強い気持ちがないとバトンはつながりません。

練習のときから、何が起きてもとにかく渡す、ということをしておくべきです。

特に大会での練習、そう何本もできるものではありません。

失敗した時の対応も大事な練習です。バトンを落とした時の対応もそうですよ。

     過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

リレーのマーカー(テープ)の効果的な使い方

    f:id:usariku:20170504075658p:plainリレーのマーカー(テープ)の貼る場所のことや色についての記事を読みましたが、ほかにも気を付けることがありますか?
あったら教えてください。 

 

 

 

マーカーに関するルール

 

大事なことがあります。
まず、マーカー(テープ)の大きさです。

ルールでは、 

 大きさが最大50㎜×400㎜ 

 と書かれています。

「最大」ですのでこれより小さければOKです。

 

バトンミスの原因にもなるテープの使い方


実際に大会などで見ていると、かなり小さなマーカーを使っているチームを多く見かけます。

ルールに反していないので問題ないのですが、考えてみてください。

皆さんは何のためにこのマーカーを貼るのですか?
ほとんどの場合は、前の走者がそのマーカーのところを通過した時に走り出す、そのポイントとして使いますよね。

短いテープを走路の端に貼っていると、どうですか?
隅っこのマーカーを気にしながら全力で走ってくる走者をきちんと見ることは困難です。

バトンパスでミスをしてしまうチームの多くが、この様なテープの使い方をしている様に感じます。

 

マーカーの効果的な使い方


ではどのように使えば効果的なのでしょうか。

f:id:usariku:20170418121827p:plain マーカ―はルールで許される範囲の最大に近い長さ(最大5cm×40cm)を使いましょう。

f:id:usariku:20170418121827p:plain 走路の中央または中央より前走者が走ってくる側に貼りましょう。

「中央より前走者が走ってくる側」とは例えば曲走路だと内側、普段の練習で確認しましょう。


遠慮がちに貼らなくてもいいのです。

下の写真、中央に貼ったとき、前走者が走ってくる側、左右どちらかに寄せても構わない。

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 マーカーは大会の主催者が準備することもある

 

競技で使用するマーカーは、主催者が準備したものを使う場合各チームで準備したものを使う場合があります。

主催者が準備したものを使用する場合は競技注意事項にそのように書かれています。

一方各チームで準備する場合は競技注意事項に書かれていたり、書かれていなかったりします。書かれていない時は各チームで準備しておきましょう。

主催者が準備する場合には、次のことに注意しましょう。

f:id:usariku:20170423184004p:plain 練習のときは主催者からもらうことはできないので、練習用に自分で必ず準備していきましょう。

f:id:usariku:20170418121827p:plain 配られたテープがあまりにも短い時には、400mm(40cm)にしてほしいと伝えましょう
事前に競技役員が最大サイズ程度に切ったものを用意していて、それを配られる場合もありますが、その場で競技役員がマーカー(テープ)を切って配られる場合もあります。

ルールで許された範囲の長さかどうかは、その場で判断することは難しいです。可能ならばバッグなどに自分でその長さに切ったテープ(練習で使用したもので可)を貼っておき、それと比較するのも一つの方法です。
トラックの1レーンの幅は競技場により異なりますが1m25cmか1m22cmです。おおよそ3分の1の幅が最大の目安です。

 

マーカーの色にも工夫を 


リレーの練習時、多くのチームが同時にマーカーを貼ることがあります。

どれが自分のものか判断が難しいと、マーカーに集中するあまり、走って来る走者とのタイミングがうまくとれませんよね。おそらくこのような経験をしたことがある人は多いと思います。

これでは練習になりません。

マーカーを貼る位置だけでなく、色も工夫しましょう

ほとんどのチームが白を使用します。

上の写真の様に黄色(黄色の同系色にも山吹色であったり、蛍光色ぽい色のものなど色々あります)など、他のチームと異なる色を使いましょう。

個人的には白に近い黄色系のマーカーをおすすめします

その理由は主催者が準備する場合、ほとんどが白いマーカーだからです。

(白のマーカーは常に用意しておきましょう。)



f:id:usariku:20170423225103p:plainまとめ

たかがマーカーと思うかもしれませんが、この記事に書いてあることを練習から意識してみてください。
練習効率も上がり、バトンパスの精度も高くなります。
実践してチームベストを目指してください!

ここに記載の内容、特に大きさや貼る位置は、強豪校の多くが採用しています。
白以外の色を使うチームはまだまだ少数です。

 

マーカーを貼ってはいけない場所はちゃんと知っていますか?

自信を持って答えられない人はこちらの記事もお読みください。 

     過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

大会で使用したスターティング・ブロックのフットプレートがすぐ外れるのですが・・・ ~用器具について~

f:id:usariku:20170504075658p:plain「大会で100mに出場、スタートで出おくれました。スターティング・ブロックフットプレートが外れそうで気になったためです。
あのスターティング・ブロック、古いのでしょうか?」

 


そのレース、競技場で実際に見ていました。
レース後、その選手から聞いたのが質問の内容です。

下の写真の黒い部分がフットプレート角度を調整でき固定するための金具と溝がついています。写真の右側のフットプレートが、金具を固定していない状態、左側が角度を調整し、金具を溝にはめた状態です。固定といっても金具を溝にはめているだけの状態で、ネジなどで固定しているものではありません。

スタートの際にはフットプレートに足をのせているのですが、スタートの瞬間(フットプレートを蹴る様な状態)に金具が溝から外れてしまうことがあるということです。

 

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公認大会として認定されるには競技場用具・器具類競技役員のことなどいくつかの条件をクリアし日本陸上競技連盟が認めた大会である必要があります。

競技場は5年毎に条件を満たしているか検定が行われます。
走路がひどく損傷していないか、トラックの距離や傾斜が定められた誤差以内に収まっているかなどは検定する内容として想像がつくと思います。

それ以外にも競技場が常備している用具や器具の数量なども検定対象です。

例えば投てき競技で使用する砲丸、やり、円盤、ハンマーの種類や数まで決まっています。面白いところでは、砂場を使う競技などで使用されるスコップやほうきの数まで決まっています。

かなり細かなことまで検定対象となっておりそれら全てがクリアされ競技場としての検定がなされたことになります。

例にあげた投てきの用具バトンスターティング・ブロックなどは個別に規格が決まっており、それぞれが用具や器具としての検定を受けたものでなければなりません。

大会で使用する用具や器具は大会によっては主催者が持ち込む場合もありますが、多くの大会では競技場に備え付けられているものを使用します。

ただし、棒高跳のポールは私物を持ち込んでも構わず、所有者の了解を得れば他の選手も使用できます。

やり投げのやりも個人持ちのものを持ち込める場合があります。競技会場で規格に合っているか検定を受けた後使用が認められます。やりに関しては検定を受けた後、ひとつの用具として扱われ、個人で持ち込んでも誰でも使用できるものとされます。
持ち込めるか否かについては競技注意事項に書いてありますので良く確認しておきましょう。


今回問題となったスターティング・ブロック、実は私物を持ち込んでもいいのです。もちろん検定を受けたものでなければなりません。
これはルールに明記されています。

競技者が自分のスターティング・ブロックを使用する場合は、第161条1⒜⒝に適合していなければならない。他の競技者を妨害しないものならば、デザインや構造はどのようなものでもさしつかえない。


第161条1⒜⒝とは、簡単に説明すると、しっかりとした構造でトラックにしっかり固定でき、トラックを余り痛めないものということです。

しかし、これも持ち込めるのは認められている場合のみ、ほとんどの競技会では「競技用具は競技場備え付けのものを使用する」とか「主催者が準備したものを使用する」と競技注意事項に書かれ、私物の使用は認められていません。

今回のケースも競技場備え付けのものを使用すると競技注意事項に書いてありました。あきらめるしかないのでしょうか・・・

そんなことはありません!

スターティング・ブロックに関するルールには、

 

十分に堅固な構造で、競技者に不公正な利益をもたらさな
いものでなければならない。

 

と書いてあります。しっかりとした物で、競技者に不公平であってはならないということです。

ですから外れやすいものは取り替えてもらえます

どの競技場にも最低3台は予備のスターティング・ブロックがあります。これはルールで決まっています。

今回の競技会場で競技役員を行うこともあるのですが、予備が8台あります。

遠慮せずに競技役員に申し出て構いません。

 

スターティング・ブロックの数、競技場の規模により異なりますが、今回の競技場は、レーンの数×2セット、他に予備3台が必要な競技場です。

8レーンの競技場なので、8×2セット、その他に予備として実際には8台あります。8台のスターティング・ブロックが1つのスターティングブロック置台に乗っているので、計3つの台があります。

 

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競技役員のなかには、この3台のスターティングブロック置台はそれぞれひとつずつ、100mのスタート地点、400mのスタート地点、200mのスタート地点のためにあると勘違いする人がいます。

8台は予備なのですが、予備がないように見えてしまいます。

特に200mが行われる際には100m、200m、400mそれぞれのスタート地点3箇所に散らばって配置されていることが多く、「予備はない」と言われてしまう可能性があります。

それでも、ルールでは最低3台は予備を置くことになっているのです。そのことを覚えていれば大丈夫。

自信を持って「取り替えてほしい」と申し出ましょう!! 

 

 

 

過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

桐生選手、不正スタート(フライング)で失格 ~不正スタートのこと~

f:id:usariku:20170504075658p:plainダイヤモンドリーグ上海大会(2017年5月13日)で、桐生選手が人生初の不正スタート(通称「フライング」)で失格になりました。ちょっと映像を見た限り不正スタートに見えないのですが、どんな時に不正スタートとされるのですか?ルールを教えてください。

 

 

 

不正スタートの考え方


ルールではフライングという言葉はでてきません。不正スタートといいます。

 

ここでは400mまでのクラウチングスタートの不正スタートについて説明します。

ルールでの基本的な考えは、

競技者は、最終の用意の姿勢をとった後、信号器の発射音を聞
くまでスタート動作を開始してはならない。もし、競技者が少
しでも早く動作を開始したとスターターあるいはリコーラーが
判断したときは不正スタートとなる。


その注釈として、

Set の後、最終のスタートの姿勢になってから号砲までの間に次の動きを確認した場合、不正スタートとする。
ⅰ)静止することなく、動いたままスタートした場合。
ⅱ) 手が地面から、あるいは足がスターティングブロックのフットプレートから離れた場合。


と書かれています。

スターターとは、スタートの合図を出す人です。

リコーラーとは、スターター以外の人で、スタートが正しく行われているかを見ている人です。
正しく行われていないのに出発の信号器が発射され、競技者がすでに走り出してしまった時に、呼び戻し(リコール)する競技役員のことです。

不正スタートの時数発の合図がなることがありますがリコーラーが合図していることもあります。

注釈にある「ⅱ) 手が地面から、あるいは足がスターティングブロックフットプレートから離れた場合」というのは単純にスタートの合図が鳴る前に、手が地面から、あるいはスターティングブロックの足をのせるプレート(下の写真では黒い部分)から離れた時のことです。
このことからもスターティングブロックフットプレートには足がしっかり乗っている必要があることになります。

競技役員を行っているとき、時々しっかり足をプレートに乗せていない選手を見ます。明らかな場合は注意を受けます。足はしっかりフットプレートに乗せること覚えておいてくださいね。

「ⅰ)静止することなく、動いたままスタートした場合」というのは、Set の後、静止せずわずかに動きながらあたかも勢いをつけているかの様にスタートすることなどです。

この状態でスタートすれば不正スタートとなります。



f:id:usariku:20170506025146j:plain


以前は、Setの後しっかり静止しても、合図の前にピクとでも動いたら不正スタートとされたのですが、上記注釈のⅰ)にもⅱ)にもどちらにも当てはまらず、今では不正スタートとはみなされず、注意(グリーンカードの扱いとなりました。

※2018年度日本陸上競技連盟競技規則(ルール)の修改正でこの部分は削除となりました。

スタートに関するルールもこの数年かなり変更がありました。

一番大きなものは、国際大会だけでなく国内の中学生以上の大会の大半が不正スタート1回で失格になるということです。(ただし混成競技では2回目に不正スタートを行った選手が失格)

 

f:id:usariku:20170514065650j:plain不正スタートの時は該当選手のまえで「赤黒(斜め半分形)カード」が挙げられます。

 

このルールに変更される前は、2回目に不正スタートを行った選手が失格というルールでした。

それより前は、同じ競技者が2回不正スタートを行ったとき失格となるというものでした。小学生の大会の多くは、今でもこのルールを採用し、同じ競技者が2回不正スタートを行ったとき失格となります。

 

スタート・インフォメーション・システム


今回桐生選手が出場した様な国際大会や、日本国内でも規模の大きな大会になると、国際陸上競技連盟(IAAF)承認のスタート・インフォメーション・システムが用いられています。

スタート・インフォメーション・システムとは、スターティングブロックに取り付けたセンサです。競技者のスタート合図からのスタート反応時間リアクションタイムといいます)を電気的に検出し、スターターを補助する装置のことです。

このセンサは、反応時間が0.100秒未満の場合に不正スタートと感知しますそれを確認できた場合、不正スタートとなります。

人間がスタートの合図を聞いて反応できるのには0.100秒は掛かるということ
で、反応時間がそれ未満の場合は、合図の前に反応したとして不正スタートとなります。

 

世界記録に認定されるための条件のひとつにこのシステムが採用されていることがあります。

ニシ・スポーツのスタート・インフォメーション・システムの設置例です。

 

 

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スターティングブロックに取り付けたセンサー(後方の青い器具)

 

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実際の使用例:スタート・インフォメーション・システムが取り付けられたスターティングブロックとモニターを確認する競技役員

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センサーからケーブルが出ており、確認用モニターにつながっています。

今回の桐生選手の反応時間は0.086秒、この数字だけを見ると完全な不正スタートですが、動画を見る限り判断できないほどの微妙な数字です。
調子が良かったとのことだけに残念です。また改めて記録に挑戦してもらいたいものです。

 

 

 

 

    過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

雨の日の大会 ~必需品・大きなビニル袋~

 

 

陸上の大会は雨でもやることは選手ならよく知っていますよね

今日あたりから、毎週末各地で、大きな大会が開催されます。

中にはインターハイや全中につながる大会も。 

でも今日は西日本や東日本で大雨の予報です。

着替え、雨具・・・準備は大丈夫ですか?


ひとつ絶対持って行ったら良いものを紹介します。

大きなビニル袋です。45リットルの袋を多数、90リットルの袋も少しはあると良いですね。

アップ場所や競技場所に持って行きましょう。

濡れたものを入れる、乾いたものを濡らさないようにする、競技で脱いだものを入れる、バッグをまるごと入れ雨除けにする。

用途はいっぱいあります。

私が選手を引率するときは、数十枚持って行く時があります。

 

 

過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

スポーツの指導者に必要な資格 ~救命技能認定証~

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うさりく先生が消防署で救命講習を受けて来たそうです。

どんな勉強をしてきたのか教えてください。

 

 

陸上競技の指導者資格(JAAFジュニアコーチ)には、更新制度があります。
(JAAF=日本陸上競技連盟公認)
4年に一度の更新です。
更新の際には指定された研修を受けなければなりません。
指導者は常に新しい指導方法などを勉強し、指導に当たらなければなりません。

本題からちょっと離れますが、
陸上競技に関する指導者資格を持っている人、何人いると思いますか?

2016年10月現在の数字、3,305名です。
これ多いの、少ないの?

47都道府県平均的にいるとすれば、1都道府県に約70名しかいません。
とっても少ないのです。

参考までに同様の公認資格保有

・水泳 17,343名
・サッカー 35,547名
・バレーボール 15,759名

どうですか。陸上競技の指導者は少ないでしょう。

ぜひ増えてほしいと思います。その資格を取る方法などは機会があれば記事にしますね。

話を戻します。
JAAFジュニアコーチになるためには、必ず持っていなければならない資格があります。

「普通救命技能認定証」の交付を受けていなければなりません。

その更新は3年に1度、今回はその上の資格「上級救命技能認定証」の交付を受けてきました。

簡単にそれぞれの内容を説明します。


普通救命技能認定書:心肺蘇生(CPR)やAED、異物除去、止血法などを身につけます。

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上級救命技能認定証:普通救命技能に加え、小児・乳児の心肺蘇生、傷病者管理、外傷の応急手当、搬送法などを身につけます。

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心肺蘇生(CPR)とは、「胸骨圧迫」と「人工呼吸」、英語でcardio(心臓)pulmonary(肺)resuscitation(蘇生)といい、頭文字からCPRと言います。

胸骨圧迫」のことを「心臓マッサージ」ということが多いのですが(テレビでもよく聞きます)、「心臓マッサージ」は古い言い方です。
今では「胸骨圧迫」と言います

心臓マッサージ」と聞いて、胸を切り開き、直接心臓をつかんでもむマッサージと勘違いする人がいるから「胸骨圧迫」になったそうです(ある消防士さん談)。
医療関係のドラマなどで心臓手術のシーンが増えたのも影響しているのかも知れませんね。

 

熱中症になったらどこを冷やす?


ついでにこれからの季節、特に注意する必要がある熱中症に関して書きます。

よく熱中症になったら、首やわきの下、足の付け根を冷やすことも有効と聞きますがこれは誤りです。昔はそう言われていたのですが・・・
今回の上級救命技能認定証交付のための講習でも講師がこの様に説明しました。

あれ?と思い、テキストを確認すると、「わきの下、足の付け根を冷やす」と書いてありました。これは正解です。

「首」は冷やさないのです。首には脳に血液を送る大切な血管があります。その血管を冷やすと血流が悪くなり、脳にダメージを与える可能性が高くなるからです。
脳は冷やす必要があるので、冷やすなら後頭部など頭の部分です。

この知識は、他の指導者向け講習会で学びました。

あまり知られていないことですので、万が一その様な場面に出会ったら思いだしてくださいね。

「首を冷やす」と古い情報を講習会で話してしまった講師の方には、休み時間にそっと告げました。その後、講師の方は確認してきた様で、休み時間後すぐに訂正がありました。

救命技能認定証はどなたでも取得できるもの、スポーツ時だけでなく、身近のご家族に万が一のことがあった際にも役立ちます。
スポーツに関係なく多くの皆さんに持って頂きたいものです。

この講習、すでに何度も更新してきているのですが、内容が少しずつ変わります。
新たな考え方や医療器具の進歩などによるものです。

 

f:id:usariku:20170423225103p:plainでは復習です。

熱中症のときはどこを冷やせばいいでしょう?

 

首・・・☓

わきの下・・・〇

足の付け根・・・〇

頭・・・〇

 

     過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain  

リレーのマーカー(テープ)の色~ちょっとややこしいルール~

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うさりく先生、4×100mリレーで使うマーカー(テープ)の色、何でも良いのですか?

白が多い様ですが、ときどき黄色なども見ますが・・・
教えてください!

※2018年3月13日:2018年度規則(ルール)修改正に伴う追記あり(文中の赤字部分) 

 

4×100mリレーで、前の走者が走ってきて、次の走者が走り出すタイミングを決めるためなどに貼る粘着テープ(マーカー)、貼って良い場所は前の記事で書きました。

では、何色のテープが使えるのでしょうか?

 

ルールでは、

レーンでリレーを行う場合、競技者は大きさが最大50㎜×400㎜で他の恒久的なマーキングと混同しないようなはっきりとした色の粘着テープをマーカーとして1カ所、自らのレーン内に貼ることが許される。それ以外のマーカーの使用は認められない。
〔国内〕 本連盟が主催、共催する競技会では、マーカーは主催者が
用意する。 

 

まず、わかりにくいのが、「恒久的な」です。辞書で調べると、「いつまでもその状態が続くさま」と書いてあります。

以下、「色」の説明のために加速ゾーン(一般的にはブルーゾーン)の開始位置を示すマーキングを例に説明していますが、2018年度規則(ルール)修改正で加速ゾーンはなくなりました。マーキングも塗り替えられていきます(既存の競技場は改修などのタイミング)。※2018年3月13日追記

ルールの解釈は、恒久的なマーキングはレーンに引かれているマーキング、例えばリレーの加速ゾーン(一般的にはブルーゾーン)の開始位置を示すマーキングなどを指します。
レーンを分ける白いラインやスタートライン、フィニッシュラインなどは含まれません。
写真がその例(加速ゾーンの開始位置を示すマーキング)。

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つまりこの場合は写真のマーキングと同じ色のマーカー(テープ)は使用してはいけないことを言いますが、実際の運用ではルールに記載の「〔国内〕本連盟が主催、共催する競技会では、マーカーは主催者が用意する。」のように主催者がマーカー(テープ)を用意するとき選手がトラック上にマーキングされたものと見間違わないような色にするように、という意味合いで解釈されています。
選手が自ら用意する場合は選手自身がわかる色で良いということです。

 

この記事では4×100mリレーを例に書きましたが、他のリレー種目でもレーンでバトンパス(バトン受け渡し)を行うところ(各チーム、バトンパスを行うレーンが異なるレーンと決まっているところ)では全て同じルールです。

  

 

     過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

アシックス、ミズノ、ニシ・スポーツの各社さまにお礼 ~画像データなどの利用について~

本ブログの記事を書くためには、陸上競技関係の施設、用具、身につけるものなどの画像やイラストなどが必要となることがあります。

各メーカーさまがホームページに掲載している画像やイラストなど、著作権はほとんどの場合、掲載者さまが持っています。

インターネットで公開されているから誰でも見られるし、誰でもダウンロードできるので、勝手に使ってもいいと思っている人がいるかもしれません。

でも、勝手に使うのはNGです。

本ブログで使用している画像やイラストなどは、自前のものやフリー(無料)の素材、そして著作権を持っている方から利用の許可を得たものです。

現在画像やイラストなど使用させて頂いている次のメーカー様からは利用について快諾して頂きました。

【順不同、敬称略、()内は一般名】

・株式会社アシックス(asics
・美津濃株式会社(ミズノ、Mizuno)
・株式会社ニシ・スポーツ(NISHI)

ありがとうございます。

f:id:usariku:20170423225103p:plain著作権については、現在インターネットの世界で大きな問題になっていますが、あまり深く考えていない人もいるようです。

お互いに気を付けたいものです。

 

尚、本ブログに掲載の画像、イラスト、各メーカーさまからの許可を得て掲載していますが、二次利用(本ブログに掲載のものを別の方が利用すること)の許可までは頂いていませんので、ご覧の皆さまは利用しないでくださいね。

 

いつもご覧いただきありがとうございます。

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       過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain 

靴(くつ・シューズ)の正しい履き方~陸上競技を始めて最初に覚えること~

f:id:usariku:20170504075658p:plain子供が陸上競技を始めました。親としても応援してあげたいのですが、何か親にできることってありますか?  

 

 

 

あります。どなたにもできることが。

それは、くつ(シューズ)をきちんと履く練習です(これ以降はシューズと書きます)。

中学生で陸上競技をやっている選手の中にも、きちんと履けていない選手がたくさんいます。シューズなんて「履ければいい」と思っているのでしょうか?

シューズがきちんと履けていなければ、正しく走ることはできません。
ぶかぶかですぐに脱げてしまうシューズ、走りにくいのはわかりますよね。

 

ではきちんと履くにはどうすれば良いか、下の写真で説明します。

写真は陸上競技のトレーニングシューズですが、スパイクなども履き方は同じです。また、ひも靴の写真ですが、マジックベルト(マジックテープでとめるシューズ)の場合も同じです。

全てのシューズに共通して言えることですので覚えてくださいね。

 

まず、かかとから合わせます

①履くときは必ず靴ひもをほどいて(マジックベルトならはずして)ゆるめた状態にします。
②かかとを床や地面につけ 、つま先を上げた形で 、シューズとかかとがブレないよう固定させます。
③靴ひもをつま先の方から締めていきます。マジックベルトが複数あるときもつま先の方からとめていきます。

*写真のように足首の角度は90度に。立った時に近い状態で合わせます。

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上の状態で靴ひもやマジッベルトを調節し終わったら、ひもを結びます

①つま先を床や地面につけます(つま先に重心を移動させる)。
②靴ひもを前方(写真の矢印の方向)に引っぱりながら結びます。マジックベルトは引っぱらないでぴったととめます。

シューズの足がはいる部分がしっかりフィットしていればまずはここまで合格です。

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きちんと履けたかチェックします

シューズを床や地面についていない状態に浮かせます。立ってやっても良いですね。

 シューズの中で足が遊んでいませんか?
 つま先や横幅に余分なすき間がないですか?
 きつすぎませんか?

圧迫感を感じない(きつすぎない)程度にフィットしているのが 基本です。

足がこれから大きくなるだろうからと大きなサイズを選ぶのはやめましょう。シューズの性能が活かせません。

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最後に立って歩いてみます

どうですか?
きちんと履けましたか、フィットしていますか?
フィットしていれば完成です。
していなければ最初からやり直します。
靴ひもやマジックベルトを、ほどいたりはずしたりしてゆるめるところから始めましょう。

 

これならお父さんやお母さんでも教えられますよね。

 

 

実は私、時々確認しています。
教え子はもちろん、大会などで見かける選手たちの脱いだシューズを!

スパイクに履き替え、脱いだランニングシューズ、ブルーシート等の上で休んでいる選手が脱いでいるシューズを。

靴ひもをほどかないで脱ぐ人を結構たくさん見かけます。

靴ひもをほどかない状態で脱げるということは、きちんと履いていないということですよね。

もちろん、顔見知りの選手には気付いたら指導します。

競技力がある選手(小学生でも)は、シューズの履き方からきちんとしている選手がほとんどです。強くなるには基本的な心構えが欠かせません。


選手の皆さん、脱いだシューズを指導者に見られていたことありませんか?「いいシューズだね。脱いでよく見せて。」と言われたことありませんか?

もしかしたら陸上競技に対する心構えをチェックされているのかもしれませんよ!! 

      過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

リレーの種類、実はこんなにあるのです

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うさりく先生、リレーって小学生や中学生では4×100mリレーですが、他にも種類があるのですか?
オリンピックや世界選手権では4×400mリレーというのも見たような気がしますが・・・

教えてください!

 

いろいろな種類があります。

その種類、ルールでは、

4×100m,4×200m,100m-200m-300m-400m(メドレーリレー),4×400m,4×800m,1200m-400m-800m-1600m(ディスタンスメドレーリレー)、4×1500mが標準の距離である。
〔注意〕 メドレーリレーは走る距離の順番を入れ替えることができ
る。

と書いてあります。 

  

4×200mリレー、実は2000年ころまで中学男子の種目としてあったのです。その後4×100mリレーになりました。

メドレーリレーは、以前スウェーデンリレーとも呼ばれていました。スウェーデンリレーなら知っているという方、いるのでは?
私の出身高校では、体育祭でこの種目が行なわれていました。最終種目で、かなり盛り上がった種目です。

4×400mリレーは高校生以上では一般的に行われています。

4×800m,1200m-400m-800m-1600m(ディスタンスメドレーリレー)、4×1500mリレーはめったに見かけない種目です。

国際陸上競技連盟(IAAF)が主催する、世界リレー大会という大会が2014年からバハマで開催されるようになり、いろいろな種目が実施されています。
毎回実施される種目もかわり、なんと男女混合リレーも行われています。

今年は4月に開催されました。
今年実施された種目
4×100mリレー(男子、女子)
4×200mリレー(男子、女子)
4×400mリレー(男子、女子、混合)
4×800mリレー(男子、女子)


これらのリレー種目、全て陸上競技場内(トラック)で行われ、バトンを使います。4×1500mリレーでもタスキを使うことはありません。

 

   

 

         過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

 

リレーのテープ(マーカー)を貼る場所~知られていないルール~

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うさりく先生、4×100mリレーほとんど知られていない大事なルールがあるって本当ですか?

大会に参加するなら、細かいルールもきっちり守らないといけませんよね。

教えてください!

 

 

 

4×100mリレーで、前の走者が走ってきて、次の走者が走り出すタイミングを決めるためなどに、粘着テープをレーン(トラック)に貼りますよね。

 

あのテープ、自分と隣のレーンの境目にあるラインの内側のラインに少しでもかかっていたらNGなんですよ。外側のライン上はOK。

 

ルールでは、 

自らのレーン内に貼ることが許される。

 と書かれています。

  

自らのレーンとは、ラインだけを考えると踏んでも構わないところです。
つまり、逆に言うと踏んではいけないところは含まれていないことになります。
ですから、踏んではいけない(別のルールで規定されています)ところには貼ってはいけないのです。

貼っていたら自分がラインを踏んでいるのと同じことになるのです。

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実はこれ、かなり多くの選手が守れていません。

 

ある国体の審判を行ったとき、やはり違反している選手がいました。
国体のリレーは、都道府県代表チームで行われます。
つまり、各都道府県のトップクラスの選手が走ります。

そのクラスの選手ですら、知らない人もいるルールです。

この記事を見た皆さんは違反しないでくださいね。

周りにもし違反している選手がいたら教えてあげてください。

 

このテープ、ルールでは「マーカー」と呼びます。

この記事では4×100mリレーを例に書きましたが、他のリレー種目でもレーンでバトンパス(バトン受け渡し)を行うところ(各チーム、バトンパスを行うレーンが異なるレーンと決まっているところ)では全て同じルールです。

 

 

     過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

NISHIってなに?陸上競技場で見る用具のいろいろ

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うさりく先生!子どもが出る大会を観に、初めて 陸上競技場に来たお母さんたちから結構聞かれるんです。

競技場で一番目立つあれ、フィニッシュラインの所にあるタイマーに書いてあるアルファベットを見て・・

「NISHIってなぁに?」

日本で陸上競技をやる人ならだれでも、あらゆるところでNISHIさんにお世話になっているんですよね。みんなにもっと知ってもらいたいです。

 

 

NISHI株式会社ニシ・スポーツのこと。

1951年に創業した陸上競技専門メーカーです。社名は創業者の西貞一氏のお名前に由来、有限会社西スポーツ用具社という社名を経て、株式会社ニシ・スポーツになったとのことです(以下「ニシ・スポーツ」と書きます)。

 

本ブログの作成に際しても、ホームページや電子カタログ(PDF等)からの画像の使用、画像の切り取り等の加工までもご了承くださいました。

 

多くの競技場でニシ・スポーツの製品を多数見かけます。

画像に出てくる主にデジタル機器で青色のものが多数ありますが、これは最新のもので、現在の多くの競技場では黄色です。今後青色のものが増えてくるでしょう。

 

製品を幾つか紹介します。これもそうかというもの多数あるはずです。

 

 

スターティングブロック

短距離選手がスタートのときに使用する

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かわいい、スターティング・ブロックのキーホルダーも作っています。
これ結構選手に人気があります。
大きな大会のニシ・スポーツのブースで見つかることがあります。

          これは室内練習用

 

レーンナンバー標識

短距離種目や800m、リレーのスタート時に何レーンかを表す

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表彰台

入賞選手を表彰する

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バトン 

リレーで使用する

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スタート用警告カード

選手があまり見たくないもの。スタート時、注意グリーンカード)や失格(レッドカード)の時に出される

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投てき種目で使用する

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周回表示器

トラックを2周以上走るトラック種目で選手があと何周走るかを示す

フィニッシュ地点のトラック内側に置かれています。

先頭の選手が正面スタンド側のトラックの直線部分に来たら表示を1減らします。

最後の1周だと、その場所で1から0になります。デジタル式の電子式周回表示盤もあります。

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がありますが、最後の1周になった時に鳴らします。

 


風力速報表示器

200m以下の短距離種目や走幅跳三段跳風力を表示する

競技場によってはデジタル表示の電子式風力速報表示盤もあります。

+だと追い風、-だと向かい風

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200m以下の短距離種目の場合、直走路のトラック内側のフィニッシュラインから50mの辺りに、走幅跳三段跳の場合は助走路の横、踏切板から20mの辺りにあることが多いです。

デジタル表示の電子式風力速報表示盤はトラック種目の場合、フィニッシュ地点近く記録の表示(フィニッシュタイマー)と、走幅跳三段跳の場合はトラック内側などに、記録の表示と並べて置いてあることもあります。

 

 

フィニッシュタイマー

1着の選手がフィニッシュした時に記録を表示する

速報値や確定値が表示されます。

右側画像三脚にあるのは速報値を判定するビームを出す装置

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レーニング用品

ユニフォームやトレーニングウェアなども多数扱っています。

 

詳しくは http://www.nishi.com/category/trackfield.html

 

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今年で7回目を迎える「NISHI Athletic MEET」。ニシ・スポーツの陸上競技場用製品がたくさん見られる大会です。

 

 2017、今年は7月22日(土)東京の駒沢オリンピック公園陸上競技場にて開催します。

詳しくは http://www.nishi.com/events-2017/

大会要項によるとエントリー受付中です(6月1日締切)!
ただし定員があるようですので参加申し込みされる場合はお早めに。
大会当日、見に行くだけなら申し込みは不要です。
過去数回選手引率でこの大会に行ったことがありますが、普段見ることができない器具など多数見ることができ面白かったですよ。
参加賞なども良かったです。

     過去の記事一覧f:id:usariku:20170501233717p:plain

マラソンやロードレースの距離の計測

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競技場の外で行われるマラソンやロードレースの距離って本当に正しいんですか?

測るの大変そうですよね。どうやって測っているんですか?

うさりく先生、教えてください。


   

 

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公認大会にするためには、記録(タイム)に関しては、トランスポンダーシステムによる計測、手動計時や写真判定システムで計測されることが条件ですが、距離の計測方法にも条件が定められています。
 
トランスポンダーシステムについての記事はこちら




コースの距離、当然ですが短くては絶対にダメです。
ルールブックでは次のように定められています。

コースの長さは種目の公式距離より短くてはいけない。 

(種目とは、例えば、20㎞、ハーフマラソン、30㎞、マラソン(42㎞195)など)


f:id:usariku:20170423184004p:plain だれが測るのか?

 

コース計測員という資格を持った計測員が測ります。



f:id:usariku:20170418121827p:plain どのように測るのか?

 

2通りあります。
自転車計測ワイヤー計測です。

 

日本陸陸上競技連盟の公認コースの認定を得るための距離計測を手伝ったことが何度かあります。私は計測員の資格は持っていないので、手伝いです。

2通り、どちらも経験しましたので、一つずつ説明していきます。

 

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自転車計測

 

 ルールでは、

自転車に「回転測定器」と呼ばれる専用のカウンターを取付け、基準の距離(概ね400m)をカウンター数に換算して自転車で計測する。
距離の減少を防止するため0.1 %を加えて計測する。

わかりやすく言い換えると、基準の距離を400mとした場合、回転測定器が示すカウンターが400m+400mの0.1%を示す様にして計測するということです。0.1%は誤差で距離が短くならない様に少し長めで計測するということです。
※ここから後の説明では誤差で短くなる考慮は含まず「400m」と書きます。

この作業はかなり大変です!

まず、測定が行われるのが早朝が多く、季節によっては夜明け前から行います。
それにも理由があります。

日が昇り気温が上がると道路の表面温度も上がるし、自転車のタイヤの空気圧にも影響が出るからです。


この自転車計測、使用する自転車の精度を確認してから開始します。

自転車は1台ではなく数台で行います。

まず直線道路に基準となる400mをメジャーで計ります。計測員が言うには、そのメジャーも日本にわずかしかない精度の高いものだそうです。
その400mを自転車で走行し、回転測定器の数値を測定します。これを数回往復し、都度タイヤの空気圧などを調整、回転測定器が示すカウンターが400mを示す様に精度を上げていきます。

この作業をカリブレーションと言います。

そして例えばスタートから全コースの5km毎にポイントを決める場合、
回転測定器が示すカウンターが400mを示す様になっているので400mの2.5倍、その5倍が5km、
回転測定器で5km毎を確認。仮ポイントとして印をつけます。
計測が終了したあと自転車すべてのデータを集計し、距離を算出します。この算出はPCで行います。

計測員の皆さんさすがです、誤差ほとんどありません(注:私が関係したときのことです)。

計測員のOKが出たら、印をつけた仮ポイントにマーキングします。金属びょうの埋め込みやペイントなどの作業です。

これが自転車計測です。

自転車計測で使用する自転車、私が関係したときの計測員の話だとかなり高級品で、計測員の個人持ち、回転測定器は決まったものが支給されるそうです。

ワイヤー計測

 

 ルールでは、

ワイヤーに真の50m を移設し、50m ごとに計測する。

「真の50mを移設」わかりにくいですね。これあとで書きますが、きちんとした50mのワイヤーを使ってということです。

  

50mのワイヤーを人が持ち、50m歩いて印をつけてはまた歩いて移動、これを繰り返して計測することです。
歩いている間はワイヤー引きずってはならず、持ち上げて歩き、止まったらしゃがみ・・・5km測るために、5km歩き100回スクワットしている様なものです。

これ経験したとき、さすがにきつかった!

この50mのワイヤーも自転車計測で使うのと同様の精度の高いメジャーで長さを確認します。
測定が行われるのも早朝が多く、季節によっては夜明け前から行うのも同じです。
ワイヤーも日が昇り気温が上がり道路の表面温度が上がると影響で長さが変わる可能性が高いからです。

あの東京マラソンの第1回大会のときもワイヤー計測。何日もかけて行なわれました。

 

 

 

 

自転車計測とワイヤー計測どう選ぶの?

 

 ルールでは、

IAAF/ AIMS認証コースでは、自転車計測としなければならない。

IAAFは国際陸上競技連盟、AIMSはマラソン・ロードレース協会のこと。
簡単に言うと国際大会では自転車計測が義務付けられています。

 

その他、日本陸上競技連盟などが主催する大会の計測でも自転車計測で行うべきとされています。


上記の国際大会のために計測を行うコース計測員は「IAAF公認コース計測員」という資格を持ち計測を行います。

日本陸上競技連盟などが主催する大会の計測でも「IAAF公認コース計測員」が計測すべきとされています。

このIAAF公認コース計測員、国内にいるのはまだ少数です。

 

今では多くの公認コースの測定で、自転車計測が採用されるようになりました。

自転車計測の登場で劇的に楽になったのです。 

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain 毎回測るのか?

一度公認をとれば5年間は有効です。
公認をとるための計測は5年に一度行わなければなりません。

 

もしコースが工事などで変わったら、その都度計測のやり直しです。

*コースの大部分または全部の変更

当然すべて計測のやり直し。
公認コースの申請も新規として扱われ、その年から5年間公認コースとして有効になります。
途中変更がなければ、次の計測は5年後です

*一部分の小さなコース変更

影響のある一部を計測し、差をスタートやフィニッシュ地点で調整することもあります。
次の計測は前回公認を受けたときから5年後であって、小さなコース変更のための測定から5年後ではありません。
例えば、公認を受けてから4年目でコース変更したとすると、翌年にはもう5年に1度の更新のため、コース全体の計測が行われることになります。

 

私が運営に関わる公認大会のひとつは河川敷で行なわれるため、土手の工事などでコースが何度も変わりました。その都度計測のやり直しです(ほとんどが一部ですが、コースの半分以上の変更もありました)。
時には工事が終わり大会当日には前年とほぼ同じコースを使えそうなときもありますが、当然計測し直したコースで大会は開催されます。

参加者の皆さんに、コースがよく変わるとご指摘を受けることがありますが、それはきちんと計測した結果なのでご理解ください。

 

   

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain 大会当日にも自転車計測?

実は大会当日にも自転車計測が行なわれる時があります。
選手のスタート数分前に計測開始します。

この下に書いた「距離不足で公認されなかった!」事件のふたつめ「2015年某マラソン大会の例」は距離不足が当日の自転車計測で見つかっています。

見てみたい人は国際大会をチェック!

国際大会では当日の自転車計測は必ず行なわれます。

選手が来る前に自転車が通過するのを見ることができるかもしれませんよ。


その大会が国際大会かどうかを知りたい場合は、「〇〇マラソン大会(大会名) 大会要項」で検索するとその大会の大会要項を見ることができます。

その中の主催者や後援者に「国際陸上競技連盟」が入っていたり、競技規則に「国際陸上競技連盟(IAAF)並びに日本陸上競技連盟競技規則及び本大会規定による。」の様に書いてあります。

 

 

 

「距離不足で公認されなかった!」事件

 

f:id:usariku:20170423184004p:plain 2016年某マラソン大会の例


ニュースにもなったので知っている人も多いと思います。

日本陸連公認のフルマラソンコース(42.195キロ)のスタート位置を、勘違いして誤った場所に設定、48メートル距離が短くなった大会があります。

スタート5分前に過ちに気付いたスタッフが修正するよう求めたのに、審判長ら競技役員4人が「多少のずれは問題ない」と判断し、大会運営を続行したようです。

そのまま競技は行われ、記録は日本陸上競技連盟から公認されないということがありました。

48メートルと言っても時間にすれば10秒前後も変わります。これを「多少のずれ」と判断した審判長ら競技役員4人は、計測の立会い経験がないのでしょうか?

これでは走った選手に失礼です。
計測員や計測に関わった人にも失礼です。

コース計測時にスタート位置を示すために道路に金属びょうを埋め込むのですが、別の大会の金属びょうをこの大会のびょうと間違えた、これが勘違いの原因だったということです。

 

道路に埋め込まれた金属びょう、確かに場所によっては色々な大会の物が埋め込まれていて間違えやすいことは確かです。特に河川敷を使うコースには多く埋め込まれています。

私が関係する大会のコースにもたくさんあります。しかもそのびょうがどれもとにかく似ているのです!色の違いはあるけれどお互いに確認しているわけではありません。

そこで私が関係する大会では金属びょう以外にペイントなどで他と区別がつくよう工夫しています。

これに関してもルールに触れられています。

”他のマーキングと間違えないように特有の色で” と。このマーキングの多くが金属びょうです。

 

f:id:usariku:20170418121827p:plain 2015年某マラソン大会の例


もう一つ、コースの距離不足で未公認になったとして知られているのが関東の港町で有名な地名の名がついたマラソン大会、2年前の第1回大会です。詳しくは「〇〇マラソン 距離 不足」で検索すればでてきます。

この大会、大会前から公式サイトなどでは日本陸連の公認大会ではないと明記されていました。しかし「コースについては日本陸上競技連盟公認コース申請予定です」としていたのに・・・

ラソンを走った後に、実は公認になりませんと言われても・・・辛いですよね。その日を目指して頑張ってきたのですから。

大会運営が正しくなされること。

これは全て選手のためです。

 

「第1回大会」とかですと、このようなことが起こらないとも限りません。

個人的な考えですが、参加するマラソン大会を選ぶときは、数回以上開催されている公認大会を選ぶのが良いと思います。

公認大会でない場合は距離も正確でないこともあるので、参加するときは主催者に距離の計測方法も確認してみましょう。 

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